会報「ゆきしろ」75号
(平成29年6月発行)
◆普通文字のページへ
【ゆきしろ発行時期変更のお知らせ】
これまでの「ゆきしろ」は、その年の前半1月1日~6月30日までと、後半7月1日~12月31日までの2回に分けて発行していましたが、これからはその年度の前半4月1日~9月30日までの分を12月末に、後半10月1日~3月31日までの分を6月末に発行することになりました。
この「ゆきしろ75号」は平成28年10月1日~平成29年3月31日までの分を掲載しています。
第75号
(発行者)
社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
〒930-0077
富山市磯部町3丁目8番8号
電話 (076)425-6761
Fax (076)425-9087
Eメール:bcb05647@nifty.com
Homepage:http://www.toyama-ssk.com
(発行責任者)
会長 塘添 誠次
上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。
【ゆきしろ(雪代)の意味】
雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。
【ゆきしろ75号 目次】
《巻頭言》
◆2年間を振り返り今後に向けて 会長 塘添誠次
◆第25回北信越サウンドテーブルテニス大会
サウンドテーブルテニスクラブ部長 中西美雄
◆平成28年度日盲連北信越ブロック大会
代表者会議 副会長 安田庄内
青年部協議会 青年部 定塚剛成
女性部研修会・協議会 女性部部長 柳田信子
◆第40回視覚障害者文化祭・福祉機器展 文化部部長高島ヒサ子
◆第42回富山県視覚障害者球技大会 富山支部 柳井勇二
◆三療部会だより 副会長(三療部会長) 堀 惠一
◆平成28年度三療研修会 施設部部長 上坂敏彦
◆評議員会・理事会 総務部部長 佐生秀一
◆平成28年度更生相談会 厚生部部長 本江とみ子
《みんなの広場》
◆念願の槍ヶ岳に登頂!! 射水支部 塘添誠次
◆夢・キトキトちびっこダンスフェスティバル 南砺支部 梅本直明
◆球技大会に参加して 富山支部 池田一義
◆第19回全国視覚障害者囲碁大会に参加して 富山支部 笹木希一
◆「夢 Dream Party」に参加 南砺支部 梅本直明
◆理事退任に際して ―会員等皆さんへのお別れの言葉― 倉田久子
◆富山三つ星山の会より 富山三つ星山の会 事務局長 桐井英志
6月例会黒部峡谷パノラマ展望ツアーに参加して 牧野清美
《事務局から》
◆消息
◆受賞
◆時事暦
◆平成29年度の主な行事予定
《編集後記》 文化部部長 高島ヒサ子
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《巻頭言》
◆2年間を振り返り今後に向けて
私は、会長として協会のかじ取りを任されて2年が経ちました。就任当初は、中西前会長のようにうまく協会運営ができるか不安でしたが、役員・センター職員・ボランティアの皆さんの御協力を得て何とか協会運営ができたのではないかと感謝しています。そして、協会の行事に参加された会員の皆さんには良い印象をもっていただけたのではないでしょうか。
会長に就任すると、福祉に関する富山県や富山県社会福祉協議会、そのほか他団体や組織の役職が自動的に回ってくることは副会長の時に感じていましたが、思ったよりはるかに多いことに驚きました。しかし、それらの役目も務めるのが会長としての責務と考え、会議には極力出席するようにしました。そして、会議では必ず何か一言は発言するように心がけています。
昨年は、私たち障害者がより生活しやすくなれる可能性を与えてくれる意義深くかけがえのない、期待できる「障害のある人の人権を尊重し県民皆が共に生き生きと輝く富山県づくり条例」が4月1日から施行されました。
そこでこれからは、この法律を広く県民に周知していく啓蒙活動が重要となると共に、不当な差別を受けたり合理的な配慮がなされない時には、地域相談員(身体障害者相談員が兼務しています)や広域相談員が県庁にいます
(相談室:076-444-3959)で相談してください。
この条例が施行されたにもかかわらず、県内においては、盲導犬の使用者が飲食店の入店を拒否されたり、宿泊施設への入館を断られるという事が起こっています。補助犬法に違反していると共に差別を受けていることになります。県内の盲導犬使用者のみならず、県外から来られる盲導犬使用者にも影響を与えるものであります。また、富山県への旅行客を増やそうとしているのに相反するものなので、この課題については、協会として真剣に取り組まなければなりません。
明るい話題として、昨年4月1日から富山県においてタンデム自転車での一般公道の走行が認められました。
そこで、富山県サイクリング協会の協力を得てタンデム自転車講習会を行い、それを踏まえて村上会長のお誘いで湾岸サイクリングに参加し、マスコミを通して広く県民に周知していただくことができました。
そして今年も湾岸サイクリングに参加しますが、現在、協会ではタンデム自転車を6台所有しており、これを無料で貸し出していますので、大いに利用し、サイクリングを楽しんでいただきたいと思います。
福祉の向上については、色々な要望をまとめ、取り組んできました。重度視覚障害者に対する同行援護サービスについては、県の委託を受け、同行援護従事者養成研修会の実施と県内15市町村の同行援護事業の実態調査を行い、不十分ながらも改善が図られてきているように思われます。しかし、未だ県内市町村の格差が存在しており、ニーズに応じた利用しやすいものになっていかなくてはなりません。
次に、日常生活用具の給付は地域生活支援事業のため、市町村に格差が生じてきています。その改善を目的として平成27年7月に補装具・日常生活用具研修会を開催し、12市町の福祉課の担当者が研修を受けました。そして、同年10月に県協会から県内の市町村に改善の要望書を送りました。
それを踏まえて、各支部から改善要望を地元の福祉課に働きかけるようにお願いしましたが、何らの働き掛けがなされなかった支部が半数あり、平成28年度に改善がみられたのが4市に留まったのは残念に思います。県協会と支部の連携を深めていくことの大切さを認識すると共に、今後の運動の進め方の反省点です。
ところで、職域拡大を目的に開始されましたヘルスキーピングモデル事業に対し、平成27年度から県の予算が認められ、28年度も実施しています。これが実際の企業への雇用につながるものになっていかなければなりません。
一方、高齢視覚障害者の終(つい)の棲家ともなり得る養護老人ホーム「光風園(こうふうえん)」及び盲養護老人ホーム「自生園(じしょうえん)」の見学会を行い、県の今後の取り組みについての研修会を行いましたが、盲養護老人ホームの新設の要望は少なく、既存の施設の有機的活用を図ることとなりました。
組織対策については、中新川支部が解散し消滅しましたが、上市支部が誕生しました。かろうじて維持できてはいますが、未だ砺波市・滑川市には支部がありません。支部のない所は、どうしても福祉が停滞します。立山町も含めて支部結成に向けてこれからもっともっと真剣に取り組んでいかなければなりません。これは役員のみでなく、会員一人一人の問題として意識していただきたいと思います。
バリアフリーについては、県や富山市に要望しセンター前の横断歩道にエスコートゾーンが敷設され、センター向かいの歩道の点字ブロックの改修が行われるなど、徐々にではありますが改善が図られています。しかし、改善に向けては漠然とした要望ではなく、もっと具体性をもったものにならなければなりません。
そして、新幹線開通に伴うJRから「あいの風とやま鉄道」への移行に際しては、要望書を提出し、話し合いをもたせていただき、一定の改善をしていただきました。
更に、近年視覚障害者の介護保険施設利用が増える中、事業所の視覚障害者への対応が十分になされていませんので、「デイサービス事業所に支援の手引き」を作成し、啓蒙を図っています。
今後の課題として、視覚障害者の存在と安全な移動のために「国際シンボルマーク」が周知されていませんので、富山県が発信の地となり、北信越に広げ、全国に拡大していくと共に、啓蒙活動に積極的に取り組んでいかなければなりません。
センターでは、洋式トイレが整備されました。足腰に不安を抱かれておられた人にとってセンターを利用しやすい環境が整備できたのではないかと思います。また色々な会員からの寄付により、高速点字プリンター、カラオケも楽しめるテレビモニター付き音響装置一式、ロビーの休憩セットとLED照明、冷蔵庫、タンデム自転車、火災警報器、無線LAN、ピアノの椅子などの機器や備品が整備されました。大変感謝する次第です。このことは、富山市の2次避難所となっているセンターが避難者を受け入れやすい施設になることにもつながっています。
