会報「ゆきしろ」78号

(平成30年12月発行)


 この「ゆきしろ78号」は平成30年4月1日~平成30年9月30日までの分を掲載しています。




     第78号
(発行者)
 社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
 〒930-0077
  富山市磯部町3丁目8番8号
 電話 (076)425-6761
  Fax (076)425-9087
 Eメール:bcb05647@nifty.com
 Homepage:http://www.toyama-ssk.com
(発行責任者)
 会長  塘添 誠次


 上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。

【ゆきしろ(雪代)の意味】

 雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
 当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。



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【ゆきしろ78号 目次】


《巻頭言》
◆合理的配慮が要望解決に

会長 塘添 誠次


《大会参加報告》
◆第45回北信越グランドソフトボール大会・東海北信越地区グランドソフトボール代表決定戦

グランドソフトボール部 濱野 昌幸


◆社会福祉法人日本盲人会連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会〈東京大会〉

会長 塘添誠次 副会長 安田庄内 理事 濱野昌幸
★ 第1日目(6月11日 月曜日)
★ 第2日目(6月12日 火曜日)
★ 第3日目(6月13日 水曜日)


◆第64回全国盲女性研修大会・島根県大会
女性部部長 柳田 信子

◆第64回全国盲青年研修大会・奈良県大会
青年部 小林 徹蔵

《事業報告》
◆理事会・定時評議員会・定期会員総会

総務部部長 佐生 秀一


◆三療部会だより
三療部会長 堀 惠一

◆ボランティアと利用者交流会
施設部部長 笹木 希一

◆第67回点字競技会・第19回パソコン競技会
文化部部長 高島 ヒサ子

◆平成30年度宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会」
厚生部 山内

◆第44回富山県視覚障害者球技大会
厚生部部長 濱野 昌幸

《みんなの広場》
◆富山湾岸サイクリング2018

富山支部 柳井 勇二


◆社会福祉法人日本盲人会連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会 東京大会
小矢部支部 牧野 清美

◆平成30年度視覚障害者囲碁大会に参加して
富山支部 笹木 希一

◆季語閑話 甲子園その後
ひまわりの会代表 四宮 一子

◆県庁職員とのSTT交流会
STTクラブ員 中西 美雄

《事務局から》
◆消息

◆受賞
◆時事暦
◆平成30年度後期の主な行事予定
《編集後記》  文化部部長 高島 ヒサ子



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《巻頭言》

◆合理的配慮が要望解決に

会長 塘添(とうぞえ) 誠次(せいじ)

 平成28年4月1日から「障害者差別解消法」、県では、「障害のある人の人権を尊重し、県民皆が共に生き生きと輝く富山県づくり条例」が施行されました。

 国の障害者差別解消法では合理的配慮については民間は努力義務になっていますが、富山県の条例では「何人も障害を理由に差別をしてはならない」「何人も過重な負担でない限り合理的な配慮をしなければならない」となっており、県の条例の方が一歩進んだものになっています。視覚障害者は、この法律、条例をどのように生かして私たちが要望することを実現していけばよいのでしょうか。そのことについて考えてみたいと思います。

 視覚障害の障害には大きく分けて情報の障害と移動の障害の二つがあります。

 情報障害のうち、聞くということではテレビやラジオから多くの情報を得ていますが、テレビにおいては「災害情報などの緊急速報を読み上げてほしい」「ニュースなどの外国語の日本語吹き替え及び日本語訳が字幕化されているものについては、その音声化をしてほしい」「解説放送の番組を増やしてほしい」などの要望は、合理的配慮に相当するものであります。

 読むことについては、これまでも点字や録音物によって情報の提供を受けています。加えて、近年ではパソコンの普及に伴い、音声化ソフトを入れるとメールやインターネットを読み上げてくれるようになり、情報が得られるようになりました。しかしながらデータによっては読み上げができないものや不十分なものがあり、合理的な配慮として、この条例の施行にあたり、ガイドラインに「テキストファイル」で伝えると明記していただきましたので、テキストデータでの提供を要望できるようになりました。例えば、団体や組織から出される広報誌(推進センター便り・障害者スポーツ協会便り)や会議資料のテキストファイルでの提供が受けられるようになりました。

 書くことについては、字を書くことが困難になった視覚障害者に、色々な行政の窓口や銀行などで「名前だけでもいいから書いてください」とよく言われることがあります。小さな一定の枠内に名前が書けるようであれば何でも書けると思いませんか。そういう時に、代筆をしてくださるのは、精神的にも大変助かるものなのです。この代筆についても合理的な配慮として、していただけるようになってきています。

 もう一つの移動の障害については、点字ブロックや音響信号機の設置が徐々に進んでおり、更なるバリアフリーに向けてのお願いがこの法律の施行により期待されます。

 現在私たちは、歩道を歩いて車道を横断する際、歩道と車道の境目を2センチ程度の段差をつけるか、段差をなくす場合は、車道に出る手前に警告用の点字ブロックを敷設するよう求める活動をしています。それは、「2㎝程度の段差」は車椅子使用者・視覚障害者双方の通行に大きな支障がないものとして国から示されていますが、富山県は段差をなくし平らにしていく方針をとっています。視覚障害者は気付かないうちに車道を歩いている危険な状況が生じるため、2センチ程度の段差を設けるか、段差を設けないとしたら、これも国から示されているように、その手前に警告用の点字ブロックを敷設するよう私たちは求めています。命に関わることなのです。県はこのことについてしっかりと対応していただきたいものです。

 一方、駅のホームから転落し、列車にはねられて死亡することがしばしば起こっています。鉄道の各駅において、「ホーム柵や内方線ブロックを設置するとともに、ホームの端と通路との路面の感触が異なるようにしてほしい。また、周囲の人には声かけをお願いしたいし、ホームには駅員を配置してほしい」という要望をしています。

 また、「電車やバスの時刻表や料金表、案内板をロービジョンの人たちにも分かりやすい位置(低い位置・目線の高さ)に取り付けたり、文字を大きくしたり、色のコントラストを上げたり、また明るく表示するなど、配慮してほしい」という要望もしています。

 その他にも、ロービジョンの人にとっては「公共施設等の階段の段鼻が識別できるようにコントラスト等に配慮してほしい」「道路の白線が消えかかっている箇所は、速やかに引き直してほしい」という要望もしています。

 これらのバリアフリーに向けての要望がこの条例の合理的な配慮にあたるものと考えられますので、改善への大きな足掛かりとなります。

 近年、毎年のように豪雨災害や地震などの天災で避難を余儀なくされることが頻発しています。視覚障害者は手引きなしには避難ができません。是非支援していただきたいものです。そして、何とか避難でき避難所に到着した時は、広い体育館のようなところの真ん中に連れて行くのではなく、壁に接するところに誘導していただきたいものです。更に、貼り紙だけで伝言するのではなく、多くの視覚障害者はそれを読めませんので、言葉にも出して伝えていただきたいものです。これらのことについて私たちは、合理的な配慮として実行していただきたいということを声に出して言えるようになったのです。そして、最も困るのがトイレです。是非、支援していただきたいものです。

 この法律、条例は、私たち障害者がより生活しやすくなれる可能性を与えてくれるものです。大変感謝しています。

 しかしながら、この条例が施行されたにもかかわらず、公務員の採用試験に点字受験が認められるようになったのは射水市だけで、他の市町村は検討すらもしていません。採用試験の条件に「筆記試験に対応できること」となっており、多くの視覚障害者が受験できないことになります。これは、間接的な差別を受けていることになり、条例に違反していることになります。

 また、県内においては、盲導犬の使用者が飲食店の入店を拒否されたり、宿泊施設への入館を断られるという事が起こっています。補助犬法に違反していると共に差別を受けていることになります。

 色々な合理的配慮の必要性を言葉で伝えられれば、私たちのおかれている環境は大きく改善されます。そして、合理的配慮がなされればバリアフリーにつながるものであり、ユニバーサルデザインにもつながるものであると思います。この条例が広く県民に理解され、周知されることを期待すると共に、私たち個人個人もこの条例を生かし、改善に結びつけられるように努めましょう。

《大会参加報告》

◆第45回北信越グランドソフトボール大会・東海北信越地区グランドソフトボール代表決定戦

グランドソフトボール部 濱野(はまの) 昌幸(まさゆき)

 6月10日、北信越グランドソフトボール大会が福井県で行われました。参加したのは石川県、新潟県、長野県、富山県の4チームです。最近、2年連続優勝と調子のいい富山県チームは北信越では最強の選手層の厚さを誇っています。今年も勝ち抜いて東海との代表決定戦に進みたいところです。

 トーナメント1回戦、相手は石川県です。試合は一方的に富山県が打って守る展開になり、11対1で勝ちました。ベテランの変幻自在の投球に若手のパワフルな速球に相手打線は手も足も出ず、攻撃では相手投手を次々と面白いように打ち崩しました。

 決勝戦は長野県が相手です。この試合では一変しての投手戦です。富山県の若手エースは速球を武器に抑え込みにかかりますが、相手打線も手ごわく、度重なるピンチを招きます。毎回の苦しい投球の中でも何とか踏ん張り、失点を許さない展開が続きます。一方、打線は長野県のベテラン投手の精度の良い速球に沈黙が続いていました。試合展開はどうみても押されている中、グランドソフトボール部長として、いつも笑いながら雑用をこなしてくれる、ベテランが振り抜きました。打球は大きくてもランナーはいないし、ホームラン線も遠い。それでもベテラン部長は走っていました。3塁を蹴り、本塁を駆け抜けるまで走り続けました。みんな感動しました。歓喜の中で感動しました。

 「人は57歳でもランニングホームランが打てる」

 富山県はこの虎の子の1点を守りきり、1対0で長野県に勝ちました。富山県は無事、3連覇を達成することができました。

 若手とベテランの力がかみ合った結果だと思います。「これは富山県視覚障害者協会の理想像にもならないかなぁ」と少し思いました。次は東海との代表決定戦です。力の差は歴然ではありますが。精一杯、食い下がってみたいです。

