会報「ゆきしろ」86号

(令和4年12月発行)


 この「ゆきしろ86号」は令和4年4月1日~令和4年9月30日までの分を掲載しています。




     第86号
(発行者)
 社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
 〒930-0077
  富山市磯部町3丁目8番8号
 電話 (076)425-6761
  Fax (076)425-9087
 Eメール:bcb05647@nifty.com
 Homepage:https://toyama-ssk.com/
(発行責任者)
 会長  塘添 誠次


 上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。

【ゆきしろ(雪代)の意味】

 雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
 当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。



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【ゆきしろ86号 目次】


《巻頭言》
◆障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行

会長 塘添 誠次

《大会参加報告》
◆第49回北信越グランドソフトボール大会

厚生部部長 池田 一義

◆社会福祉法人日本視覚障害者団体連合第75回全国視覚障害者福祉大会〈名古屋大会〉

会長 塘添 誠次

◆第68回全国視覚障害女性研修大会・福島県大会

女性部部長 延野 悦子

◆第68回全国視覚障害青年研修大会・福岡大会

青年部部長 濱野 昌幸

《事業報告》
◆理事会・定時評議員会・定期会員総会

総務部部長 佐生 秀一

◆ボランティアと利用者交流会

施設部部長 濱野 昌幸

◆センタークリーン作戦

施設部部長 濱野 昌幸

◆第71回点字競技会・第23回パソコン競技会

文化部部長 柳田 信子

◆令和4年度宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会」

厚生部部長 池田 一義

◆第46回視覚障害者文化祭・福祉機器展

文化部部長 柳田 信子

◆利便性委員会お知らせ 第22回~第24回
利便性委員会委員長 濱野 昌幸

《みんなの広場》
◆北信越グランドソフトボール大会

4番、サード 柳井 勇二

◆全国名古屋大会旅行団に参加

富山支部 日吾 典子

《事務局から》
◆消息

◆受賞

◆時事暦

◆令和4年度後期の主な行事予定

《編集後記》

文化部部長 柳田 信子



【資料】
◆障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律



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《巻頭言》
◆障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行

会長 塘添 誠次(とうぞえ せいじ)

 障害者が日常生活や災害時に必要な情報を健常者と同じように得られるよう支援し、格差の解消を目指す「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」が、令和4年5月19日に衆議院本会議において全会一致で成立し、5月25日に公布・施行されました。

59ページ【資料】参照)

 これは、視聴覚に障害があり、情報障害を有する当事者の4団体(全日本ろうあ連盟、日本視覚障害者団体連合、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全国盲ろう者協会)が要望し、12年間の運動の成果が実り、実現したものです。

 情報・コミュニケーションは、私たちの尊厳や人権が保障され、私たちが社会参加をするために欠かせない権利です。

 情報の8割は視覚から得られると言われており、視覚障害者にとって、情報保障はあらゆる分野において重要なテーマであり、永久の課題であります。

 日常生活における移動、買い物、通院、娯楽等のいかなる場面においても情報保障が必要であり、教育、就労、文化芸術活動、スポーツ等の社会参加においても情報保障は必須のものであります。

 この法律の制定に向けて、日視連は令和元年12月5日に「視覚障害者が希望する媒体(点字版、音声版、拡大文字版、テキストデータ版)での情報提供が実施されること」「視覚障害者向け選挙公報の実現」「テロップの同時読み上げ、並びに解説放送の拡充」「テレビ放送において緊急時に流されるテロップの同時読み上げ、解説放送の拡充、報道番組での外国語でのコメントに対する吹き替えやそのテロップの読み上げ」「様々な場面で視覚障害者のニーズに応じた代筆・代読支援の拡充」などを要望していました。

 これまでも、障害者に関する法律やその施策の中で、意思疎通支援について触れられてきていますが、単独で「情報アクセシビリティ」を取り上げる法律ができたことは、私たちの情報・コミュニケーションを豊かにしていくための大きな一歩となります。

 この法律の第1条(目的)には「障害者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策を総合的に推進し、共生社会の実現に資する」と示され、様々な法律や制度において障害者の情報保障等を進めることを規定しています。