ちなみに、昨年から「イチゴ募金」を始めました。この「イチゴ募金」とは、1円の「イチ」と5円の「ゴ」の語呂合わせで、視覚障害者は買い物などをした時、お釣りとして1円や5円をもらうと財布に入れずに空き缶などに入れてためている人がいます。それを募金していただこうと、ロビーのカウンターの上に縦・横・高さそれぞれ約30センチの募金箱を設置しました。これは1円と5円に限ったものではなく、10円以上の硬貨でもいいし、お札でも結構です。集まった募金の使用方法はまだ決まっていませんが有意義なものに運用したいと思っていますので御協力をお願いします。
次に私たちの情報障害を補ってくださるボランティアの皆さんについてです。点訳や音訳のボランティアの皆さんの献身的な御努力には私たちは常に感謝の気持ちをもたなければなりません。
点訳ボランティアグループ「コスモスの会」はまもなく40周年を迎えようとしており、昨年音訳ボランティアグループの「あゆみ会」は40周年、「ひまわりの会」は35周年を迎えました。
点訳図書や音訳図書を利用することは、私たちのQOLの向上に役立つだけでなく、その感謝の気持ちとより良い図書の作成に向けた利用者の意見や感想がボランティアの皆さんに伝わらなければなりません。そういう意味で、毎年7月に行っている「ボランティアと利用者交流会」の参加者がもっともっと増えて、交流をもてる行事となることが望まれます。
今後とも、協会の活動に皆様方の御協力をお願いいたします。
《大会参加報告》
◆第25回北信越サウンドテーブルテニス大会
立冬を間近にした11月5日、小春日和というには少し早い秋晴れの爽やかな朝、富山を出発し会場である長野県松本市へ向かいました。
松本市内も富山に負けないほどの晴天で、吹く風こそ肌を刺す冷たさではありましたが、体育館の中は空気も乾燥し、打球音も軽快に響いて絶好のコンディションの中「第25回北信越サウンドテーブルテニス大会(長野大会)」が開催されました。
富山県からは選手7名と審判兼付添いとして、レディースの鳥崎(とりさき)さんの8名で参加してきました。
11月5日(第1日目)
受付を済ませ13時30分から開会式です。最初に大会会長で長野県視障協の中山理事長から選手に対しては激励の言葉を、審判団をはじめボランティアとして協力して下さる高校生や大会役員に対して感謝の言葉が述べられました。続いて来賓のご挨拶、審判長からの競技上の諸注意事項、選手宣誓などがあり開会式が終了しました。
いよいよ14時から個人戦です。今年は、どの試合とも実力が伯仲し、フルセットの試合が多く、一球の出し入れによって勝敗が決していたように思いました。そのため進行も大幅に遅れ、優勝が決したのが18時30分にもなりました。
こんな伯仲した試合にあっても、富山県選手団は全員予選リーグを突破し、決勝トーナメント戦に臨みました。
それぞれが全力を出し切って戦いましたが、今年は徳市和美さんの準優勝が最高で、ここ数年、どこかの種目で優勝を勝ち取っていた記録が途絶えてしまいました。しかし、全員がベスト8に入ったことは日ごろの練習の成果であると思います。
宿舎へ帰り懇親会が始まったのが、19時20分。それでも、おおいに歌い・語らい、他県選手との交流もできて有意義な時間を過ごし、明日への英気を養うことができました。
11月6日(第2日目)
今日は団体戦です。富山県からは、AチームとBチームが出場しました。団体戦は3人の選手で構成され、その試合順は女子のアイマスクあり、アイマスクなしの男女混合、男子アイマスクありとなっています。
第1試合は8時30分から富山県Bチーム(徳市和美、池田一義、林大志)対長野県Bチームから始まり、幸先よく富山県Bチームが勝利しました。ベスト8に上がった富山県Bチームは、続く石川県Aチームと対戦しましたが、健闘むなしく惜敗してしまいました。
一方富山県Aチーム(本江とみ子、太田蓉子、塘添誠次)は、昨年の新潟大会で3位に入賞したことによりシードされ、第2回戦(準々決勝)からの出場でした。相手は昨日の個人戦で優勝者が二人もいる強敵、長野県Aチームです。どの試合も手に汗を握る接戦で、応援する手にも力が入り、祈る思いでおりましたが、残念ながら惜敗してしまいました。
この大会は、毎年各県持ち回りで開催され、もう25年も過ぎてしまいました。来年は福井県で、そして、翌30年は福井県において全国障害者スポーツ大会が開催されます。選手・クラブが一丸となってそれら大会を目標に練習にはげみたいものと考えています。
◆平成28年度日盲連北信越ブロック大会
★☆代表者会議
平成28年11月26日(土)、27日(日)の二日間、北信越5県から約150名が参加して、石川県羽咋郡志賀町(しかまち)上野(うわの)の志賀の郷(しかのさと)温泉「いこいの村能登半島」において平成28年度の日本盲人会連合北信越ブロック大会が開かれました。
この大会は「北信越ブロック大会」と名称を変えて第2回目の開会になりますが、富山県からは23名(執行部5名、青年部2名、女性部16名)が参加、福祉バスを利用して志賀町の大会会場へ午後2時少し前に到着しました。
2時20分から開会式が始まり、最初に日盲連の歌を皆で斉唱した後、小山(こやま)福井県会長から北信越ブロック長としてのあいさつ、石川県の米島(よねしま)理事長からは開催県として歓迎のあいさつがありました。
次いで、長年にわたり各県の理事長として活躍された方にブロック長から表彰状が贈られ、富山から二口信幸氏、中西美雄氏が表彰されました。
続いて、志賀町町長をはじめ、来賓のあいさつ、そして各県代表のあいさつで開会式を終了しました。
引き続いて同会場において「香りを愉しむ」と題して池田英津子さんによる研修会が開かれました。会場の横では用具の展示紹介と販売が行われていました。
代表者会議、青年部協議会は会場を変えてそれぞれ討議が行われ、女性部協議会は研修会の後に開かれました。
代表者会議は開催県代表あいさつに続き、各県出席者の自己紹介の後、石川県の米田理事を議長に選出して議事に入りました。
① 小山北信越ブロック長の報告では、日盲連の理事会のあり方や日盲連の定款変更について、また、用具の販売が伸びていない、などが話題になり、いろいろ検討されました。
② 石川県の米島理事長から「あはき協議会」について報告があり、小川協議会長にお願いして、メールで情報が届くようになり、各県へ転送できるようになった。また、某学校法人が国を相手取ってあはき法19条問題で訴訟を起こした件について、北信越ブロックとしての意見などを討議しました。
③ 全国大会提出議題について検討され、
石川県提出議題:日常生活用具給付事業の充実について国内全ての市区町村において、日本盲人会連合が示す日常生活用具品目一覧を参考例に、日常生活用具給付事業が実施されるよう、国等の関係機関に働きかけるよう要望します。
富山県提出議題:同行援護事業でのヘルパーによる自家用車使用を認め、移動に要する時間を利用量として算定に加えるよう要望する。
上記の2題が採択されました。
富山県から議題とは別の要望として、「各団体の所在地の県や市町村に視覚障害者国際シンボルマークを知ってもらい、外出時や災害時等において、このマークを身に付けた者への支援体制を構築してほしい」と提案したところ、他県から協力したいとの返事をいただきました。
また、来年富山県で北信越の視覚障害者囲碁交流会を開きたいという事で、各県の協力をお願いしたところ、早速長野県から参加したいとの話がありました。
続いて「光の泉賞」候補者推薦について討議され、石川県の提案が了承されました。
最後に29年度の北信越ブロックの行事予定の報告がされた後、代表者会議を終了しました。報告された平成29年度の北信越の予定は以下の通りです。
・日盲連全国大会は5月26日~28日徳島県で開催。
・北信越グランドソフトボール大会は5月20日、21日に長野県で開催。
・北信越サウンドテーブルテニス大会は10月21日、22日に福井県で開催。
・北信越ブロック大会は11月25日、26日に富山県で開催。
午後6時30分から懇親会が開かれ、石川県のコーラスグループの熱唱やじゃんけんゲーム、各県代表によるカラオケなどで大いに盛り上がりました。
2日目の29日は午前9時30分から社会福祉法人日本盲人会連合の竹下義樹会長による「中央情勢について」と題して講演を聴きました。講演内容の要点は次の通りです。