 6月17日、富山市城川原公園において、グランドソフトボール東海北信越代表決定戦が行われました。18年ぶりの障害者スポーツ大会への出場も目指す、富山県チームは北信越大会3連覇で臨んでいるものの、毎年、東海代表チームにコテンパンにされています。

 今年の相手は三重県チームです。試合前の整列でまず気付くのは「体格が違う」「年齢が違う」「人数が違う」の3点です。

 三重県の選手は体格が一目瞭然でひとまわり大きく、平均年齢も10歳以上若く見えます。こちらは還暦を過ぎた選手も複数頑張っています。そして選手数も多く、補欠はもちろんマネージャーのお姉さんまでいます。

 試合では富山県チームはみんな頑張りました。一目瞭然で負けそうな相手と一生懸命戦いました。結果は0対16。完敗です。惨敗でも残念でもありません。攻撃でも守備でも圧倒されました。それでもあきらめず、投げ出さず、集中力は欠かさずに試合しました。

 16点差の大敗ではありましたが、昨年が32点差でしたから、半分でした。半分に抑えたのか、半分で勘弁してもらえたのかはわかりませんが、一歩前進だと思いたいです。

 ちなみに富山県チームをコテンパンにした三重県チームですが、障害者スポーツ大会では1回戦大阪市チームに9対5で敗れました。投手の制球難による自滅でした。

 最後に、グランドソフトボール自体の現状と未来ですが、北信越ではどこも選手不足で平均年齢が上がっています。富山県はその中では若手に恵まれている方です。東海では主に静岡・愛知・三重が厚い選手層を持っています。全日本グランドソフトボール連盟では今後この格差は広がりつつ、選手の減少につながるとみています。私は「人が多いから強い」とも限りませんし、「試合に勝つ」ことがすべてではないと考えています。ただ、人を増やすことは将来の富山県視覚障害者協会にとって、とても重要な課題であり、そのための環境づくりは自分の役目であると考えています。

◆社会福祉法人日本盲人会連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会〈東京大会〉

会長  塘添 誠次
副会長 安田 庄内
理事  濱野 昌幸

 平成30年6月11日(月)~13日(水)、浅草ビューホテルにて各種会議が、東京文化会館を会場に全国盲人福祉大会が開催されました。

 全国から視覚障害者及び関係者2千人が参加し、「日本盲人会連合は昭和23年8月18日、敗戦により焦土と化した国土の中から、いち早く立ち上がり、食糧難、交通難を克服し、大阪府下、二色(にしき)の浜に全国の同士が結集し発足した。以来、70年にわたり、わが国における障害者運動の先頭に立ち、身体障害者福祉法をはじめ数多くの関連法令の制定に全力で取り組んできた。ここに70周年を迎えるにあたり、先人の方々のたゆまざる尽力に対し深く敬意と感謝の意を表するとともに、『社会への完全参加と平等』『共生社会の実現』をいかに実現するかについて協議し、明るい未来を展望し、重ねて一層の団結強化を図る」ことを目的として開催されました。

 安田副会長と濱野理事と塘添が各種会議に出席するため先発しました。以下にその内容を記載します。

★ 第1日目(6月11日 月曜日)

1 評議員会(塘添)

 竹下会長は開会の挨拶で、

 ① マラケシュ条約の批准、著作権法の改正、その付帯決議で読書バリアフリー法に結び付く動きが具体化した。それに伴い、法制定を実現するための全政党が参加する議連が結成された。

 ② 日本全体のユニバーサル化を実現するためのユニバーサル社会推進法を具体化するための議連も立ちあがった。

 ③ バリアフリー法の改正法が成立したことにより、例えば、地域ごとにバリアフリーの指針を作ることや、鉄道事業者等にはバリアフリー化の年間計画を立てることが盛り込まれるなど、これまで以上に鉄道、建物、道路を一体化したバリアフリー化が促進されるよう、いくつかの仕掛けが組み込まれた。

 ④ 障害者団体と議連が推進してきた障害者による文化芸術活動の推進に関する法律が成立し、障害者の創作活動の促進を支援し、発表の場を確保するなど、さまざまな美術・芸術の鑑賞の機会を増やすことが盛り込まれている。

 ⑤ 日盲連を含めた障害者団体は、これらの制度の変化を地域に形として見えてくるような運動を展開していくことが重要である。

と述べられました。

 続いて、札幌市の舟崎(ふなざき)評議員と佐賀県の森評議員が議長に選任され、平成29年度事業報告、決算報告、平成30年度運動方針、監事の退任ならびに選任についての議案が審議され、執行部の原案通り承認されました。以下は、質疑応答の抜粋です。

 Q:事業報告書の中に同行援護・日常生活用具についての取り組み状況の成果と今後の課題が含まれていないので、追加提案していただきたい。

 A:決議処理報告の中で触れているので、了解していただきたい。また、ダブるかも知れないが事業報告の中に盛り込めないか検討したい。

 Q:「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、視覚障害者が観戦できるよう、各競技場の設備計画等に関する検討会に参加し、視覚障害者の要望等を盛り込ませることができた」とあるが、具体的にどのような要望が盛り込まれたのか教えていただきたい。

 A:国立競技場では、視覚障害者の立場から点字ブロックの敷設の仕方や音声ガイドの問題などをお願いした。また、大会が行われる各会場に結びつく鉄道駅等々のバリアフリー化、安全対策について我々の声を反映させることができた。

 Q:3月の評議員会の時に、あん摩師等法19条訴訟に対する加盟団体からの募金の集まりが悪いという報告があったが、その後の状況は?

 A:本日までに全加盟団体から寄付が集まったが、現時点で日盲連から百数十万円を持ち出している。

 Q:日盲連の名称変更がどのようになっているのか教えてほしい。

 A:現在改名委員会を設置して討議を行っている。7月10日までに及川(おいかわ)委員長から竹下会長宛に意見書を提出する運びとなっている。

 Q:視覚障害の認定基準の改正が行われるが、それに伴い障害年金の基準の改定はどのようになるのか。新たな認定基準が分かり次第情報提供をしてほしい。

 A:身体障害者手帳の変更と障害年金とは連動していない。今後障害年金の見直しがあるようでしたら、必ず情報提供をします。

 また、報告事項として、

 ① あん摩師等法19条訴訟についての経過報告、更なる署名・はがき陳情・裁判傍聴・募金への協力について

 ② 読書バリアフリー法実現に向けた動きについて

 ③ 旧優性保護法による不妊手術について

 ④ 日盲連創立記念イベントについて

 ⑤ 日盲連の歌のCDの配布について

などが報告され閉会しました。

2 スポーツ協議会(塘添)

 代表者会議に先立ち、昨年の全国障害者スポーツ大会(愛媛大会)のグランドソフトボール競技の優勝旗と賞状が竹下会長より優勝チームの愛媛県と福岡県の両チームに渡されました(悪天候で決勝戦が行われなかった)。

 引き続いて行われた代表者会議の挨拶でスポーツ協議会の濱野会長は、

 ① 2020年のオリンピック・パラリンピックに向けてグランドソフトボール・サウンドテーブルテニス・ブラインドテニス・フロアバレーボールを一堂に会して、公開試合や体験会を中心とした「視覚障害者スポーツフェスティバル」を実施することを目指している。

 ② 全国障害者スポーツ大会において優勝旗の授与ができないので、関係団体との協力と理解を得て、それが可能になるように運動を進めて行きたい。

と述べられました。

 議事では、29年度事業報告・同決算報告・監査報告・30年度事業計画案・予算案が執行部より報告・提案がなされた後、質疑応答・意見が活発に行われ承認・可決されました。以下は、質疑応答の抜粋です。

 Q:昨年、オリンピック・パラリンピックにおいて、視覚障害者も聖火ランナーに加えてほしいという要望をしていたが、その後の経過はどのようになっているのか教えてほしい。

 A:聖火ランナーも含めて大会に関わりたいとお願いをしている。「検討したい」という返事をいただいている。

 Q:視覚障害の認定基準の改正が行われるが、それに伴い障害者スポーツ大会の障害区分の見直しはどのようになっているか。分かり次第情報提供をしてほしい。

 A:陸上については、変更がまだきちんと決まっていない。

 Q:視覚障害者スポーツフェスティバルはいつごろを予定しているのか教えてほしい。

 A:2020年5月4日・5日に北区の東京都障害者総合スポーツセンターで行うことを予定している。

 代表者会議終了後、「視覚障害者スポーツの現状と課題~盲学校の現場から~」と題し、視覚障害者スポーツに30数年間携わってきた、筑波大学附属視覚特別支援学校教諭の原田氏を講師に研修会が開催されました。

 原田氏は、盲学校の生徒数の減少、スポーツに取り組む生徒数の推移、国際スポーツに出場する際のクラス分けが日本と異なっていること、盲学校体育の環境の現状を詳しく解説されました。

 そして、視覚障害者スポーツの課題としては、審判ができる人が少ないことを含め指導者の減少・競技者の不足・伴走者の不足があるほか、日本だけの種目が多い。そうした中で、スポーツを続けていくための練習環境が整っていないこと、国際スポーツを目指した時の派遣費などを含めた経済基盤が安定していないことなどが語られ、現状の厳しさを改めて認識する内容でした。

 最後に原田氏からは、日盲連のスポーツ協議会に対し、統括団体としての役割の重要性を期待している旨が語られ、大変有意義な研修会でした。

3 あはき協議会(安田)

 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師(三療)協議会代議員会は午後4時から6時まで、3階祥雲Ⅰにおいて開かれました。

 須藤(すとう)さんの司会で進行、最初にあはき協議会・小川(おがわ)幹雄(みきお)会長と日盲連・竹下義樹会長より挨拶がありました。

・小川あはき協議会会長の挨拶

 最も重要な取り組みは19条裁判対策です。皆さんの協力を宜しくお願いします。あはき療養費の診療報酬改定が6月1日からだったが、5月にようやく額が決まった。

・竹下日盲連会長の挨拶

 受領委任制度について、これまで受領委任制度は柔整師だけに認められていたが、これからは、あはきが健康保険の対象になったということです。無免許対策について、国も何とかしないといけないという思いになっているようである。悪貨が良貨を駆逐するというような悪い例になってはいけない。

 続いて横浜の岩屋(いわや)さんを議長に選んで議事に入り、事務局から平成29年度事業報告と決算報告を審議。

 事業報告では、平成医療学園の裁判への協力、29年度の免許保有証発行は82件、日マ会との共催であはき講習会を開催した、組織強化については不充分だったと思う、などが報告されました。

 竹下会長との質疑応答

 Q:レセプトを記載することについて同行援護を使えるか?