 つまり、この法律により、今後、テレビに関する法律の中で障害者の情報入手を促す内容が追加されて、字幕の読み上げや読みやすさの向上が実現する可能性があります。

 また新たに設けられた第10条「法制上・財政上の措置等」を根拠に、すべての障害者に対する情報アクセス権の保障が前進し、各種政策やあらゆる場面での合理的配慮に結びつくことが期待されます。

 今回の法律では、私たちが情報を「受け取る」だけでなく「発信する」際も、自分がその手段を選択できることや、誰もが同一内容の情報を同一時点において情報を取得できるようにすることが基本理念に据えられました。

 社会が考える「障害者の状況に合わせた情報の提供」だけでなく、情報取得や利用の手段においても、障害当事者の望む形を保障することが必要であり、これらが担保されてはじめて「アクセシビリティコミュニケーション」という人権が行使できるのだ、と改めて明記されました。

 また、国や地方公共団体の責務にとどまらず、事業者の責務(努力義務)や国民の責務、国・地方公共団体・事業者等の相互の連携協力や、当事者等の意見の尊重も明示されたことで、アクセシビリティ保障やバリアフリー対応は、障害当事者の努力や歩み寄りではなく、社会にその対応責任があることをはっきりと示していただきました。

 法案は、障害の種類にかかわらず必要な情報を得られるよう国や自治体は施策を定め、実施する責務があると規定されており、具体的には、

① 情報伝達機器やサービスの開発に対する助成

② 防災・防犯情報を迅速、確実に得られる設備や機器の設置

③ 多様な手段で緊急通報ができるような仕組みの整備

④ 手話通訳など意思疎通支援者の確保や養成

といった取り組みを求めています。

 この法律はいわゆる理念法なので、障害者に対する情報保障や意思疎通を進捗させるための考え方が示されたものです。そのため、この法律によって示された理念を具体的な政策や立法等に結びつけることが必要となってきます。

 私たちは、この法律によって様々な場面において情報保障が実現し、QOL(生活の質)が向上することを期待したいと思います。




《大会参加報告》
◆第49回北信越グランドソフトボール大会

厚生部部長 池田 一義(いけだ かずよし)

 第49回北信越グランドソフトボール大会兼第22回全国障害者スポーツ大会グランドソフトボール競技北信越地区予選は、令和4年5月29日(日)新潟県上越市今泉スポーツ広場多目的広場において、快晴、気温31度、真夏日のもと行われた。

 今年の大会はコロナ禍ということもあり、石川県、長野県、福井県が不参加となり、新潟県と富山県の2チームだけでいきなり決勝戦ということになりました。

 10時より開会式があり、新潟県の木村理事長が挨拶され、コロナ禍で3年ぶりに大会が開催出来ることを喜んでおられました。

 開会式の後、代表者会議があり、感染防止対策として試合中はマスクなし、ベンチではマスクを着けること。試合時間は1時間30分にすることなどが決まりました。

 試合はジャンケンで勝った富山県が先攻で始まり、1回表、新潟県の横田投手がストライクが入らず、四球が続いた後ヒットが出て2点を先制した。1回裏は富山県の飛田投手が素晴らしい立ち上がりを見せ、三者凡退に退けた。

 富山県チームは2回から最終回の5回まで打線がつながり、得点を重ねて合計10点を取りました。

 一方新潟県チームは、飛田投手の出来が素晴らしいので、ヒットは出るもののつながらずに得点できず、最終回の5回裏も飛田投手の投球がさえて三者凡退に退け、無四球で完封勝利。10対0で富山県チームが勝ち優勝しました。

 久しぶりの試合でしたが楽しかったです。また、静かで大変広いグラウンドでやりやすかったです。大会の開催、運営をしていただいた新潟県の関係者の皆さん、本当にありがとうございました。お疲れさまでした。



◆社会福祉法人日本視覚障害者団体連合
 第75回全国視覚障害者福祉大会〈名古屋大会〉

会長 塘添 誠次

 令和4年5月31日(火)・6月1日(水)、ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋において、「全国各地から視覚障害当事者・家族・関係者が一堂に会し、福祉・職業など私たちを取り巻く諸問題について討議し、視覚障害者の自立と社会参加の促進を図る」ことを目的として開催されました。