・各地の鉄道で起きたホームドアの問題など、視覚障害者の安全対策について国に要望していく。
・一昨年1月、日本は障害者権利条約を批准したが、今年4月から施行された障害者差別解消法、改正障害者雇用促進法はそれを実施するためのものであるが、我々の取り組みが大切になる。
・障害者総合支援法が施行されて5年、障害者自立支援法からは10年になる。
・身体障害者福祉法による手帳では全盲は1級であるが、介護保険法による要介護認定においては、要介護1とさえ判定されないことが多い。介護の程度、どれだけ人の手を借りて日常生活を送るか、一人でどこまでできるかを基準にして障害程度を区分することになる。
・地域生活支援事業では市町村で格差が出る。補装具なら全国一律になるが、日常生活用具なら市町村の対応によって違ってくる。
・大阪、東京、仙台であはき法19条問題で裁判が始まった。19条は盲人のマッサージ師を守るための法律であり、昭和39年から今まで、晴眼者のためのマッサージ養成課程は1つも増えていない。
・平成医療学園が、晴眼のマッサージ師養成校を認めないのは憲法違反という訴訟を起こした。晴眼マッサージ師の年収は400~600万円もあるが、視覚障害マッサージ師の年収は180~200万円と半分以下である。年金を加えてようやく生活しているのであるが、平成医療学園はその認識がない。
・国の主張と日盲連を主体とした団体の主張が合致した内容で戦う事が大切。あはき19条を死守する事が盲人マッサージ師を守る事になる。
・社会福祉法という法律が改正され、社会福祉法人や施設が大幅に変革される。日盲連は61の加盟団体があるがそのうち17は社会福祉法人であり、そのうちの5つが北信越にある。
・法律改正の目的は、法人の内部留保を認めない、悪い経営者を排除する、国民の誰にも見える法人にすること。
講演終了後、昨日の代表者会議、青年部協議会、女性部協議会のまとめが報告され、閉会となりました。
富山県参加者はバスで七尾の「能登食祭市場」へ移動、昼食をとった後、富山への帰路に着きました。
★☆青年部協議会
青年部協議会は富山からの参加は2名で、その他福井3名、長野1名、新潟2名、石川5名、計13名で行われました。
協議会では来年度の全国盲青年研修大会への提出議題を決めながら、あわせて情報交換も行われました。提出議題は新潟・福井・石川からそれぞれ1題ずつだされていました。
新潟:若い青年部会員の確保に向けた各県の状況について
福井:視覚障害者の安全な歩行環境整備のため、ホームドアの設置に対する予算補助、または、ホームドアに変わる安全対策の研究等に対する予算措置を要望したい
石川:青年部の対象年齢を50歳までに拡大し、青年部の組織基盤の強化を図るよう要望します。あわせて、名称を「青壮年部(仮称)」に変更します
話し合いの結果、福井からの1題と新潟・石川をあわせた以下の2題となりました。
① 視覚障害者の安全な歩行環境の整備のため、ホームドアの設置に対する予算補助または、ホームドアに変わる安全対策の研究等に関する予算補助を要望したい。
② 青年協議会の組織基盤の強化、各組織団体の会員の増加を実現するため、対策を日盲連と青年協議会が連携し打ち出してほしい。
情報交換では青年部のない新潟・長野から今後どのように進めていけばよいかとの質問がありました。富山・石川・福井からはそれぞれ現状の説明がありましたが、現状では各県の間で会費や地域性など環境の違いは様々であり、一朝一夕には活動はなかなか進まないだろうと思われました。
話し合いの中で、全国盲青年研修大会が最初に開催された60年余り前の時代と今の時代では、「障害者差別」という問題一つをとっても、制度や環境など状況の変化は天と地の差があり、当然時代の変化によって問題も大きく変化してきています。
そんな中で、今の若い世代が現在直面している問題について少しでも発掘していく必要性があるという意見も出されました。
仕事も何とかあり、生活がそれほど困難ではない今、組織ではなく個人個人がおかれている状況の中で、少しでも若い世代の意見を聞き解決できる策を必要に応じて青年部が要望することによって、福祉の充実に繋がればと考えました。
また、青年部のある県では後継者対策が大きな問題であるとの意見が出されました。各県とも主要メンバーが40歳台に入っており、少しでも組織の若返りをと考えて活動はしているものの、なかなか難しく、緊急の課題であることで一致しました。
そんな中で福井では盲学校の理療科教諭が主要メンバーである利点を生かし、若い人に声をかけているとのことです。富山の青年部でも大変参考にしていきたいと考えています。
11月26日の午後3時20分から女性部研修会が行われました。弥村(みむら)女性部長の挨拶に続いて「香りを愉しむ」のテーマで加賀の薫香(くんこう)・池田英津子氏を迎えて香道のことを詳しく教えていただきました。
その後、全員で、3種類の香木(こうぼく)を聞き分けて、その中から同じ匂いと思う番号を書きました。
答あわせをすると、会場中にざわめきが起き、そして最後に正解率は32パーセントと言われ正解者が、喜び沸き上がった。
また、香木はどんな物なのかと思っていたら高価なものなので、係りの人が順番に手に持って見せていただき、鼻に近づけるとかすかな香りが漂ってきました。私は、初めて香木をたいてお香を聞くと言う優雅な体験をしました。
午後4時30分から協議会が行われました。弥村部長の挨拶の後、最初に出席者の自己紹介を行い、続いて各県からの提出議題を協議しました。
今回は「テレビ画面の字幕スーパーの音声化をして欲しい」、また「自立支援で居宅介護を受けていて、65歳になっても介護保険ではなくそのまま自立支援で受けられるようにして欲しい」と2題を提出することに決定しました。
次に、来年度9月に行われます全国盲女性大会のレポート発表テーマを「生活のうらわざ」として、北信越ブロックからの提出議題と決めました。
最後に来年度当番県の富山県で行われる北信越ブロック大会に多くの皆さんの参加をお願いしました。午後6時に協議会は終了しました。
来年は、富山県で行われますので、男女問わずに多くの会員の皆様の参加をお待ちしております。
平成28年10月2日(日)第40回視覚障害者文化祭・福祉機器展の開催について。
この日は秋晴れでした。私は磯部の視覚障害者福祉センターの文化祭に出かけようと外に出ると途端に「ドーン、ドーン」と大きな音があたりをとどろかせていました。地域の運動会の始まりの合図だなーと、ちょっとうらやましい思いがしました。
私は急いで文化祭の行われるセンターへと足を速めました。センターに着くと、点訳や音訳のボランティアさんの明るい声が飛び交っていました。私たちの仲間ももうたくさん来ておられました。私はそのボランティアさんの優しい声や周りの音を聞いているうちに何だか飛び跳ねたくなるような明るい気分になりました。
私たちは常日頃仕事の合間をぬって生きがい教室の一環として、いろいろな活動をしています。当日はそれを皆さんの前で発表させていただくことになっていました。「今日のよき日、心と心のふれあいで素敵な思い出が胸に残りますように」。また、「失敗しても笑いで心が和みますように」と願いました。
ボランティア45名、会員85名が参加し、10時すぎから開会式が始まり、会長のあいさつの後、アカペラグループCHEERS!(チアーズ)の女性4人グループのコーラスが、私たちの心を和ませてくれました。たいへん素敵なハーモニーが今も心に残っています。チアーズの皆さん本当にありがとうございました。またいつかお会いできたらいいなーと思いました。
午後からはコーラス、詩吟、民謡もあり、たいへんにぎやかな一時(ひととき)でした。カラオケはいつもよりちょっと出場者が少なかったのですが皆さんがカバーしてくださってとてもいい思い出になりました。
女性部のお茶席も解説がとても上手で、お茶をたてていらっしゃる皆さんも頑張ってくださいました。和やかなあたたかい雰囲気でした。また、手芸や作品を出していただいた皆さんありがとうございます。ほかにも囲碁や漢点字の皆さんもいっぱい頑張っておられました。
日常生活用具では、にじいろリーダーやリンクポケットに人気が集まり、ボランティアの皆さんが苦労された様子でした。皆さんの生きる意欲をいっぱい感じました。
また、コーヒーや飲食物も大変なにぎわいで、忙しく頑張ってくださったボランティアの皆様に心よりお礼申し上げます。職員の皆様もどんなに大変でしたか、私たちが楽しんだ分、苦労がいっぱいだったと思い感謝申しあげます。おかげで私たちは、豊かな明るい思いをいっぱい胸に、家へ帰ることのできた1日だったと思います。