 A:協同組合を活用して職場介助者を利用できないか、あはき等法推進協議会で進めていきたい。

 Q:委任払いについて、代筆代読の報酬が少ないので事業所が伸びないのではないか。

 A:代筆代読の事業化について考えたい。

 事務局からの決算報告があり、質疑応答。

 Q:雑収入の額が大きいが内容は?

 A:賠償保険の手数料であるが、項目名を変えるよう検討したい。

 Q:あはき決算の収支はマイナスだが?

 A:繰越金は減っているのでその通りです。分担金と手数料が主な収入ですが、今のところ対策は考えていない。

 質疑応答の後、平成29年度事業報告、決算報告を拍手多数で承認。

 続いて平成30年度事業計画案と予算案について審議。事業計画では、ヘルスキーパーの促進、認定マッサージの講習会を開く、受領委任制度による保険請求の収入増大を図る、あはき関係の情報収集を進めたい、などが提案されました。

 続いて30年度予算が提案され審議されました。

 Q:鍼灸マッサージのいろいろな資格制度があるが、私たちを守っているのかどうか?

 A:免許保有証は常に身につけて無資格者との差別をしてほしい。

 Q:レセプト用紙、及び同意書の様式の変更はあるか?

 A:同意、再同意の方法が変わる。施術報告書をつけるようになる。

 Q:受領委任は全ての保険者の義務でないとの文面があったと思うが?

 A:組合保険の反対が強い。残念ながら全ての保険者は難しい。

 Q:保険取扱いで全盲と晴眼者の格差が広がっていくのではないか?

 A:受領制度の研修の取組が日盲連で遅れている。

 Q:あはき協と日マ会が合併してはどうか?

 A:あはきは鍼灸があるので難しいのではないか。

 質疑応答の後、平成30年度事業計画案と予算案を拍手多数で承認。

★ 第2日目(6月12日 火曜日)

 午前は「70年の歴史と先人の思いを語る」と題して、日盲連の70年の歴史を御存じで、担ってこられた笹川(ささがわ)名誉会長(84歳)、板垣(いたがき)相談役(91歳)、新城(しんじょう)女性協議会相談役(77歳)の3人のパネリストに、「日盲連に関わるようになったいきさつ」「日盲連で力を入れたこと」「視覚障害者の現状をどのようにとらえているのか、感じているのか」についてのお話で、先人の方々のこれまでの取り組みによって今の日本の視覚障害者福祉が発展してきたことなどを語っていただきました。そして、最後に今後の日盲連に向けて叱咤激励のメッセージをいただき、次の10年後に向けての方向付けを示唆していただきました。

 午後から、第55回全国盲人代表者会議が行われました。

 全体会議の冒頭、竹下会長から「我々が今後10年を見据えた運動を進めていく上で大きな運動方針や各地方から挙げられた要求課題について、みなさんとともに論議し、集約していきたい。ぜひ各地方の実情を議論に載せていただき、今後の運動に反映していただきたい」という挨拶がありました。

 続いて12本の柱からなる平成30年度運動方針(案)が確認され、また「読書バリアフリー法(仮称)の制定を求める特別決議」(案)が示され採択されました。その後、各団体からの提出議案の確認が行われました。以下は生活分科会、バリアフリー分科会、職業分科会の討議内容です。

1 生活分科会(塘添)

 この分科会では、「障害者差別解消法・障害者総合支援法」「同行援護・移動支援」「65歳以上の介護保険・高齢者問題」「日常生活用具給付等事業」「意思疎通支援事業」「歩行訓練」「災害」「その他」の40項目の要望事項について審議し、採択していきます。

 その中で、北信越ブロックから「交通の不便な地域において、同行援護従業者が運転する車の利用を認め、その移動時間や待機時間を報酬算定の対象に加えるよう制度の改善を要望する」。この要望は他に3県からも出され、採択されました。

 しかし、富山県から提出した「タンデム自転車の特性やその有用性などから、同行援護での利用を認めるよう国に要望する」。この要望については、事故の心配やガイドヘルパーの能力の問題などで、現時点でそれを同行援護として制度に組み込んでいくのには少しハードルが高いのではないかという意見が出されました。それに対し、この文書の前に「必要な研修を受けた者が利用する場合」という内容を付記すればという提案がありましたが、今後の検討課題にしたいということで、採択されませんでした。

2 バリアフリー分科会(濱野)

 この分科会の提出議題は39題と大変多く、9つあるカテゴリーごとに分けて話し合われました。すべてのカテゴリーで順調に議事は進み、提出議題39題すべてが採択されました。富山県の他、7団体から提出された「テレビの字幕の音声化や拡大について」の議題もフロアからの賛同を得て採択されました。

 今年度の本分科会は議題が非常に多く、1題あたりの討議時間は少なくなってしまったかもしれませんが、カテゴリーごとに話し合われたため効率が上がり、充実した時間を感じることができました。

3 職業分科会(安田)  午後1時30分から4時に開かれた職業分科会では、全国各県から提出された9項目、23議題について審議しました。その議題を紹介し、カッコ内に採択されたか否かを記します。

 1.19条関係 1題

 ① 視覚障害者の三療における業権を擁護し、あん摩・マッサージ・指圧を生業にしている者達の自活と生活向上を図るため、あん摩師等法第19条の堅持を強く要望する。(採択)

 2.受領委任払い 1題

 ① 受領委任払いへの移行を踏まえて、医療費健保払いでの保険取扱いマニュアルの作成を要望する。(採択)

 3.無免許・無資格・柔整 4題

 ① 三療における無免許・無資格医業類似行為者の取り締まりの強化を要望する。(採択)

 ② 無資格者が「マッサージ」と広告することへの徹底した指導と取締りの強化を要望する。(採択)

 ③ 無資格者取り締まりの徹底を図るため、厚生労働大臣免許保有証の啓発を要望する。(採択)

 ④ 柔道整復師の療養費不正受給について、国へ適正化を要望する。(採択)

 4.あはきの就労対策 2題

 ① 視覚障害者の雇用率を上げる対策に加えて、あん摩マッサージ指圧師、はり師、灸師への就労支援策を充実するよう要望する。(採択)

 ② 視覚障害者の雇用拡大のために、国の機関や公的機関、民間企業にヘルスキーパーを雇用させるよう、積極的な取り組みを要望する。(採択)

 5.あはき・その他 3題

 ① 理療科教育現場の教員の資質の向上と、生徒の最低2年の現場経験を必須とすることを要望する。(採択)

 ② 厚生労働大臣免許保有証が身分証明書としても使用できるよう、機能の拡大を要望する。(採択)

 ③ 国勢調査などにおける職業欄は、療術業の中に、あはき業・柔整業・その他の療術業があるという分類になっている。したがって国はこれを、あはき業・柔整業・療術業に分類し直すよう要望する。(採択)

 6.職場介助者(ヒューマンアシスタント) 3題

 ① 就労形態にかかわらず、全ての視覚障害者が職場介助者制度を利用できるよう要望する。(少し訂正を加えて採択)

 ② 視覚障害を有するあはき開業者が、職場介助者制度を利用できるよう要望する。(少し訂正を加えて採択)

 ③ 個人事業主が、職場介助者制度を利用できるような制度の新設を求めるとともに、公務員にも職場介助者制度を付すことができるような制度の改正を要望する。(少し訂正を加えて採択)

 7.一般就労・雇用関係 5題

 ① 新規雇用の促進と在職視覚障害者の雇用継続支援の2つの側面から個々の能力をいかんなく発揮できるよう、就労支援関連の専門的なノウハウや知識と情報を統括的に収集・提案できる組織が必要であるため、視覚障害者の現役世代に対する就労問題検討委員会の設置を要望する。(採択)

 ② 視覚障害の有期労働者が無期労働契約に転換できるよう、雇用の安定を確保し、正社員転換・待遇改善実現プランの拡充を要望する。(採択)

 ③ 視覚障害者のあはき以外の就労機会拡大のための環境整備と支援の充実・強化を要望する。(採択)

 ④ 視覚障害者の雇用・就労促進のために、一定の視覚障害者枠を設置することを要望する。(採択)

 ⑤ 視覚障害者の就労機会の拡大のため、障害者雇用の際、障害種別による採用枠を設けて、あはき以外の一般就労の機会の少ない視覚障害者に対するきめ細かな就業支援対策をとるよう要望する。(採択)

 8.年金・手当 3題

 ① 物価上昇の中、視覚障害者の生活安定を図るため、障害基礎年金額の増額を要望する。(採択されたが、職業分科会でなく生活分科会での扱いとの意見を添える)

 ② 視覚障害者が安定した生活を送るため障害基礎年金の高齢加算を要望する。(採択されたが、職業分科会でなく生活分科会での扱いとの意見を添える)

 ③ 年金のみで生活している視覚障害者が増加してきているので、消費税引き上げに相当する手当ての創設を要望する。(採択されたが、職業分科会でなく生活分科会での扱いとの意見を添える)

 9.その他 1題

 ① 視覚障害者が居住する都道府県において、視覚障害者の希望に沿った職業訓練が受けられるよう要望する。(採択)

 提出された議題は訂正などを加えて全て採択されました。

 会議終了後、1日遅れの12日朝に富山県を出発し、1日目の旅行を終えて宿泊施設のイースト21にいる旅行団と合流しました(合計37名)。

★ 第3日目(6月13日 水曜日)

 "継承しよう 70年の歴史と先人の思い"

 "急ごう 都市型大災害への備え"

 "守ろう あはきによる職業的自立"

 "確立しよう 外出時の安心安全"

の4本のスローガンを掲げ、日本盲人会連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会が、秋篠宮同妃両殿下ご臨席の下、開催されました。