 今回は、新型コロナウイルス感染症による社会への影響を考慮し、感染拡大防止の対策を図った上で、会場参加とオンライン参加を併用したハイブリッド方式で、団体会員及び関係者約1000名が参集し開催されました。

 5月31日はシンポジウムと令和4年度第1回全国団体長会議、6月1日は第75回全国視覚障害者福祉大会が行われました(シンポジウムと全国大会はYouTubeでも配信)。以下にその内容を記載します。

1 シンポジウム

 「未来に向けてのメッセージ~多様性ある社会を目指して~」のテーマで、ファシリテーターを名古屋市視覚障害者協会星野研究部長が務め、青年協議会より日視連青年協議会片平会長ほか2名、女性協議会より日視連女性協議会阿部会長ほか3名が登壇しました。

 青年協議会は「地域の当事者団体で青年層が活躍するために、今できること~全国青年部活動実態調査から持続可能な当事者団体活動を考える~」をタイトルに発表がありました。

 まず、片平会長より令和2年度に行ったアンケートの内容に基づき全国の青年部活動の実情について報告がなされた後、次世代リーダーの発掘育成や働き盛りの青年が活動しやすいシステムづくり、またそれに関連し、日視連の協議会を時代に即して再編することについて提言がありました。

 次に、地域での青年部活動の活性化の参考として愛知県内や東海ブロックでの取り組み事例が発表され、同じ年代同士の交流や会員増加、オンラインなどを用いた情報発信の重要性について意見が述べられました。

 女性協議会は「明日を生きる視覚障害女性の思い~子育て、親の介護、老いていく自分を見つめて~」をタイトルに発表がありました。登壇者からそれぞれ、子育てや病院、買い物、投票、防犯対策等の日常生活における女性視覚障害者としての困難について問題が提起され、女性の相談員を置くなど女性ならではの相談ができる場の提供や防犯対策について訓練や対策グッズ等、意見が述べられました。

 両協議会の発表を踏まえた意見交換の後、総括で竹下会長は「女性や青年層を巻き込んだ地域団体づくり・運動づくり、会員募集や会員・非会員を問わない行事の組み立てを加盟団体とともに検討し、地域団体の消滅は日視連にとっても危機的な問題であることを肝に銘じて、今後の日視連運動を組み立てていきたい」と、決意表明にしてまとめられました。

 最後に、共同アピールを両協議会会長が読み上げ、名古屋大会が参加しやすい組織づくり推進の契機となることを願い、シンポジウムを締めくくられました。

2 全国団体長会議

 令和4年度の運動方針(案)及び団体提出議案について議論が行われました。

 令和4年度運動方針(案)については、8項目に整理された中から、竹下会長は、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策に関する法律の成立など社会の動きが急速である」「代筆・代読支援の必要性」「ホームドア設置の促進や無人駅対策」「雇用と福祉の連携による重度障害者等就労支援特別事業の拡大(あはき就労での活用を含む)」「理療科教育における生徒減等の厳しい現状」等について説明がありました。

 これに対し出席者からは、「自治体の福祉担当者の理解不十分」「ICTにおけるセキュリティ強化にともなう視覚障害者のアクセシビリティ低下」「あはき国家試験不合格者の課題」「療養費の支給に関連する保険医の同意書」についての意見が出されました。

 それらに対し竹下会長は、「自治体に対し福祉制度等に関して周知・徹底するよう国に求めること」「デジタル化において誰一人取り残されないよう引き続き中央省庁等に要望を伝えていくこと」「あはき試験不合格者対策として何が有効かを検討する必要があること」「同意書が得やすくなるよう考える必要がある」と述べられました。