ボランティアの皆様、職員の皆様、出かけてきてくださったお一人お一人に心からお礼申し上げます。来年もこのような楽しい文化祭が行われますように願っています。
第33回グランドソフトボール大会、第42回卓球大会は10月23日(日)午前9時30分から南部中学校と視覚障害者福祉センターで行われました。
午前のグランドソフトボールは、天気が微妙で雨が降るかと思われましたが、なんとか持ちこたえて試合をすることができました。
参加者は、二チームができる人数がぎりぎり集まりました。自分も含めて初参加の方が何人かいたようです。
試合はBチームが4対0で勝ちました。二回まではどちらも点数が入らず、投手戦のまま終わるかと思ったのですが、三回にBチームが4点を入れ、そのまま終わりました。
結果の詳細は以下の通りです。
優勝 社会人Bチーム
最優秀選手 池田一義(いけだ かずよし)
優秀選手 柳沼芳一(やぎぬま よしいち)、高橋亨(たかはし とおる)
午後からはサウンドテーブルテニスA(アイマスクあり)男子の部に参加しました。自分は20年のブランク、そして練習なしで、皆さんの胸を借りる思いで参加しました。結果は1勝2敗と予定通りのものでした。
最初はゆっくりとしたペースで始め、少しずつラリーのスピードにも慣れてきたので、早く打ち返せるようになってきました。久々にサウンドテーブルテニスの感覚を思い出して楽しかったです。
結果の詳細は以下の通りです。
サウンドテーブルテニスA(アイマスクあり)女子の部
優勝 徳市和美(とくいち かずみ) 準優勝 柳田信子 3位 村田恵子
サウンドテーブルテニスA(アイマスクあり)男子の部
優勝 塘添誠次(とうぞえ せいじ) 準優勝 林大志(はやし ひろし) 3位 中西美雄
サウンドテーブルテニスB(アイマスクなし)男女混合の部
優勝 太田蓉子 準優勝 赤石美枝子 3位 田代百合子
審判、スタッフ、皆さんの協力により今年の球技大会も楽しく試合をすることができました。本当にありがとうございました。これからも多くのみなさんの参加を希望します。
◎ 平成28年度第2回三療部会が11月13日(日)に行われました。午前10時から富山県視覚障害者福祉センター2階の盲人ホーム施術室、和室にて参加9名で開催されました。
ボランティアさん2名に施術奉仕を行うとともに、それぞれの施療技術の交換も行い、今回、経絡治療の勉強をしている人もあり、体験させていただきました。
午後は1時30分から、研修室にて県協会施設部と三療部会合同の三療研修会に参加しました。
今回は「アロマな生活」と題して、現在KNBラジオに出演されている西尾薬局の薬剤師でいらっしゃる西尾茂美(にしお しげみ)氏の講演でアロマオイルやアロマセラピーの楽しいお話でした。
◎ 第3回三療部会が平成29年3月12日(日)午前10時から午後3時まで、富山県視覚障害者福祉センター2階盲人ホーム施術室・和室において行なわれました。
午前は参加8名によりガイドヘルパーさん1名に治療奉仕を行い、他はそれぞれにペアとなってマッサージや鍼を使っての治療交換を行いました。
午後は9名の参加で日ごろ聞いてみたいと思っていたことを出してもらいながら、今回は脊柱管狭窄症の患者さんにはどのようなマッサージをすればいいか? 治るか? などいろいろ意見をだし合い、その中で脊柱管狭窄症はあっさり「治らない」、「手術すれば…」「仙腸関節周囲のマッサージや運動をすれば…」などの意見やまた腰や膝の痛みや腫れに仙腸関節のところから腸骨稜下にかけての、ソケイ部から大腿内側へのリンパ管の話もあり、実際に腰やひざを痛めている会員をモデルとして、リンパ管の位置を触らせていただいたり、その流れを促す方法や仙腸関節への側臥位での脚や手の位置を決めての矯正操作方法などを教わりました。
皆さんいろいろと患者さんの症状の治癒に向けての施術を勉強していらっしゃいます。自分でやっていてお知らせしたい施術や何か勉強したい事や聞いてみたい、習ってみたい先生がいらっしゃいましたら、三療部会でお願いできる範囲でお聞かせいただければと思います。
11月13日(日)、とやまライトセンター研修室において、富山県視覚障害者協会と三療部会合同で、三療研修会を13時30分より行った。
講師に、薬剤師でありフィト(phyto)セラピストの西尾茂美氏を迎え、「アロマな生活」と題し講演いただいた。
アロマテラピーを勉強されるに至った経緯に始まり、人も動物であり、また人と植物の関係、波動のこと、人体のシステムなどのお話。
そしてアロマオイルのそれぞれの特徴。体、心の症状にあったオイル。ハーブ、ハーブティーなど。いろいろとざっくばらんに話されました。
終わりには実際に持参されたオイルの匂いを一人ひとり全員に嗅がせていただきました。香りの強弱でも変わるし、合わない人もいるなど、体が求めるものを選ぶ必要があると説明されました。これは良いとか、これは嫌だとか、会場はにぎやかでした。
最後にいろいろな質問にも答えていただき、楽しい雰囲気のうちに15時30分に終了しました。
現在、KNBラジオで毎月第2・第4水曜日の午前10時30分から「アロマな生活」のコーナーを担当されています。新たなことも、話されています。興味を持たれた方は聴いてみて下さい。
1.第2回(臨時)評議員会及び第2回(臨時)理事会
平成28年度第2回評議員会が11月23日(勤労感謝の日)午前10時からライトセンター研修室において、評議員24名の出席で開かれました。
議事に先立ち塘添会長から、今回の評議員会開催の理由が説明されました。
社会福祉法人改革によって平成29年4月1日から評議員会、理事会のあり方が大きく変わり、来る3月31日までに、大幅な定款の変更と来年度の新評議員を選任する必要があると話され、評議員の理解を求めました。
議事では、新定款の全条文について事務局が読み上げ、質疑応答しながら進められました。
この改定の中では、理事・評議員定数の変更・評議員任期の変更・それぞれの役割等改定部分も多く、幾分難しい内容ではありましたがその後の全員の挙手で承認されました。
続いて、監事1名が欠員になっていたところ、後任の監事1名の就任を承認して評議員会を終了しました。
午後1時30分から役員13名が出席して、臨時の第2回理事会が開かれました。午前中の評議員会の審議をふまえ、同じく定款変更についての問題点などを審議・承認されました。
その後、29年度の評議員会に向けての手順や問題点を検討して会議を終了しました。
2.平成28年度第3回評議員会及び第3回理事会
平成28年度第3回評議員会が3月26日(日) 午前10時からライトセンター研修室において、評議員23名の出席で開かれました。
会長は初めのあいさつで、会長就任から丸2年が経過した感想と、会運営に協力していただいた皆さんへのお礼を述べた後、社会福祉法人の制度改革について、これまでの経過報告として28年度は、
① 新しい定款の作成については、昨年11月23日に臨時評議員会を開いたことにより、無事に新定款の登記が終了した事
② 新評議員の選任については、3月23日の評議員選任委員会において新定款に基づく評議員18名が選任された事
の二点が報告されました。その後の議案では、平成29年度事業計画(案)及び29年度収支予算(案)が審議され熱心な討議の結果、原案通り承認されました。
続いて、冒頭の会長挨拶で触れられた、29年度からの新評議員18名が紹介されました。最後に事務局から「病院におけるマッサージ師の診療報酬改定」に伴う請願についての署名協力要請の内容が読み上げられ、旧定款での最後の評議員会を終了、その後に参加者は署名に協力しました。
午後1時から理事、外部理事、監事、14名が出席して、平成28年度第3回理事会が開かれ、ここでも同じく平成29年度事業計画(案)及び29年度収支予算(案)について、評議員会での意見をふまえて審議検討され提出議題が全て承認され、理事会を終了しました。
平成28年度更生相談会が12月4日(日)、富山県視覚障害者福祉センターの研修室において午前10時より開催されました。
午前は「社会福祉法人の制度改革について」と、今年度の「県への要望書に対する県からの回答について」。午後からは「来年度の行事計画について」と、「来年度の日盲連全国大会の概要について」の意見交換会が行われました。
最初に塘添会長より社会福祉法人制度改革に伴う定款の変更について、多くの資料の中から私たちに関わりの深い所をピックアップし、分かりやすく説明されました。