 第1部の式典では東京都盲人福祉協会笹川会長が地元主催者団体を代表して歓迎の挨拶を述べた後、竹下会長は主催者挨拶で、「先人たちは、戦後の混乱期の中、昭和23年8月に日盲連を結成し、視覚障害者の自立と社会参加の実現を目指し、70年の歩みを続けてきた。この70年間の日盲連の歩みは、日本の戦後における障害者の福祉の歩みと歩調を合わせてきたともいえる。

 今日の日本における視覚障害者の立つ位置が前進してきたのは、先人たちの団結があり、理解し支えてくれた多くの方々の力があってこそであり、我々は感謝しなければならない。

 しかし、我々は感謝するだけでなく、この70年の歩みを10年、20年とさらに受け継いでいかなければならない。この大会がさらなる発展に結び付けるすばらしい一歩となっていることを確信している」と述べられました。

 続いて、秋篠宮さまから「国民一人一人が障害の有無によって分け隔てられることなく、暮らせる社会の実現を期待しています」とのお言葉を賜りました。

 表彰式では、当県の堀ちずゑさんが「光の泉賞」を受賞されました。

 第2部の大会議事では、次の決議がなされました。

 1.視覚障害者の8割以上を占める弱視者(ロービジョン)のニーズに基づき、駅や地下道などの照度(しょうど)や輝度(きど)を改善し、あるいは、見やすい表示や拡大文字による情報が提供されるよう要望する。

 2.我が国が140年にわたり発展させてきた盲教育の伝統と専門性を維持するとともに、障害者権利条約が求めるインクルーシブ教育が地域の小・中学校において実践されるよう要望する。

 3.視覚障害者の7割を超える高齢視覚障害者や一人暮らしの視覚障害者が、生活の質を低下させることなく地域での生活を継続できるよう、必要なホームヘルパーの派遣時間を保障し、地域での生活が困難となった視覚障害者がグループホームや盲養護老人ホームに容易に入所できるよう要望する。

 4.災害時に障害者が安全に避難できるよう、障害者も参画した避難訓練を実施するとともに、福祉避難所の設置と避難所生活を支える体制の整備を要望する。

 5.日常生活用具は、視覚障害者のニーズに応じた品目を指定するとともに、地域間格差を解消するために、対象者・耐用年数・基準金額等の要件について国が指針を示すよう要望する。

 6.視覚障害者の安全な移動のために、視覚障害者誘導用ブロックや音響式信号機の拡充、歩車分離式信号機の音響案内の必置、駅ホームからの転落防止対策を実施するとともに、同行援護事業の充実と地域間格差の是正、歩行訓練体制の整備を要望する。

 7.選挙公報などの情報は、点字・音声・拡大文字・テキストデータなどの当事者が必要とする媒体で提供し、テレビの字幕の音声化の拡大を要望する。

 8.意思疎通支援事業としての点訳音訳、さらには代筆代読を地域生活支援事業の必須事業とし、支援者養成カリキュラムを策定するよう要望する。

 9.家電製品やICT機器のユニバーサルデザイン化を推進し、視覚障害者が利用しやすいインターネット環境の整備や、支障なく買い物ができるようにセルフレジの視覚障害者対応を要望する。

 10.あん摩師等法19条を死守するとともに、視覚障害あん摩師への支援策を確立し、他方で、無資格医業類似行為者の取り締まりを強化することによって、視覚障害あん摩師が生計を維持し、国民の健康生活に寄与できるよう、条件の整備を要望する。

 11.視覚障害者の就労を促進するために、障害種別ごとの就労実態調査を行い、障害特性に応じた合理的配慮を提供するとともに、ヒューマンアシスタントやジョブコーチの拡充充実を要望する。

 12. 2020年の東京パラリンピックに向けて、国民に対する障害者スポーツの啓発や、視覚障害スポーツの普及を図るために「視覚障害者スポーツフェスタ」を実施し、障害者の自己実現のための芸術文化活動の推進を要望する。

 13.国民の障害者に対する理解を深め、差別がなく合理的配慮が提供される社会を実現するために、障害者差別解消法を改正し、全国に障害者差別解消条例が制定されるよう要望する。

 私たちはこの大会に参加し、視覚障害者の現状と今日的課題、福祉に関する情勢と運動の展開等を理解し、又、会場で多くの仲間と集い、連帯の輪を広げました。

 来年は、5月26日(日)から28日(火)にホテルニューオータニイン札幌と札幌市民交流プラザで開催されます。今年同様旅行団を結成して観光も計画しますので、共に参加し日盲連大会の雰囲気を味わうとともに、土地の風に触れる旅に参加しましょう。

◆第64回全国盲女性研修大会・島根県大会

女性部部長 柳田(やなぎだ) 信子(のぶこ)

 古代ロマンと神話が息づく出雲、テンポ軽やかな神楽の里石見(いわみ)、民謡花咲く隠岐の島、それが溶け合う島根県において多くの女性部の代表・会員がさまざまな課題に対し、協議研修と情報交換を行ない、豊かな暮らしと共生社会の実現を目指すことを目的として、8月31日(金)から9月2日(日)にかけて島根県民会館において研修会が行われました。

 ☆ 実現しよう 女性の輝く社会を! 

 ☆ 進めよう 障害者差別の解消を!

 ☆ なくそう 障害者福祉の地域間格差を!

 ☆ 確立しよう 外出時の安全対策を!

 上記のスローガンのもと、午前9時30分から代表者会議が行なわれました。

 始めに竹下義樹日盲連会長が、障害者の水増し雇用が全国で行われていることや、また、これからは障害者差別解消法に基づき視覚障害者の特性を生かし、すべての人たちとの共生社会の実現を作ることが大切であると挨拶をされ、続いて前田美智子女性協議会長、小川幹雄島根県視障協会長、同安達けい子女性部長の挨拶がありました。

 出席確認をし91名の出席者のもと、議事にはいりました。

 第1号議案から第10号議案まで審議し、下記のように承認、採択されました。

 1.平成29年度事業報告・収支決算並びに監査報告

 2.平成30年度運動方針(案)・事業計画(案)ならびに予算(案)

 3.女性協議会会則改正について

 代表者を1名とし2名を登録する。来年度の代表者会議で決議し、2020年から実施する。

 全国委員のブロック1名の改正は、ブロックで検討する。

 4.代表者会議の各ブロック提出議題について

 各ブロックから提出された要望は4題にまとめ、特に介護保険制度の居宅介護で、代筆・代読が出来ることを強調されました。

 5.宣言(案)・決議(案)について

 6.平成30年度第2回代表者会議の持ち方について

 30年度の2回までは今までどおりに行う。

 7.研修会第2部について

 来年度からは、レポート発表は6ブロックにして、6名で行なう。

 8.選挙管理委員の承認について

 広島県ほか、3名が承認されました。

 9.会報「あかね」について

 11月までに多くの原稿を送付して欲しい。

 10.その他

 予定時間が遅れ、その他の項目が出来なくなりました。

 午前12時すぎに代表者会議が終了しました。

 午後1時から第1部の講演会が始まりました。

 講師は春雨(はるさめ)や落雷(らくらい)師匠で江戸落語の「目黒の秋刀魚」と題して落語が始まりました。身振り手振りも使った巧みな話術で会場全体が笑いと拍手で盛り上がり、笑いの渦が広がりました。

 師匠は落語家と元医師という二つのすばらしい肩書を持っておられ、引き続き健康講話がおこなわれました。「笑って健康(笑いと免疫力そして・・・健康)」の演題で、免疫力を高めるためには、1日に5回大声でお腹の中から笑うと血液の中にNK細胞ができて病気になりにくいという話をされました。笑うことだけで健康になれるのなら、実行したいなと思いました。

 第2部は、全国の女性部からのアンケート調査の中間報告を前田美智子会長から報告されました。

 第3部は、レポート発表と意見交換会がおこなわれました。

 テーマは「日頃、差別を受けたことがありますか? 感じたことがありますか?」です。全国9ブロックから代表者が発表されました。

 弱視のため、会社では同僚となかなか普通に接してもらえず、会社をやめてしまった。また、視野狭窄で、病院の先生にも分かってもらえないことや、自分の母親にも眼が見えないことで、兄弟といろんな差別といえばよいか、区別かもしれませんが見えないことで強く叱られた。等々の話をされました。

 助言者に、島根県健康福祉部次長平岡(ひらおか)昇(のぼる)氏、松江市福祉部障害者福祉課長青木(あおき)佳子(よしこ)氏、竹下義樹日盲連会長を迎え、的確なアドバイスを受けました。

 その後、会場からの活発な意見交換が行われました。

 自分が差別を受けたことや、母親に眼が見えないだけでいろんなことを言われたことなどを、時間を延長して沢山の人が発表されました。

 3日目は午前10時から、600余名の参加者のもと第1部式典が始まり、国歌並びに女性協の歌を斉唱し、竹下義樹日盲連会長、同前田美智子女性協議会長が主催者側からの挨拶をされました。

 次に、小川幹雄島根県視障協会長、同安達けい子女性部長が歓迎の挨拶をされ、多くの来賓の方々の祝辞がありました。

 第2部は始めに議事が行われ、代表者会議の報告がなされ、拍手で承認されました。

 最後に宣言と決議が読み上げられ、満場の拍手で採択され、3日間の研修大会は終了しました。

 今回の大会は豪雨の中行われましたが、幸いに私達はその合間を通り抜けて一度も傘を使うこともなく、途中少し暑い時もありましたが、初秋の涼しい風のなか、無事富山へ帰ることが出来ました。

 来年は8月27日から29日にかけて、名古屋市で行われます。多くのみなさんの参加をお待ちしております。

◆第64回全国盲青年研修大会・奈良県大会

青年部 小林(こばやし) 徹蔵(てつぞう)

 今年も全青大会が9月16日と17日に、奈良県で開催されました。会場と宿泊になったのは、奈良県橿原(かしはら)市で、京都から近鉄橿原線に乗って終点です。

 1日目は、奈良県社会福祉総合センターで行われました。最初に、行事と会計の報告と承認を行い、三つの分科会に分かれて討議が行われました。

 私は、第1分科会で「交通問題」に参加しました。7つの要望が提出されていて、タンデムの全国で公道を走行ができるようにとかタクシーの障害者割引を一割から三割にしてほしい、あるいはタクシーチケットのない地域もあるので全国一律で出してほしいなどでした。

 今回この分科会で選ばれた二題は一つ目は、全国の駅にホームドアを設置してほしい。二つ目は同じ駅の話も入りますが、交通機関への乗り継ぎの手助けをしてほしい。これは、交通会社が違うと介助が他の交通会社の前で終わったりするので、他社でも障害者誘導の目的で他社職員がほかの会社間を出入りできるようにしてほしい。この二つになりました。

 宿泊はダイワロイヤルホテルザ橿原で、18時30分から懇親会があり、テーブルには私たちのほかに愛知の人が3人と神戸の人が1人、福岡の人2人がおられました。食事中には、5人でアルト・テナー・ソプラノサックスの演奏が20分くらいありました。時間どおり2時間程度でこの懇親会は終了しました。

 2日目は二つの研修会があり、「雅楽に親しむ」と「触って体感考古学」の二つで、私は雅楽の方に参加しました。天理大学の先生と生徒さん10人くらいで来ておられました。

 雅楽の使用する楽器は8種類で日本の古くからある音楽で、お正月に神社に行くと聞こえてくる音楽です。

 雅楽には管楽器が3つ、笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)。打楽器は3つ、鞨鼓(かっこ)・太鼓・鉦鼓(しょうこ)。絃楽器は2つ、琵琶・箏(そう)です。箏は琴です。

 漢字の話ですが、雅楽では弦楽器の弦を弓へんでなく糸へんを書いて絃楽器と書きます。

 雅楽の曲調は、お正月に聞くゆっくりとしたあまり早くない感じの曲が多いみたいです。メインは管楽器の担当なのが雅楽の特徴です。

 今回は演奏の間に、楽器をさわって演奏する体験ができました。私は、笙と篳篥と琵琶を持って音をならしてきました。笙は細い竹を並べて穴をあけて縦にしてふく楽器で、篳篥は小さな笛ですがリード楽器のリードが上下に2枚ついていて、それをふるわせて音がでる感じです。琵琶は、日本のギターですね。しかし、弦は絹の糸でできていました。

 雅楽は、このような感じでした。もっと詳しく知りたい人はユーチューブやインターネットで検索してみてくださいね。今回の奈良大会は、このような感じで終わりました。

 最後に、私は3回目の全青大会でしたが、今後に向けて同行援護を使っての移動を進めてほしいと感じました。会場内と会場周辺はボランティアさんがいますが長距離の移動のためにだけ付き添いしてる人もいるので少し負担が軽減されたらいいなと思いました。

《事業報告》
◆理事会・定時評議員会・定期会員総会

総務部部長 佐生(さそう) 秀一(ひでかず)

1.平成30年度第1回理事会

 5月23日(水)午後2時30分から、ライトセンター研修室において理事9名・監事1名の出席で今年度第1回理事会が開かれました。

 会長は挨拶の中で、これまでは評議員会が開かれる日の午前中に理事会を開いていたが、報告事項に修正などの必要が出た場合、訂正が間に合わないため、事前に開くことが望ましいと話されました。

 この問題についてその後、9月の富山市の監査において、理事会開催後の評議員会開催については、1週間以上間を開けることが望ましいとの見解が示されました。

 続いて議事に入り、平成29年度の事業報告及び決算報告を審議。白口(しらぐち)監事から監査報告があり、事業報告・決算報告について、共に全員挙手で承認されました。

 議事終了後、白口監事から「財政が逼迫しているようなので、今後の立て直し対策が必要ではないか」とのアドバイスを受けて検討した結果、会長・副会長・事務局で財政検討委員会を設けて、今後検討していくことになりました。


2.平成30年度定時評議員会

 5月27日、午後1時からライトセンター研修室において、今年度の定時評議員会が評議員15名の出席で開かれました。

 議事に先立ち、塘添会長は挨拶の中で、次のように挨拶されました。

 「今年4月1日から重度視覚障害者に対する同行援護において報酬改定が行われ、これまで身体介護を伴う場合、伴わない場合の2段階に分かれていましたが、改定により一本化されました。(一部省略)これまでは採算が合わないとの理由で同行援護から撤退する事業所もありましたが、報酬改定により、歯止めをかけられるのではないかと期待しています。

 また、今年7月1日から視覚障害の認定基準が70年ぶりに改定され、これまで『両眼の視力の和』で判定されていたのが、『良い方の視力』によって判定されることになります。」

 その後議事に入り、平成29年度事業報告及び決算報告・監査報告について審議され、両議案ともに挙手多数で承認されました。

 議事終了後、山内副会長から視覚障害者国際シンボルマーク及び啓発のパンフレットについて説明がされ、笹木施設部長からはボランティアと利用者交流会、センタークリーン作戦について説明とお願いがあり、評議員会を終了しました。


3.平成30年度定期会員総会

 6月10日(日)午後1時からライトセンター研修室において、平成30年度の定期会員総会が開かれ、式典に先立ち、29年度に亡くなられた会員の方々に対して1分間の黙祷を捧げました。

 その後、本協会会長は会員・来賓の皆様に挨拶を行い、まず冒頭で「本県グランドソフトボールチームが今日福井県において北信越大会に参加、まさしく今が試合の最中である」と報告され、エールを送ろうと呼びかけがなされ、満場一致の賛同を得て会長の音頭で、福井県にいる富山県チームに三三七拍子のエールを送りました。

 続いて、昨年度から協会が取り組んでいる課題として、

 ① 毎年当協会から県への要望書として提出する項目のうち、ライトセンターの老朽化に伴い、昨年度要望に組み入れた、センターの屋上とバルコニーの改修、書庫の消火設備の二つの課題の予算措置が認められたこと。

 ② 3年前に取り組み始めた「視覚障害者活用ヘルスキーピングモデル事業」の実施が今年度も認められたことに対して、改めてお礼を述べられました。

 ③ 継続的な課題として、盲導犬の入館・入店拒否対策について、県障害福祉課との連携により、富山県ホテル・旅館生活衛生同業組合へ「宿泊施設における盲導犬の利用等についての要望書」を提出したこと。しかしながら、飲食店等では今だに入店拒否がおこっている現状であること。またこの話題が先ごろ県内のマスコミでも取り上げられたこと。

以上の3点が報告されました。  次いで、来賓の衆議院議員宮腰(みやこし)光寛(みつひろ)内閣総理大臣補佐官、衆議院議員田畑(たばた)裕明(ひろあき)厚生労働大臣政務官、参議院議員野上(のがみ)浩太郎(こうたろう)内閣官房副長官(代理 斎藤(さいとう)宗孝(むねたか)秘書)、五十嵐(いがらし)務(つとむ)県議会議員、富山県厚生部前田(まえだ)彰久(あきひさ)部長(代理 障害福祉課大村(おおむら)政人(まさと)課長)、富山県社会福祉協議会岩城(いわき)勝英(かつひで)会長(代理 車(くるま)司(つかさ)専務理事)、富山県身体障害者団体協議会久々江(くぐえ)徐作(よさく)会長の各氏から熱のこもったご挨拶をいただきました。

 式典終了後、2時から総会(議事)に入り、平成29年度の事業報告・決算報告・監査報告について審議し、拍手多数で承認されました。

 続いて平成30年度の事業計画案・予算案の審議に入り、同じく拍手多数で承認されました。

 また、この審議の途中に北信越グランドソフトボール大会の結果が会長より報告がなされ、優勝との一言で研修室は大歓声に包まれました。

 3時15分過ぎから懇親会に移り、あちこちでにぎやかな談笑が交わされました。

 今年度も総会とグランドソフトボールの試合が重なり、出席者の減少を気にしておりましたが、会員皆様のご協力により70名の参加をいただき、盛大に定期総会を終えることができました。


4.平成30年度第2回理事会

 8月8日(水)午後2時から、ライトセンター研修室において理事11名・監事1名の出席で開かれました。

 今回は、施設整備事業の入札参加業者について提案がなされました。

 センターの屋上・バルコニー防水工事及び書庫内消火設備入札参加業者が示され、いずれも承認され会議を終了しました。


5.平成30年度第3回理事会

 9月12日(水)午後2時から、ライトセンター研修室において理事9名の参加で開かれ、社会福祉施設等施設整備屋上バルコニー防水工事並びに書庫内消火設備それぞれの落札業者について報告がなされ承認され、理事会を終了しました。



◆三療部会だより

三療部会長 堀(ほり) 惠一(けいいち)

 第1回三療部会と平成30年度総会が6月10日(日)富山県視覚障害者福祉センター盲人ホーム、和室にて開催されました。

 午前は10時から10名が参加し、ボランティアさん1名とガイドヘルパーさん1名に治療奉仕を行い、他はそれぞれにペアとなって施術交換し、技術の習得、情報交換につとめました。

 11時から平成30年度総会を11名の出席で行いました。29年度の事業報告に続いて29年度の決算報告があり、日盲連の「三療部会費について」や会費の納入状況など会計をもっとわかりやすくすることなど意見交換がされた後承認されました。

 その後、会の活性化のこと、文化祭での治療奉仕についてや今後の部会でやってほしいこと(はり、灸で効果を上げている治療でマッサージ師でもできるやり方はないか?)など意見を出し合いました。

 次回の部会を9月9日に予定すること、今年度も県協会の文化祭に治療奉仕の場を設けていただくことなどを決めて終了しました。

 第2回三療部会は9月9日(日)にセンター盲人ホームにおいて開催されました。

 午前は10時から6名の参加で、ボランティアさん2名と家族1名に治療奉仕を行い、その後は技術交換やいろいろな情報交換をしました。

 午後も、6名の参加で三療研修会の内容などや三療部会の今後などについて話し合い、同時に鍼の出ていない円皮鍼(えんぴしん)や火を使わないお灸を試したりしました。

 火を使わないお灸でも結構長く気持ちいい温度を保つものもあり、利用できるかもしれません。それらも含めいろいろと情報の交換をしました。

◆ボランティアと利用者交流会

施設部部長 笹木(ささき) 希一(きいち)