まず変更点についてですが、これからは新たに評議員選任・解任委員会の設置が義務付けられました。これまでは各支部、各部会から推薦された評議員候補者を理事会で承認していましたが、これからは評議員候補者の推薦及び解任の提案は理事会で行い、これを評議員選任・解任委員会において選任及び解任が行われます。評議員選任・解任委員会の構成は監事2名、事務局員1名、外部委員2名の計5名です。
次に評議員の変更点についてですが、これまで評議員の定数は理事の定数(15名)掛ける2倍を越える数でしたので、15×2+1=31で、31名でしたが、今後は理事の定数を上回る数になるので幅をもたせて13~20名となります。また評議員の任期はこれまでは2年でしたが、今後は4年となります。
理事の変更点については、これまで定数は会員理事11名、センター所長1名、外部理事3名の計15名でしたが、今後は外部理事が2名、会員の理事が1名少なくなるので、これも幅をもたせて9~12名となります。任期はこれまでどおり2年です。
監事については、これまで3名でしたが、今後は2名となります。任期は理事と同じく2年です。
そして、評議員会・理事会の役割についてですが、評議員会はこれまでは諮問機関でしたが、今後は決議機関となり、これまで決議機関であった理事会は業務執行機関となります。以上ですが、詳細については新たに作成されます定款をご覧ください。
この後、今年度の県への要望に対する県からの回答について、一問一答方式で行われ、活発に意見が交わされました。
午後からは平成29年度事業計画案が読みあげられ、続いて来年度行われる「第70回全国盲人福祉大会徳島大会」の参加計画についての概要が発表されました。そして、最後に懇親会が行われこの日の日程を終了しました。
今回も多くの皆様に参加いただきありがとうございました。次回の更生相談会にも多くの皆様の参加を宜しくお願いします。
昨年8月31日から9月2日の2泊3日の行程で槍ヶ岳に挑戦し、9月1日に念願の槍ヶ岳(3179メートル)に登頂できた。
私は平成20年に加藤さんと山村さん(神奈川県在住)のサポートで剣岳(2999メートル)に登頂できた。その後、密かに次は槍ヶ岳に登りたいなと思っていた。しかし、加藤さんは視覚障害者を剣岳に連れて行ってあげられたことを良い思い出として、視覚障害者のサポートをやめられた。険しい山へのサポーターがいなくなった。
そうした折に、山のベテランである瀬戸さんと下伏(げぶせ)さんと知り合い、色々な山に登るようになった。一緒に登山を楽しんでいるうちに、山岳ガイドの人がいれば槍ヶ岳に登れると言われ、1年前の平成27年に登山計画を立て、それに向けての訓練登山など万全の態勢をとっていた。しかしながら、予定の10日ぐらい前から雨が降り続き中止となってしまった。
今年こそはと再度計画を立て、準備も万全にしていたところ、今度は台風10号が出発予定の8月31日にアルプス越えをして富山県を直撃するというではないか。またしても中止になるのではないかと思ったら、天は私の願いを聞き入れてくれたのか、前日の30日になって台風の進路が東に逸れ、登山が可能となったのである。(台風10号はその後岩手県に甚大な被害をもたらしたので喜ぶのは失礼になるのだが…)
一日目(8月31日) 2時半起床。
私は毎朝5時に起き、外に出て自分で考えた登山用のトレーニングを365日かかさず行っている。この日はさすがにいつものトレーニングはできない。柔軟体操を基本に軽いトレーニングにした。もしこの時間、この姿を見たら、多くの人は違和感というより異常を感じるようなことをしていると思うだろう。でも、私は最低限の柔軟体操をしたという自分なりの安心感を得て登山に向かうのである。
4時の迎えで集合場所の大沢野に向かう。ハッチーの車の中で朝の食事を摂る。ハッチーというのは、私たちの移動を援助してくれて、社会参加を促進してくれる福祉有償運送のサービスである。
このハッチーは、予定の入っていない時間なら真夜中でも対応していただけるのだ。私はこのサービスを使わせていただくことにより、集合時間の早い登山に挑戦できるのである。大変感謝すると共に、このようなことを承諾してくださる運転手の清水さんが健康を害さないことを常にねがっている。
5時に集合し、瀬戸さん・下伏夫婦・桜井さん・山岳ガイドの佐伯さんと私の6人(男3人、女3人)のパーティーは2台の車に分乗し、アカンダナの駐車場に向かう。
最初の計画は新穂高温泉の駐車場に車を置いて、そこから登る予定であった。しかしながらそのコースは沢を何か所も越えて行かなければならず、前日までの雨で増水しており危険と判断され、上高地から登ることに変更になった。
アカンダナ7時20分発のバスで上高地へ。上高地のバスターミナル(1500メートル)に7時55分に到着。登山準備をし、8時20分に前(まえ)サポートが瀬戸さん、後(うしろ)サポートが下伏さんで出発。天気は晴。道幅も広く緩やかな上りである。1時間おきぐらいに山小屋があるようだ。快調に歩を進める。昼食休憩もゆっくり取り、今日の宿泊予定の槍沢ロッジに13時30分に到着。ここにはお風呂があり、佐伯さんお勧めのロッジである。
しかし、お風呂に入れるのはありがたいが、この槍沢ロッジは標高1820メートルなので、明日のことを考えると私としては、時間も早いのでもう少し先の標高の高い山小屋にしてくれればいいのになあと内心では思うのである。
到着後早速入浴。汗を流せるのは幸せな気分である。いつもは女性のサポートで山に登っているので、登山を終えての入浴に困る。ところが今日は男性2人がいるので気持ちよくくつろいで入浴を楽しめた。感謝! 入浴後皆でおいしい生ビールで乾杯。
部屋は、布団6枚で8人が寝るとのことだったが、台風が来るというのでキャンセルした人がかなりいたようで、一人1枚の布団になった。ラッキーである。夕食もおいしくいただき7時半過ぎに就寝。
二日目(9月1日) 3時半過ぎに起床、5時に朝食。
今日は危険な場所をいくつも通ることになるとのことで、私は最初からハーネス(安全帯ベルト)を着用し、それにロープを付け佐伯さんがいざという時のサポートに回る。
6時にコース取り役の下伏さんの御主人を先頭に出発。天気は快晴。風もなくさわやかな空気。今日も前サポートが瀬戸さん、後サポートが下伏さん。休憩ごとに前後のサポートが交代する。
前サポートは、「20センチ」「高く足を上げて」「2時、11時、12時(方向)」「根っ子をまたいで」「溝をまたいで」「左が切れている」「頭を下げて」「またぐように上って」「右、岩が出ている」「これから急登(きゅうと)が続く」「少しなだらかになった」「岩と岩の狭い所を通るので膝を打たないように」などと指示がとぶ。
後サポートも私の動きを見て同様の指示を出す。私は二人の指示を同時に聞きながら、前サポートのザックから垂れ下げられたサポートロープを左手で握り、人差し指をザックに触れ、右手にストックを持ち、段差や方向を確かめながら登るのである。
登り始めて分かったのだが、槍沢ロッジと槍小屋(3080メートル)の間は、岩場の連続で山小屋など建てられるはずがないことが分かった。昨日はいちばん良い所に泊まったのである。佐伯さんに余計なことを言わなくてよかったと思った。
槍沢の分岐(2094メートル)を6時40分に通過。登るにつれ、急な岩場が続くだけでなく、梯子のある箇所が何か所もあり、ストックを使用できない箇所もある。ようやく水俣(みなまた)乗越(のっこし)(2470メートル)に8時40分に到着。そして東鎌(ひがしかま)の尾根を進む。11時少し前に食事の摂れる所をみつけ、約30分の昼食休憩を取る。バテないだろうかと心配していたが、体調は良好で槍小屋に13時50分に到着。疲労感はない。
小休止後、ストックは使えないとのことでそこにザックとストックを置いて、いよいよ山頂へ。最後の難関だ。
シーズン中ではここが行列となり、2~3時間も待たなければ登れない時があるようだが、幸いというか、台風が来るというので登山をやめた人がかなりいたようだ。我々のペースで登れるのは幸運だ。
前サポートのザックに触れたり、手を離し四つん這いになり前を行く人の足音と声かけによる指示で険しい岩場を登る。常に佐伯さんが先にいて私の安全を確保してくれている。
そして、いよいよ最後の槍の矛先のようになっている岩にほぼ垂直にかけられた梯子を上ると頂上だ。約10メートルの長い梯子をしっかりとつかみ1段1段慎重に上り、槍ヶ岳の山頂に到着。山頂到着14時45分。
「やったー!」と、パーティー6人で登頂できたことを喜び合おうとした途端、すでにその山頂にいた10数名から「よくやった!!」と大きな拍手。途中で私たちのパーティーを追い抜いていった人たちらしい。声をかけあいながら登っているので視覚障害者が登っているのに気付いていたようだ。この称賛の言葉と拍手には私は涙ぐんでしまった。