 連日30度を超える猛暑の中、7月1日の日曜日に、富山県視覚障害者福祉センター(通称ライトセンター)で、点訳・音訳のボランティアの皆さんと、私たちセンター利用者との交流会がありました。

 百名あまりの参加のもと10時より開会式が行われ、塘添会長の挨拶のあと、午前中は点訳一つと音訳三つの4グループに分かれ、図書の利用促進と利用者の望む図書とはどういったものなのかを話し合うとともに、ボランティアの皆さんの苦労話や、留意点を聴かせてもらいました。

 私たちが日頃デイジー図書を聴かせてもらっていますが、それまでには、ボランティアの皆さんが苦労されて出来上がっていることを改めて知りました。

 11時30分からの全体会議では、各グループで話し合われた結果を発表し、センター図書館の利用促進につなげるよう活かしていくことを確認しました。

 昼食後、ボランティアと利用者がペアを組んで、富山駅北に新しくオープンした富山県美術館に、大型バス2台と射水市からの参加者は射水市のバスで移動しました。

 到着後、美術館で開催されていた「千住(せんじゅ)博(ひろし)展」を見て回り、あちらこちらでボランティアの皆さんに絵の説明を読んでもらう声が聞こえていました。

 館内を案内してもらった後、食いしん坊の私は、館内に併設されているオムライスのおいしいといわれる店の前まで連れて行ってもらい、メニューを読んでもらい、この次は食事抜きで来て絶対に食べたいと思いました。でも、オムライスが1,700円あまりなのを聞いてびっくりしてしまいました。

 2時30分に1階ホールに集まり、バスにてセンターに戻ったのですが、2名が乗車しなかったのでセンター職員の人が残ることになりました。大勢の人がバス移動する事の難しさを痛感させられました。参加者それぞれが責任を持って行動することの大切さも学んだ出来事でした。

 3時にセンターに戻り、閉会式を行い、堀副会長の挨拶でボランティアと利用者交流会を終えました。

 この会を催すにあたり、お世話いただいたセンター職員の皆さん、各ボランティア団体の皆さんに厚く御礼申し上げます。



◆第67回富山県点字競技会・第19回パソコン競技会

文化部部長 高島 ヒサ子

 平成30年8月26日(日)磯部の富山県視覚障害者福祉センターにおいて、第67回点字競技会と第19回パソコン競技会(携帯電話含む)が行われました。

 始めに塘添会長の明るく弾んだ声で私たちへの励ましの挨拶があり、そのあと富山県立富山視覚総合支援学校の土田先生から競技上の注意事項をお話ししてもらいました。

そのあとオリエンテーションへと順序よく進み、競技に入りました。やはりこの日も猛暑で、にぎった点筆にも汗をかき、汗で手が滑って思うほどうまく書けなかったという声が聞かれました。

 競技種目は記憶書き、聞き書き、写し書き、速読みの4種目です。競技中は皆さん真剣で静かでした。なんだかあっという間に終わってしまいました。私はあいかわらず緊張で、特に写し書きがさっぱりできませんでした。

 選手がもっといたらもっと活気のある大会になるだろうと思いました。来年は、今点字をやりはじめた皆さんもどうぞ一緒に競技をやりませんか? 結構ワクワクドキドキが若さを保つような気がします。視覚総合支援学校の先生方のお声も聞けるんですよ。選手の皆さん、役員、職員も皆さんがお一人でも競技に顔を出していただけないかと待っています。来年はもっと出てきてください。心から待っています。

 話は少し横道にそれましたが、点字の書き方の競技が終わるとパソコンや携帯電話の競技の準備が始まり、今度は点字の書き方の競技の終わった人が順番に一人一人速読みの競技に臨みました。

 何しろ審査員の前で一人で読むのですから、やはり性格によってはあがって、実力通りに読めない場合があります。そのことがかえって何か新鮮な刺激を感じます。間違ったことがおかしいやらはずかしいやら…。これが若さを保つ刺激になっているように思います。

 午後の部は「点字表記法の改正について」という題名で視覚総合支援学校の土田庄二先生のお話を聞かせていただきました。

 土田先生は資料も作成されてとても分かりやすく話していただけました。点字もこんなに研究されていたのかと大変驚きと感動をおぼえました。これからは点字ももっと真剣に勉強をしないとついて行けなくなるのではないかと、少し心配にもなりました。

 点字も著しく進歩しているのだなあと大変嬉しい気もしました。土田先生、どうもありがとうございました。

◎点字競技講評…土田庄二先生

 点字については午後の部で細かく丁寧にいっぱい話されました。

・点字は日頃の生活の中でいつも使ってほしい。読むと分かるものがたくさんある。

・写し書きは難しかったのに割とよくできていた。

・聞き書きは採点が難しく審査に苦労した。

・「オートモ」は間違いで「オオトモ」と書いてほしかった。

・せめて読みは1分間に200文字は何とか読んでほしい。

◎パソコン競技講評…ひまわりの会・山田美智子さん

・前回よりも今回の方が書けている行が増えた。

・漢字ローマ字はやはり難しい。

・「匂い」を悪臭の臭と書いている方がいた。

・ゴールドウインや衣料ブランドも間違えていた。

・研究開発を逆に書いた方がいた。

 視覚総合支援学校の先生方、ボランティアの皆様、職員の皆様、大切な時間を私たちのためにご協力いただき感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

◎各競技 成績結果

【第67回点字競技会】

団体

 第1位 富山市チーム 第2位 射水市チーム 第3位 高岡市チーム

個人総合 第1位 松波(まつなみ)律子(りつこ)(高岡市)

一般の部個人総合 第1位 松波律子(高岡市)

 第2位 鈴木修博(射水市) 第3位 佐生真理(魚津市)

中途失明者の部個人総合 第1位 塘添誠次(射水市)

 第2位 谷内幸子(富山市) 第3位 山口 勇(高岡市)

田島杯 岩黒(いわくろ)勝義(かつよし)(射水市)

【第19回パソコン競技会】

 第1位 山口勇(高岡市) 第2位 田口明美(高岡市) 第3位 塘添誠次(射水市)



◆平成30年度宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会」

 平成30年9月15日(土)・16日(日)の両日、黒部支部担当で、会員家族激励大会、歩行訓練、研修会が宇奈月温泉「ホテル黒部」を中心に行われた。

 あいにくの雨の中、県内各地から約70名がホテル黒部に集合した。2時から家族激励大会開催、堀副会長の開会宣言に始まり、塘添会長の挨拶、地元黒部藤岡支部長から歓迎の挨拶があった。

 お忙しい中ご臨席いただいた黒部市長、黒部市選出県議会議員、黒部市議会議長、黒部市社会福祉協議会会長(代理)、黒部市身体障害者協会会長(代理)の各氏より、温かい激励の言葉をいただき、盛大に終えることが出来た。

 大会終了後、3時過ぎから実施した歩行訓練。バスに分乗し宇奈月温泉街へ。雨が降る中何となく人通りが多いと思いきや、この日から三日間はモーツァルト音楽祭、数々の関連イベントが開催されるとのことだった。傘さしながらの温泉街散策、お土産店で雨宿り休憩とお買い物等、趣のある歩行訓練となった。

 宿に戻り、掛け流しの温泉や、走行するトロッコ電車を眼下に眺めながら露天風呂を楽しんだ。

 6時半から待望の懇親会、美味しい料理とビールやお酒、焼きたてのアワビ、のはずが、開けたらアワビ不明、仲居さんに聞いて開けた蓋の裏に避難しているアワビを発見、生きのいいご馳走に大満足。皆さん得意のカラオケを聴きながら楽しい時間が過ぎていった。

 なお、8時30分から、2階ロビーで、明日モーツアルト音楽祭に参加するグループの演奏があるとのうれしい連絡、思いがけずすばらしい鑑賞ができラッキーだった。

 二日目の研修会は10時から、『黒部川開発100年と宇奈月温泉』と題して「宇奈月の歴史と文化を楽しむ会」代表・河田(かわた)稔(みのる)氏から御講演を頂いた。

 講演終了後、昼食を取って二日間の日程を終えた。来年は小矢部支部の担当で、9月7日・8日に行われるとのこと。多くの参加を宜しくお願いしたい。

(厚生部 山内 記)


◆第44回富山県視覚障害者球技大会

厚生部部長 濱野 昌幸

 9月30日、台風24号「チャーミー」が接近する中、グランドソフトボールとサウンドテーブルテニスの球技大会が行われました。

 グランドソフトボールは人数の足りない中、2対1と緊迫した試合となり、サウンドテーブルテニスは各部門で熱戦が展開されました。

 各賞は以下の通りです。(敬称略)

グランドソフトボール

 最優秀賞 佐生秀一 優秀賞 高橋 享(とおる)、濱野昌幸

サウンドテーブルテニス・A男子

 1位 中西美雄 2位 塘添誠次 3位 林 大志(はやし ひろし)

サウンドテーブルテニス・A女子

 1位 徳市和美 2位 本江とみ子 3位 柳田信子

サウンドテーブルテニス・B男女

 1位 太田蓉子 2位 池田一義 3位 赤石美枝子



《みんなの広場》
◆富山湾岸サイクリング2018

富山支部 柳井(やない) 勇二(ゆうじ)

 湾岸サイクリング2018が4月29日に今年も行われました。私たちタンデムチームは3回目の参加で、氷見から岩瀬の競輪場までの往復80kmを走りました。

 回数を重ねるごとに距離が伸びて大丈夫かなと少し心配になりましたがすべて完走することができました。当日は天気もよく暑いくらいの一日でした。

 今回はタンデム4台で参加しました。8時ごろにスタートし28kmほどを走り休憩をし、残り12kmを走り、40kmで競輪場に到着し昼食休憩です。

 ここまですべて順調に走り午後のスタートです。残り40kmということで途中足がつらないように注意してストレッチをしながら走りました。最後に近づくと向かい風と坂道がかなりこたえましたがなんとか3時ごろにゴールすることができました。

 80kmという未知の世界でしたが、パイロットを務めてくださった村上議員はじめ市会議員そしてサイクリング協会のみなさまの協力をえて私たちタンデムチームは完走することができました。

 大変有意義な一日でした。本当にありがとうございました。



◆社会福祉法人日本盲人会連合結成70周年記念第71回全国盲人福祉大会 東京大会

小矢部支部 牧野(まきの) 清美(きよみ)

スローガン

 1 継承しよう 70年の歴史と先人の思い

 2 急ごう 都市型大災害の備え

 3 守ろう あはきによる職業的自立

 4 確立しよう 外出時の安心安全

 今年の全国大会東京大会は、結成70周年記念の大会となりました。

 ご来賓に、秋篠宮同妃両殿下をお迎えして、緊張した雰囲気の中、華やかな空気の中で開催されました。東京都知事のあいさつもあり、これまで参加した全国大会とは少し異なった進行で式典が進んでいったように思いました。

 そんな中で、一つ富山県として誇らしいことがありました。当協会副会長の堀さんの奥様(堀ちずゑ様)が北信越ブロックの中から「光の泉賞(内助等功労)」を受賞されました。おめでとうございました。

6月12日

 9時過ぎに東京駅に無事到着。バスの乗り場まで移動することになったのですが、たくさんの人々、駅の端から端までの移動、バスが駐車している場所になかなかたどりつくことができません。東京駅ってなんて広いんだろう、そんなつまらない感動をしながら、とにかく歩きました。バスに落ち着きホッとし、赤坂迎賓館に向かいました。

赤坂迎賓館

 迎賓館は、中学3年の修学旅行で見学した記憶がありました。その時の印象としては、「羽衣の間」の天井の天女の絵が、記憶にあったのですが、今回見た「羽衣の間」の天井には、天女の姿はなく、天女の白い羽衣がフワフワした雲のように描かれていました。私の記憶もいい加減だなと自分自身苦笑してしまいました。

 天井に吊り下げられている、シャンデリアの重量に驚きました。世界の来賓を迎え、晩餐会が開かれている場所、これからテレビで見る機会があった時には、ちょっと自慢気に話ができるかな?

 驚いたことがもう一つありました。迎賓館に入る前の荷物検査です。カバンの中身の検査には驚きませんでしたが、中に入っていたペットボトルを検査の方の目の前で一口飲んでくださいと言われ、一口飲みました。「毒が入っているかもしれないから」だそうです。飛行機に乗る機会のなかった私にとって、荷物検査自体が初体験でした。

皇居

 ここでも荷物検査がありましたが、一度体験しているのでスムーズに検査を通り抜けました。

 気温が高くて暑いのですが、大きな木々がたくさんあり、ところどころにやさしい木陰があり、ほっとしながら歩けました。

 とにかく広い、一般参賀が行われている場所に立ちました(もうこの場所には来ることはないでしょう)。いろいろ説明していただき、2万人の人々がここに集まることができるとのこと。これまた来年の新年の一般参賀のテレビ中継に力が入ることになるでしょう。

晩食 落語 漫才

 漫才と落語の実演を見ながらの食事です。舞台が近く、熱演の空気をバンバン感じながらの食事。ちょっと優雅な初体験でした。

 落語をしてくださったのは、林家まめ平さん。テレビで見る機会があればいいですね。

東京スカイツリー

 食事を終え、夜のスカイツリーへ。こんな時間なのに、どこから人たちが集まったのだろうかと思えるくらいのたくさんの人たち。そんな中に私たちもいて、4つの高速エレベーターに乗るために長い列に並びました。

 エレベーターのそれぞれの内装が、春、夏、秋、冬の四季を表現した内装になっています。どの季節のエレベーターに乗れるかわかりません。私は上りが冬、下りが秋と幸い違った季節を体験することができました。展望台から見える東京は、華やかな感じがしました。

 今日は本当にたくさん歩きましたので、お風呂に入る元気もなく、すぐに就寝。翌朝までぐっすり。

13日

 午前中は全国大会式典に参加。堀副会長の奥様表彰。式典終了後、上野公園にある今大河ドラマで有名な西郷(さいごう)どんの銅像を見に行きました。ドラマを見ているせいでしょうか、西郷(せご)どんこんにちは、そんな気持ちで眺めていました。

東京湾アクアライン

 海の中のトンネル。海中のどこを走っているのかわからないけれど、地上のトンネルとまったく違いなく、どのようにして作られたのかの疑問を解決するヒントを教えてくれたのが海ほたるパーキングエリアにあった、トンネルを掘るのに使われた、14.14mの歯車でした。

 これが海の中を掘ったのだ。人間の考えることはすごいな!。いつものことだが、本当に知らない事柄を実際に体験して感じることができたことに感謝です。

宴会

 昨晩は皆さん方との交流会がなかったので、今晩の宴会はなかなかの盛り上がりで、カラオケでお得意ののどを披露してくださる方々の歌を楽しんだ時間でした。

14日

東芝機械

 ここでは、昔懐かしい電気製品に会うことができました。とても懐かしい気持ちがして、電気製品の進歩のはやさに感心しました。二人組になり、静電気の体験もしました。髪の毛がフワッっと立ち上がる感じがしました。貴重な体験でした。

お昼 ちゃんこなべ

 4人一組でちゃんこ鍋を食べました。鍋の締めは雑炊でしょうということで、雑炊を作りました。卵がないので卵の料金を別会計で払いました。なんと1個100円でしたが、卵入りの雑炊はなかなかの味。満足のちゃんこでした。

朝乃山と対面

 ちゃんこ鍋でおなかも膨れ、高砂部屋まで歩きました。高砂部屋はビルでした。朝乃山関、後援会長の方が待っていてくださり、初体験相撲部屋の訪問です。

 朝乃山関は、握手したり、体に触れること、一緒に写真をとることなど、快く接してくださいました。私はそっと肩から腕を触らせてもらいました。ガッチリとした肩と腕でした。

 土俵が作られている部屋の天井は、格天井(ごうてんじょう)(といって格子(こうし)のかたちでつくられている)で、土俵の前は床の間になっていて、親方が座られる場所がありました。

 土俵が使われていないので、土俵の中心に何かおいてありました。何のために置いてあるのか、尋ねればよかったな。

江島杉山神社(えじますぎやまじんじゃ)

 この神社は、視覚障害者の私たちにとってはとても大切な神社だということを知りました。女の神主様が、いろいろ説明してくださいました。年代物の琵琶、薄暗い洞窟、歴史を感じた神社でした。

東京駅

 予定の行事が無事終わり、あとは帰宅するだけ。夜のお弁当に、斉藤さんと釜飯を買いました。本当ににぎやかで方向を間違えるとどこだかわからない場所に行ってしまいそうになります。東京だな。改めてそんな思いを感じながら帰途につきました。



◆平成30年度視覚障害者囲碁大会に参加して

富山支部 笹木 希一

 平成30年6月30日(土)に、東京都渋谷区のリフレッシュ氷川において、社会福祉法人日本点字図書館・NPO法人日本福祉囲碁協会の主催で、社会福祉法人朝日新聞厚生文化事業団・社会福祉法人NHK厚生文化事業団・公益財団法人毎日新聞東京社会事業団が協賛する視覚障害者囲碁大会が開催されました。

全国から49名が参加し、私達BIC富山から安田庄内、松本保男、笹木希一の3名が昨年に引き続き参加しました。

 当日、朝6時19分発の北陸新幹線かがやきで東京着8時32分で山手線に乗り換え、恵比寿で降りてタクシーで会場に向かいました。

 9時半受付の後10時から開会式が行われ、日本棋院所属の小林 覚(こばやし さとる)九段が観戦に見えられ、会場からウオッという歓声が上がりました。

 10時半から第一局目が行われ、1時間半の間では決着がつかず、審判による判定に持ち込まれる試合が多くありました。昼食をはさみ午後2局が行われました。

 午後4時に対局が終了し、表彰式が行われ、4級以下に出場された松本保男さんが、3戦全勝で優勝されました。有段者クラスに出られた安田庄内さんはいずれの対局も大接戦で、判定の結果1勝2敗で、1級から3級クラスに出た笹木は2勝1敗の成績でした。私個人としては、昨年は3敗だったので今年は落ち着いて対局が出来、納得のできる結果でした。

 4時半に会場を後にして、渋谷駅近くにある居酒屋で30名を超える人たちで、懇親会が行われ、富山からの3名と案内して下さった松本さんの息子さんの4名も参加して、にぎやかな2時間を過ごすことが出きました。

 料理もおいしく頂き、飲み放題で大いににぎわっておりました。渋谷から東京駅に移動し、8時12分のはくたかに乗り帰路に着きました。

 この大会は来年も行われるので、BIC富山からも、9路盤でもいいので、一人でも多く参加していきたいと思います。



◆季語閑話 甲子園その後

ひまわりの会代表 四宮 一子(しのみや かずこ)

 私は高校野球の大ファンである。今年は第百回を迎える。大会迄あと一ヶ月を切った。

 最も記憶に残るのは、平成五年七月、第七十五回全国高等学校野球選手権大会である。

 富山県大会の決勝戦は七月十七日、不二越工業高校が初優勝を飾った。そのメンバーの中に彼がいた。我家の五人兄弟の末っ子である。小三から校下のスポーツ少年団に入り、十年間野球を続けてきた。決勝戦では投手であった。優勝が決まった瞬間のあの感動と興奮は終生忘れることはないであろう。お立ち台でインタビューを受ける彼の顔は汗にまみれ夕日に輝いていた。

  炎天の塩噴いてゐる野球帽 吉田かずや

 優勝が決まってから甲子園の試合迄の二十一日間は怒濤のように過ぎ去った。結果は鳥取西高に一対十一の大敗を喫した。しかし試合終了後、スタンドからは惜しみない拍手が送られた。私も、甲子園球場へ足を運んで下さった全ての人達そして夢の舞台へ連れてきてくれた子供達に心からの感謝を込めて大きな拍手を送った。熱いものが込み上げた。甲子園は偉大である。