山頂は狭いので慎重に移動する。記念写真を撮り、順次下山である。15時5分に下山開始。今度は梯子を下りなければならない。下伏さんのザックにそっとつかまり岩場を最大限の注意を払い、恐る恐る進む。梯子の手前で止まり、先に下伏さんが下りる。その後瀬戸さんの声かけで四つん這いになり梯子の先端を探る。「もう少し右」「もう少し前」。やっと梯子の片方の先端をつかむ。次にもう一方の梯子の先端をつかむ。今度は方向転換しながら両手を持ちかえ、後ろ向きになり1段目の踏み板を足で探す。その時下にいる下伏さんから指示がとぶ。両手両足が梯子を確保するとあとはしめたものだ。足で段を探りながら、そこからはスムーズに下りることができた。
次は岩場を下りなければならない。殆ど急な岩場なので登る時と同じように後ろ向きに四つん這いになり、足の踏み場を教えてもらいながら安全を第一に慎重に下りる。佐伯さんは私の落下を防ぐためにロープコントロール。槍小屋の近くになりやっと前向きに。ザックにつかまり歩を進める。少し時間はかかったが、槍小屋に15時45分に到着。すると、再び小屋にいた人たちから拍手を貰う。
宿泊手続きをし、部屋に入り服を着かえ、缶ビールで乾杯。この槍小屋は600人ぐらい泊まれるそうである。宿泊客は混んでいないようだが、それでも30分ごとの4班に分かれての夕食である。高山では酔いやすいのでビールは控えめにして食事をいただく。
明日の日の出は5時20分ごろなので御来光を見てから朝食を摂ろうという話になった。そうすると出発が遅くなる。しかし、明日は中岳(なかだけ)(3080メートル)と南岳(みなみだけ)(3033メートル)を縦走して新穂高温泉(1048メートル)まで約2000メートル下らなければならない。そして新穂高温泉からバスに乗りアカンダナに戻るのである。
視覚障害者は険しい下りでは上りと同じかそれ以上に時間がかかることがあるので、私はそのことを佐伯さんに伝えると、瀬戸さんも賛成してくださり、一番早い5時の朝食となった。7時半ごろ就寝。
三日目(9月2日)
今日も3時半に起床し、5時に朝食をいただく。槍小屋出発6時。天気は快晴。冷気が気持ち良い。風もない。少し下り、上り返して中岳に7時15分に到着。小休止後再び下り、上り返して南岳に7時50分に到着。
ここから槍ヶ岳の矛先のような突き出た所がよく見える。その突き出た所を生かして下伏夫婦はハート型になり、桜井さんは掌にその突き出た所が載っているように佐伯さんに写真に撮ってもらっていた。富士山も遠くに小さく見えるとのこと。三日間ともこんなに天気に恵まれるのは珍しいと佐伯さんは言う。
8時20分に下山開始。さてこれから一気に約2千メートルの下りである。砂利状の下りである。こういう箇所は上りよりかなり早く下りられる。滑らないように気をつけ順調に歩を進め南岳山荘(3000メートル)に到着。
トイレ休憩後下り始めるが、ここからは急で険しい岩場と梯子と木道(もくどう)の連続であった。
岩場の下りは上りと異なり、狭くてストックが着けない所、段差が深くて尻もちをついて下りる所、隙間のある箇所などがあり、足を下ろす場所を間違えると落下の危険がある。瀬戸さんと下伏さんからは次々と指示が出る。その指示を聞き間違えないように下りなければならない。佐伯さんは私の後方にいてロープコントロール。
そして梯子の所が数箇所あり、細心の注意がいる。そこでは一人ずつ下りなければならない。上り以上に時間がかかる。上る時は手を伸ばせば梯子をつかむことができるが、下りる時は指示に従い、しゃがみ込んで少しずつずりながら手を伸ばして梯子の位置を探す。ちなみに梯子がかけられている所は隙間になっていて下を見るとぞっとするような所が多い。それだけ見える人にとっては恐怖感を抱く所なのであるが、私は見えないのでそういう恐怖感は感じないのである。
また、這松帯では這松をいためないように木道がかけられており、幅が30センチほどしかない狭い箇所があり、踏み外して落ちると這松をいためるだけでなく、そのまま転落するような所も通らなければならない。ストックが着けないので前サポートのザックを両手で軽く触り、小刻みに少しずつ進むのである。
11時頃から槍平小屋(1990メートル)が見え始めるがまだかなり下にあるとのこと。12時頃槍平小屋が近づいてはいるが瀬戸さんの予想ではまだ2時間ぐらいかかりそうだと言う。昼食の時間だが食事ができるような場所もない。13時30分ごろ沢に出る。ここは雨が降ると川のようになる所であるが今日は乾いている。ゴロゴロした石の上を歩き槍平小屋に到着した時には瀬戸さんの予想通り14時になっていた。急いで昼食を摂りながら今後のことについて話し合う。
新穂高温泉の最終バスに間に合わないことが予想されたので、佐伯さんが先に下りてバスに乗りアカンダナに車を取りに行ってもらうことになった。
昼食後14時45分に再び下山開始。南岳からの下りほど急ではないが、また岩場の連続である。そして幾つも沢を越えるというので、幾つあるのだろうかと数えながら進む。沢が近づくと傾斜が急な狭い岩場の下りとなる。 沢は、川になっていて浮き石を踏んで渡る沢、水の流れが少なくピチャピチャと入って行ける沢、水の流れていない沢、橋がかかっている沢がある。
沢を渡ると再び上って下る。これらの沢を越えて最後は白出沢(しらだしさわ)出合(であい)(1530メートル)で林道に出る。林道に出れば歩きやすくなるのだが、下りても下りてもなかなか林道に着かない。そのうち息が上がっている訳でもないし、脚もガクガクする訳でもないのに何故かひどく疲れた感じがする。やむなく休憩をお願いして休む。日没も近付き気持ちはあせるのだが何とも言えずつらい。だが、指示の声を出し続けている瀬戸さんや下伏さんに申し訳ないと気持ちを奮い立たせ歩を進める。
このつらさは、翌日大きく息ができるようになって気付いたのだが、緊張の連続で、何時間もの間浅い呼吸を続けていたので、息をするのに疲れていたのである。深い呼吸をしていなかったのである。呼吸の大切さに気付いた。余談になるが、これは他のどのスポーツにも言えるのではないだろうか。
そうして、ようやく白出沢出合に到着し、林道に出た。18時になっていた。ちなみに沢は14か所あったように思う。
ここからは道幅も広く歩きやすいので、瀬戸さんの横に並び快調に下る。妻が心配しているだろうと携帯電話をかけるのだが通じない。槍平小屋からは電話が通じていたので、状況を連絡しておけばよかったと反省。
日没となったので他の人はヘッドライトを付けたが、瀬戸さんはこのような林道では目が暗さに徐々に慣れていき、誘導はできるとのことでヘッドライトは付けなかった。
林道に出てからは疲れたようなつらい感じはなくなり、テンポよく歩いていると他の3人を引き離してしまった。ところが途中から足の裏に違和感を感じ始めた。足に豆ができてきているようだ。痛みが出てきたが無視して下る。途中で下伏さんがヘッドライトを付けて走って追いついてきた。そして3人で下る。19時を過ぎて携帯電話が通じるようになると、妻から電話がかかった。私や瀬戸さんに何度も電話をしても通じないので、何かあったのではないかと心配していたのだ。安心してもらい、佐伯さんと連絡を取るが合流できない。分岐の所で道を間違えたようだ。逆戻りだ。再び上らなければならない。
「道に迷ったのはヘッドライトのせいだ」と瀬戸さんは言う。というのは、星や月が出ている夜は暗さに目が慣れるとその明かりで周り全体が見えるが、ライトを点けるとライトの明るさで一点しか見えなくなり、全体を把握出来なくなるからだそうだ。
逆戻りしていると、遅れていた下伏さんの御主人と桜井さんを迎えに来た形となり、ようやく探しに来てくれた佐伯さんと合流することができ駐車場へ。19時30分になっていた。何と13時間半も歩いたことになった。立っていられないほど足の裏はマメだらけになっていた。
そして、皆で無事に登頂できたことを喜びあい、何とも言えない達成感を胸に抱きながら帰路についた。
平成28年10月16日(日)、氷見市ふれあいスポーツセンターメインアリーナにおいて表記イベントが、1000人とまではいかないものの600人(北日本新聞社発表)のダンス愛好者らが集まって盛大に開催された。
県内外で活躍されている友井昌美スペシャルビッグバンドによる生演奏に併せて300組に迫るペアのステップにはスケールの壮大さを感じた。
氷見市での開催とあって、一昨年に発表された「海にかかる虹」も披露され、当協会理事上坂敏彦会員の巧みなサックス演奏に合わせて声楽家の野上聡子さんが歌い上げ華を添えた。
また、本イベントに氷見支部をはじめ高岡・南砺から8名の会員が参加し、上坂敏彦会員が奏でる感動的なサックスの調べに涙を流す会員もみられ、心に残るすばらしいイベントであった。
平成28年度視覚障害者球技大会・グランドソフトボールは10月23日、南部中学校グラウンドで行われました。グランドソフトボール部員中心に20人集まり、じゃんけんして勝ったほうがAチーム、負けたほうがBチームとしました。
試合は午前10時にAチーム先攻、Bチーム後攻で開始。一回、二回はAチーム飛田(とびた)、Bチーム柳沼(やぎぬま)両投手投げ合いで無得点。三回のBチームはフォアボールとヒットが続き一挙に4点を取りました。
四回にもフォアボールとヒットで攻撃中、雨が降り出して試合終了となり、4対0でBチームの勝ちとなりました。
最優秀選手賞は池田に、優秀選手賞は柳沼、高橋亨、両選手に贈られました。久しぶりに体を動かし、皆さん和気あいあいで楽しみました。
平成28年11月13日(日)に、東大阪市において開催された日本視覚障害囲碁普及会主催の全国大会に、平成26年4月に発足したとやまライト囲碁教室から、安田庄内三段・笹木希一3級・松本保男4級の3名が昨年に引き続き出場しました。
11月12日(土)の夕方6時ごろの新幹線つるぎで金沢へ行き、サンダーバードに乗り換えて、一路大阪に向かいました。午後9時半に大阪駅に着き、環状線に乗り換えて、鶴橋(つるはし)駅で近鉄奈良線に乗り換え、河内小阪(かわち こさか)駅で下車し、徒歩にて宿舎の大阪商業大学学生会館に10時半に到着しました。
13日(日)は、快晴に恵まれ、午前8時半に秋田県から初めて参加された荒川さんと一緒に、会館を出て徒歩20分くらいで会場の大阪商業大学構内のラビックホールに着きました。
受付後、10時から開会式が行われたのち、北海道から愛媛まで123名が棋力別(名人五段以上・三~四段・二段~2級・3~6級・7~9級・10~15級・16~24級・25~30級)の8段階に分かれ、午前2局、昼食をはさみ午後2局、計4局の対戦で、優勝・準優勝・3位・敢闘賞の4名が入賞(賞状・記念品)。クラスごとに表彰されました。
富山県から出場した3名は、午前を終わって全員が2勝0敗で終え、昼食となりました。休憩時間に笹木と松本さんは、「決勝で会いたいね」と冗談を言っていたら、ともに3勝で決勝での対戦となり、笹木が運よく勝たせていただきました。安田さんは3局目は惜敗し、4局目で勝利されました。
結果、安田庄内さんは(三~四段クラス)で3勝1敗で敢闘賞、シングルAクラスの笹木は4勝で優勝、同じくシングルAクラスで3勝1敗の松本保男さんは準優勝で、共に入賞しました。
閉会式で、各クラスの表彰の後、主催者である日本視覚障害囲碁普及会の人から、来年は第20回の記念大会となるので、今日参加された皆さんが一人でも多くの人に声をかけていただき、出場者が増えることを期待している旨の挨拶があり、閉会しました。
来年は、もう少し多くの人に参加してもらい、大阪に行ってみたいと思います。また、囲碁に興味をもたれた人は、とやまライト囲碁教室に入会していただき、「脳」のトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。入会をお待ちしています。
今回の出場者は、中学生から80歳代(11名)を含んでいます。
*とやまライト囲碁教室は、月3回程度の練習を設けております。将来的には北信越の5県で囲碁大会が開催できればと思っています。
平成28年12月25日(日)、富山市に在住の3姉妹そろって宝ジェンヌ麻尋(まひろ)えりか(星組)・夢羽(ゆめは)美友(みゆ)(月組)・夢花(ゆめはな)らん(華組)を送り出したまさに人もうらやむ家庭がある。このたび、その3姉妹すべてが宝塚歌劇団の卒業・退団を記念し、加えて長女えりかさんのご結婚をお祝いして富山第一ホテルで140名が参加して表記イベントが盛大に開催された。
KNBアナウンサー鍋田恭子さんの司会進行の下、ゲストとしてシンガーソングライターの伊藤敏博さんと共に上坂敏彦会員も出演しサックス演奏を披露した。
また、国内外の大会で優秀な成績を納め、幅広く活躍されている南砺市の兄妹ペアをはじめ、当協会ダンス教室講師の八木綾子先生が指導する「ふれあいるーむ かがやき」のジュニアサークルグループも華麗なステップを披露した。3姉妹に続いて次の宝ジェンヌが巣立つことであろう。
報告者である私自身も参加し、組の異なる3名の宝ジェンヌが同じ舞台に立つという最初で最後の記念イベントに深い感銘を覚えた。
春らんまん、桜開花の佳き時季、理事を辞任することと致しました。この協会の理事を引き受けるに当たり、視覚障害児を持つ友人は、涙ながらに美空ひばりの「愛燦燦」を歌い、テープに吹き込んでくれました。
そして視覚障害者の持っている「心眼」のすばらしさを話してくれました。また、仲間意識の固さ、結束の強さにも感動していました。
私が、かつて氷見市の宿泊研修に参加した時、障害者の皆さんが肩に手を置き、5~6人で階段を上り下りする姿の仲むつまじさ、美しさに感動し、その時に用意した障害者福祉の支援や施策を口にする原稿の無意味さに講演を取り止め、会場の皆さんと一緒に美空ひばりの「愛燦燦」を歌い、「少しばかりの運の悪さを怨んだりして」のフレーズを歌い、心をひとつにした事を記憶しています。
平成11年5月から平成29年6月まで特にこれと言った成果もあげず、永きにわたり理事の一員に加えて頂いたことに心から感謝申しあげると共に、お役に立てなかった事をお詫び致します。
終わりに、視覚障害者の理解と支援にこれまでにも増して心を傾けていきたいという考えを持ち、日々生きていこうと思っています。
センターの職員、会員の方々、関係者の皆様が一体となり、障害者福祉の向上に努力して下さる事を祈念致します。
本当にありがとうございました。
視覚障がい者のアウトドア活動を支援する「富山三つ星山の会」の活動に対し、多くの協会員の方々よりご理解とご協力を賜り、活発な活動を展開させていただき、深く感謝を申し上げます。27年度を振り返りますと66名が障がい団体初として参加した黒部峡谷パノラマ展望ツアー、20名が浄土山登頂を果たした大阪HCかざぐるまとの交流会、再チャレンジとなったジップラインアドベンチャー立山や富山市社協と共催により開始の新事業そば打ち体験交流ボランティア講座などマスコミ等にも取り上げられて、登山からバスハイク、スキースノーシュー、鉄道、懇親会、各種招待、音楽活動など県外、公募を含む、多種多様に自然を親しんで楽しい交流を図り、好評を博しました。
また「視障者ケアネットワーク会議とやま」の一員として視障協、学校、社協等の行事を支援させていただき、内輪に留まらぬ社会貢献活動にも積極的に取り組んでおり、ご依頼など歓迎しております。
当会の29年度事業予定、並びに投稿いただいた会員の心温まるエッセイを紹介します。来年度も県外団体との交流、長年に渡り培った技術経験を活用する登山や皆様の要望に応え一般公募を含むバスハイクなどソフトコース中心に魅力、特色あふれる内容となっています、ぜひ一緒に郷土の豊かな自然を楽しみましょう。皆様方の参加を心よりお待ちしております、何なりと遠慮なく問い合わせ下さい、今後とも宜しくお願い致します。
・平成29年度事業予定
4/2(日) 総会お花見(サンフォルテ・新湊観光船)
4/23(日) 開山祭(ファミリーパーク)
5/14(日) 佐渡島(鉄道・フェリー)
6/18(日) 籾糠山(もみぬかやま)(水芭蕉)
7/30(日) 東一の越・黒四ダム(立山黒部アルペンルート)
8/26(土) 暑気払い(富山電気ビル・ステージ発表)
9/23(祝) 烏帽子山(干支記念)
10/21(土) 第28回富山県民ボランティア・NPO大会(グランドプラザ)
10/ ?(日) 富山市社会福祉協議会主催そば打ち体験・ネイチャーゲーム(立山山麓)
11/12(日) 納山祭(古洞の森)
12/9(土) 忘年会(富山地鉄ホテル食べ飲み放題・ステージ発表)
1/ ?(日) 富山県障害者スポーツ協会主催スキー教室(立山山麓スキー場)
2/12(祝) スノーシューイング(瀬戸蔵山・雪の祭典)
3/4(日) 七尾(ななお)城山(じょうやま)(鉄道・牡蠣)
深夜の激しい雨「大丈夫かな」そんな心配を吹き飛ばしてくれた嬉しい天候となりました。トロッコから眺める、山々の木々の緑は、雨に洗い流されて一新し、長い毛足の緑の絨毯を一面に敷き詰めたような、素晴らしい風景を描き出しています。そのフワフワの絨毯に、寝転んでみたいような気になりました。本当に心が洗われていくようでした。
木々の緑、トンネルに入ると感じる冷たい澄んだ空気、何回か訪れていますが、その度に感じられる自然のありがたさです。そして今回はもう一段、空に近づきました。