 家族の絆を深め、日頃疎遠であった親戚や友人知人、見ず知らずの人をも引き寄せる。グランドとスタンドが一体となる。甲子園の仲間は保護者も子供達も未だに交流がある。

  高校野球猛暑を弾き返す音 古川千鶴

 その後の彼には数々の試練が待ち受けていた。スポーツ推薦で入った大学を三ヶ月足らずで自主退学(彼は多くを語らなかったが大好きな野球を諦める無念さは如何ばかりであったろうか。今でも胸が痛む)。プロゴルファーへの挑戦も三年余、勤めた会社も数年で倒産。等々不遇続きであった。その後長いトンネルを抜け出したあとは、良き伴侶に恵まれ二児の父親となった。中学二年になる息子と野球を楽しんでいる。

  野球児の声発刺と夏立てり 西村しげ子

 彼が甲子園で掴んだもの、決断力、挑戦、協調、勇気何より友情等それらが甲子園その後の彼の人生を後押しし、事ある毎に乗り越えてこられた原動力になったように思う。

 嬉しいことに二度目の甲子園が巡ってきた。マスターズ甲子園富山県代表として出場の機会を得たのだ。たった一イニングだったがかつてのマウンドに彼が立った。その試合は勝った。約二十年振りにあの時の悔しさを晴らし親の私達に甲子園での一勝を見せてくれた。当時の監督メンバーと共に。二十年かかって第二の甲子園での一勝を得たのである。かつてお立ち台に立っていた時と同じ晴々とした顔をしていた。夫も私も感無量であった。

  野球部の大きな鞄汗も涙も 野中啓子

 "初陣"と題されたアルバムと小瓶に収められた甲子園の土があの時の感動を静かに伝えてくれている。一度目の甲子園の穏やかな幕引きと同時に二度目の甲子園での一勝、三度目の甲子園が見え隠れする。

 日々白球を追っている全国の球児達に心からのエールを送りたい。永遠なれ甲子園!!

(俳誌「栞」六月号より転載)



◆県庁職員とのSTT交流会

STTクラブ員 中西 美雄(なかにし よしお)

 平成30年9月22日(土)午後1時よりセンター研修室において、かねてより富山県障害者スポーツ協会を通し、県庁職員の皆様とSTT交流会を行いたいとの要望に対し、常川(つねかわ)事務局長様が迅速に対応していただき今日の運びとなりました。

 これは、視覚障害者のスポーツであるSTTを体験していただくことにより、障害者スポーツを理解していただき且つアイマスクを使用することにより暗黒の世界の不自由さも知っていただこうという目的で開催されたものです。

 実は、障害者の福祉サービスの直接担当係りである障害福祉課を想定していたのですが、「この日は他に行事があって出席できない」とのことでしたが、角田(かどだ)係長さんが行事の合間を縫ってわざわざご挨拶と見学をしてくださったことは、深く部員の心に残ったことと思います。

 初めに池田部長より「スポーツを行うことによって健康で暮らせることに感謝しています」と、開会の挨拶がありました。続いて常川事務局長から、県側の出席者6名の紹介があり、クラブ員16名も大きな声で自己紹介をし、開会式を終わりました。

 最初に塘添会長から、STTのルールについて解説をしていただき、それに合わせてフォルトやホールディング、ダブルヒットなどの技術を部員2名が披露しました。

 交流会は、まず卓球台を3台使用しました。研修室には2台(Aコート・Bコート)ロビーに1台(Cコート)とし、各コートに県庁側の選手を2名ずつに分け、それぞれ、(1)と(2)と番号を振り、そのあと(3)から(7)までをクラブ員としました。

1.まず、(1)と(2)がアイマスクを着用せずに主審の指導の下、先に学習したルールを踏まえサーブ、ラリーの練習を10分間行ない、続いてアイマスクを使用し、試合形式の練習を10分間行いました。

2.いよいよクラブ員との交流試合です。第1セットはアイマスクを着用して11点マッチ、ここではサーブの方向やリターンされて返ってきたボールの位置を定めるのに苦労をされていました。中には「初めてのSTTだろうか」と疑うほど上手にラケットをさばいていた選手もいて、空振りしたりうまく捉えたときなど笑いやら歓声が上がったりしていました。

 第2セットはアイマスクを外し、暗黒のストレスから解放された選手は生き生きとラケットを振って、クラブ員もたじたじです。やはり視覚とは素晴らしいもので、ラリーも長く続き笑顔のうちに交流試合を終えることができました。

3.クラブ員との試合が1巡し、時間が少しありましたので、クラブ員による模範試合を行いました。通常の練習のように心を込めて1セットを戦いました。

 今日の交流会を終えての感想として、「STTの存在は知っていましたが実際にプレーを行ったのは初めてでした。アイマスクをかけて光を遮断した状態で転がってくるボールを打つことができるだろうかと心配していましたが、その心配が当たりほんとうに難しかったです」。「クラブの皆さんの模範試合を見せていただき、球のスピード、そのスピードボールをきちんとリターンされる技術には感動を受けました」とのお言葉をいただきました。

 視覚障害者のスポーツとしてSTTやグランドソフトボール、マラソンなどがありますが、まだまだ社会の認知度が低いようです。2020年のパラリンピックを機に日の当たっていない障害者スポーツが多くあることを知っていただき、大いに認知度を上げていきたいものと考えています。いつ、だれが、どこで障害者になるか分かりません。本クラブ員の中にもつい最近まで車の運転をしていた人や一般企業に勤務していた人も多くいます。

 このような中途失明者も初めのうちは打ちひしがれていましたが、STT競技を知ってから見違えるように明るく日常生活にも生きがいを感じているとおっしゃっています。このようにスポーツを行うことは、自分の心を取り戻し、生活に潤いを与える大きな力となります。今後とも障害者スポーツを育成し、継続していけたらいいと願っています。



《事務局から》
◆消息  訃報

 高畑(たかはた) 真理子(まりこ)氏(富山市) 4月 逝去

 湊(みなと) 繁治(しげはる)氏(氷見市)   9月 逝去

  ご冥福をお祈りいたします。



◆受賞

日盲連顕彰等被表彰光の泉賞(内助等功労)

 堀(ほり) ちずゑ 氏 H30.6.13

障害者雇用優良事業所等表彰富山県知事表彰(優秀勤労障害者)

 濱野(はまの) 昌幸(まさゆき) 氏 H30.9.28

  受賞おめでとうございます。



◆時事暦(4月~9月)

 4月15日(日) 第18回富山県障害者スポーツ大会〔水泳競技〕(東富山温水プール)

 4月29日(日) 富山湾岸サイクリング2018(氷見市) 10名

 5月20日(日) 第18回富山県障害者スポーツ大会〔陸上競技〕(県総合運動公園)

 5月23日(水) 午後2時30分 平成30年度第1回理事会

 5月27日(日) 午後1時 平成30年度定時評議員会

 5月27日(日) 出会いと語らいの集い(岐阜県)

 6月10日(日) 「第45回北信越グランドソフトボール大会」が福井県で開催され、富山県から19名参加

 結果は、1位 富山県、2位 長野県、3位 新潟県

 6月10日(日) 午後1時 平成30年度定期会員総会 会員70名

 6月11日(月)~13日(水) 「第71回全国盲人福祉大会〈東京大会〉」が開催され、富山県から総勢37名参加

 6月14日(木) 平成30年度点訳・音訳ボランティア養成講習会開講式 点訳4名 音訳3名

 6月17日(日) 東海北信越地区グランドソフトボール代表決定戦(富山県)

 6月末 会報「ゆきしろ」第77号発刊

 7月1日(日) ボランティアと利用者交流会(富山県視覚障害者福祉センター・富山県美術館)  会員49名 ボランティア57名

 7月15日(日) センタークリーン作戦 約40名

 8月8日(水) 午後2時 平成30年度第2回理事会

 8月26日(日) 第67回点字競技会・第19回パソコン競技会

  点字競技15名・パソコン競技(携帯電話含む)7名

 8月31日(金)~9月2日(日) 第64回全国盲女性研修大会(島根県) 6名

 9月12日(水) 午後2時 平成30年度第3回理事会

 9月15日(土)・16日(日) 宿泊研修〔視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会〕(黒部市 ホテル黒部) 69名

  講演「黒部川開発100年と宇奈月温泉」 

  講師 宇奈月の歴史と文化を楽しむ会代表 河田 稔(かわた みのる)氏

 9月16日(日)・17日(月) 第64回全国盲青年研修大会(奈良県) 2名

 9月24日(月) 第18回富山県障害者スポーツ大会〔フライングディスク競技会〕(県総合運動公園)

 9月30日(日) 第44回富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕(南部中学校・センター) 35名



◆平成30年度後期の主な行事予定

 10月13日(土)~15日(月) 第18回全国障害者スポーツ大会(福井県)

 10月14日(日) 第42回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)

 10月20日(土)・21日(日) 第27回北信越サウンドテーブルテニス大会(石川県)

 11月11日(日) 第18回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)

 11月11日(日) 三療研修会(センター)

 11月11日(日) 出会いと語らいの集い(南砺市)

 11月24日(土)・25日(日) 北信越ブロック大会(新潟県)

 12月2日(日) 更生相談会・結婚相談室・意見交換会(センター)

 12月3日(月)~9日(日) 障害者週間

 12月末 会報「ゆきしろ」第78号発刊

― 平成31年 ―

 3月20日(水) 理事会(センター)

 3月24日(日) 合同会議(センター)



《編集後記》

文化部部長 高島 ヒサ子

 今年の夏は大変な猛暑続きで大切な命を亡くされた方もいらっしゃると報道されていました。テレビやラジオで水分補給の呼びかけをいっぱい聞きました。その上、北海道で大地震があり、津波がなかったのに長雨など追い打ちをかけられ山の崩壊により大切な家を無くされたり、また、行方不明者やたくさんの命まで失うことになってしまいました。そしてまた追い打ちをかけるように2度の台風によって大きな被害を生じました。

 天災は忘れた頃にやって来る。これは本当ですね。富山はありがたいことに今回も何とか今のところ大きな事故もなく乗り切りましたが防災はいつも気にすることでやはりお互いにもっと案を出し合うように考える必要があると思います。

 話は変わりますが、いつもゆきしろをご愛読いただきありがとうございます。皆さんもご意見や何か気がついたことがありましたらどうぞお寄せくださいますよう心からお待ちいたしております。今後ともよろしくお願い申しあげます。



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