工事用のエレベーターで200m、資材を運ぶ貨車がそのまま入られるのでエレベーターは広く、私たちの班が入っても、充分に余裕がありました。エレベーターまでの道には、そんな訳で線路が引かれていました、その溝に、足や白状が落ちないよう慎重に歩きました。
外へ出ると、目の前に山々が見えました。もっと眺望が良い日があるとの説明でした。ここで終わりではありません、これからが本番。私は、亀田さんのサポートで、段差の違う階段、木道、片側が切れている道、慎重に歩き、目的の場所に無事、辿り着くことができました。
小矢部からの参加者の中には、初めての方もおられたのですが、その中の1人、義浦さんのサポートを潟淵さんの娘さんが、これまでの経験を生かして、上手にサポートしておられたのが、とても印象的でした。
潟淵さんは登山経験の豊富な義浦さんの奥様のサポートと、普段サポートを受けている人とは違った方との組み合わせが、上手くいったようです。全員無事に、だいたいの予定時間で下山できて本当に良かったです。
一仕事を終えて、ほっとした気持ちになり、皆さんと一緒に食堂へ行き、私は、ラーメンを食べました。帰路のトロッコでは、疲れが出て、うとうと眠りながら景色を見ることも少なく宇奈月駅に着き、各自各様に帰路に着きました。
斉藤車で来た4人は、まだ16時ということで、モーツァルトの喫茶店でコーヒーを飲むことにしました。店内は、もちろんモーツァルト。何だかゆったりとした気持ちになりマスターお勧めの、この店で一番美味しいと言われる、ちょっと高級なコーヒーをいただき、体の疲れも心の疲れも、スーッと癒してくれた美味しいコーヒーでした。
快調に富山駅へ着き、斉藤さんに御礼を言い、あいの風にて石動へ。色々とお世話をいただいた皆様方、ありがとうございました。天候にも恵まれて、おかげさまで本当に楽しい時間を過ごすことができました。
《事務局から》
◆消息 訃報
竹端 輝男(たけはし てるお)氏(富山市) 10月 逝去
吉田 睦子(よしだ むつこ)氏(富山市) 11月 逝去
田辺 光弘(たなべ みつひろ)氏(富山市) 2月 逝去
ご冥福をお祈りいたします。
◆受賞
ボランティア活動推進富山県民会議 会長表彰
小池 真実子(こいけ まみこ)氏 H28.10.14
木戸 律子(きど りつこ)氏 H28.10.14
富山県社会福祉協議会会長表彰(ボランティア活動参加者の部)
中川 照子(なかがわ てるこ)氏 H28.10.27
富山県知事表彰(自立更生者の部)
湊 繁治(みなと しげはる)氏 H28.10.27
第66回障害者自立更生等厚生労働大臣表彰
安田 庄内(やすだ しょうない)氏 H28.12.6
受賞おめでとうございます。
◆時事暦(平成28年10月~29年3月)
10月2日(日) 第40回視覚障害者文化祭・福祉機器展 アトラクション アカペラグループ「CHEERS!」 会員85名 ボランティア45名
10月22日(土)~24日(月) 第16回全国障害者スポーツ大会(岩手県)
10月23日(日) 第42回富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕(南部中学校・ライトセンター) 38名
10月29日(土) 出会いと語らいの集い(石川県)
11月5日(土)・6日(日) 第25回北信越サウンドテーブルテニス大会(長野県) 7名
11月13日(日) 第16回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)
11月13日(日) 三療研修会(ライトセンター) 24名
11月26日(土)・27日(日) 「平成28年度日盲連北信越ブロック大会」開催(石川県) 代表者会議・青年部協議会・女性部協議会・研修会が開かれ、当協会から23名参加
12月3日(土)~9日(金) 障害者週間
12月4日(日) 更生相談会・結婚相談室・意見交換会(ライトセンター) 67名
12月末 会報「ゆきしろ」第74号発刊
―平成29年―
3月26日(日) 午前 評議員会 午後 理事会を開催
◆平成29年度の主な行事予定
4月16日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会~水泳競技 東富山温水プール
4月23日(日) 富山湾岸サイクリング
5月13日(土) 出会いと語らいの集い 南砺市
5月20日(土)・21日(日) 第44回北信越グランドソフトボール大会 長野県
5月21日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会~陸上競技 県総合運動公園
5月26日(金)~28日(日) 第70回全国盲人福祉大会 徳島県
6月4日(日) 理事会①、評議員会、理事会② センター
6月11日(日) 支部長会、定期会員総会 センター
6月 会報「ゆきしろ」第75号発刊
7月2日(日) ボランティアと利用者交流会
7月16日(日) センタークリーン作戦 センター
8月26日(土)・27日(日) 第63回全国盲青年研修大会 鹿児島県
8月27日(日) 第66回点字競技会・第18回パソコン競技会 センター
9月5日(火)~7日(木) 第63回全国盲女性研修大会 群馬県
9月16日(土)・17日(日) 宿泊研修(視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会) 高岡市
9月24日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会~フライングディスク競技 県総合運動公園
10月8日(日) 第43回富山県視覚障害者球技大会 南部中学校・センター グランドソフトボール、サウンドテーブルテニス
10月15日(日) 第41回視覚障害者文化祭・福祉機器展 センター
10月21日(土)・22日(日) 第26回北信越サウンドテーブルテニス大会 福井県
10月28日(土)~30日(月) 第17回全国障害者スポーツ大会 愛媛県
10月 未定 出会いと語らいの集い
11月12日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会~卓球競技 県総合体育センター
11月12日(日) 三療研修会 センター
11月25日(土)・26日(日) 北信越ブロック大会 富山県
12月3日(日)~9日(土) 障害者週間
12月3日(日) 更生相談会・結婚相談室 センター
12月3日(日) 意見交換会・理事会③ センター
12月 会報「ゆきしろ」第76号発刊
平成30年
3月25日(日) 合同会議 センター
3月28日(水) 理事会④ センター
◇通年事業
・点訳、音訳奉仕員養成研修事業 ・外出介護サービス指定事業者情報提供事業
・生活訓練事業 ・盲導犬育成事業 ・結婚相談事業 ・福祉機器相談事業
・三療研修会 ・IT推進員派遣事業
《編集後記》
今年も大勢の皆様のご協力によって文化祭をはじめ、球技大会や北信越ブロック大会、更生相談会など楽しく行事を終えることができました。皆さんのおかげでいっぱい幸せを感じることができました。
私ごとで恐縮ですが、夫が亡くなったのは昭和62年の夏でした。その頃は、冬になると雪が大変多く積もり、会社帰りの夫は夜に雪下ろしをしてくれたことが思い出され、夫が屋根から落ちないかとハラハラしたことがつい最近のように思われてなりません。何もできない自分がただもどかしくて申し訳ない気持ちもあって強く心に残っています。
最近は実に穏やかな正月を迎えることができて本当に幸せです。あちこちに融雪装置のできたこともあるでしょうが、道路事情ももちろんよくなりました。
2月の始めだったと思うのですが、「たんぽぽの種が飛んでるよ」と同行援護の方に教えていただきびっくりしました。ふきのとうも早くからでていたようで、近所の方や友達にふきのとうの味噌和えなど春の香りをいっぱい感じながら食事をすることもできました。おかげで生きている幸せをいっぱい感じることができました。
でも私のような年になると、私を心にかけてくださった近所の人や親戚の方とお別れするのがとてもつらく寂しい思いも特に今年は多かったようでちょっぴりこたえました。
与えられた命を大切にして元気に明るく生きていきたいと思っていますし、また、何か気がついたことや皆さんのためになるような原稿をゆきしろにお寄せくださいますように、心よりお願い申しあげます。
ゆきしろは大勢の皆さんのおかげで元気を与えてくれる素晴らしいものです。
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