 団体提出議案については、通常はこの全国大会の時に討議されていたのですが、4月にオンラインで行われた内容を報告する形で行われました。

 生活分科会では44項目、バリアフリー分科会では47項目、職業分科会では26項目、合計127項目が採択されています。

 以下は、富山県から提出し、採択された内容です。

① 公共交通機関の利用が不便な地域において、同行援護従業者の車の利用を認め、移動・待機時間を報酬算定の対象に加えること。

② テレビ放送において、緊急放送やニュース速報の字幕の音声化、放送中のテロップ等の音声化、外国語字幕の音声化または日本語への吹き替えをすること。また字幕やテロップについては、弱視者に配慮した表示自体の拡大と時間の延長を行うこと。

③ 受領委任制度における鍼灸マッサージの同意書は、撤廃を含む見直しを行うこと。

3 第75回全国視覚障害者福祉大会

 “進めよう、視覚障害者のICT利用”

 “実現しよう、視覚障害者の安心・安全な移動”

 “改革しよう、視覚障害教育”

 “広めよう、重度障害者等就労支援特別事業”

の4本のスローガンを掲げ、日本視覚障害者団体連合第75回全国視覚障害者福祉大会が開催されました。

 第1部の大会式典では、名古屋市視覚障害者協会田中会長が地元主催者団体を代表して歓迎の挨拶を述べられた後、竹下会長は主催者挨拶で、「新型コロナ感染症対策のため来場者を制限しながらもオンラインによる視聴を加えて多くの会員の参加を得て2日間にわたり開催できることの意義は大きいこと、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策に関する法律の制定等、社会の動きが急速な中で、青年あるいは女性の視点を踏まえつつ、会としての取り組みを進める必要があること、そのためには会員間での情報共有やコンセンサスの形成が重要であり、この全国大会がそうした場として今年度の活動の起点になる」と述べられました。

 その後、日視連顕彰表彰式が行われ、その中で当協会の堀惠一副会長が「礎賞」を受賞されました。おめでとうございます。

 第2部の大会議事では、令和3年度決議処理報告(案)、令和4年度運動方針(案)を執行部の原案通り全会一致で可決、続いて宣言(案)・決議(案)も全会一致で採択されました。以下は、その決議内容です。

 1.デジタル化の進展においては、視覚障害者にとって使いやすいICT機器やシステムを開発し普及させることを要望する。

 2.障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の制定を踏まえ、あらゆる生活の分野で視覚障害者への情報保障をさらに進めることを要望する。

 3.鉄道施設を視覚障害者が安全安心に利用するために、「駅のホームドア」や「踏切を確実に渡るための設備」等のハード面の安全対策を都心部だけでなく地方にも普及させるとともに、声かけ等のソフト面の支援も広めることを要望する。

 4.視覚障害者が道路を安全安心に移動するために、視覚障害者用誘導ブロックの連続的な敷設と統一された音響式信号機の設置を推進し、高度化PICSに対応する信号システムを設置する場合は全ての視覚障害者が使いやすいものにすることを要望する。

 5.あはきの魅力を次世代の視覚障害者に伝え、技術力の高い視覚障害あはき師を養成するために、視覚特別支援学校及び盲学校における理療科教育の改革を要望する。

 6.インクルーシブ教育を受ける視覚障害児・者の十分な教育機会を保障するために、ニーズに沿った支援体制の確立と支援機器やシステムの普及を要望する。

 7.中途や高齢の者を中心とした全ての視覚障害者が自立した社会生活を送るために、「視覚障害者の地域におけるリハビリテーション・システム」を全国で普及させることを要望する。

 8.視覚障害あはき師等が職業的自立を図りながら活躍するために、全国の自治体において重度障害者等就労支援特別事業を開始することを要望する。

 9.就労する視覚障害者が力を最大限発揮できる環境を作るために、職業訓練や支援機器の充実、職場介助者の利用等の視覚障害者向け雇用支援の拡大を要望する。

 10.新型コロナウイルスに感染した視覚障害者が入院、ホテル療養、自宅療養をする際に、適切な情報提供や支援が受けられるよう要望する。

 11.様々な災害から視覚障害者の安全を守るために、自治体の防災対策や取り組みに視覚障害者のニーズを反映させ、個別支援計画の作成や避難所における視覚障害者対応の充実を要望する。

 12.文化・芸術活動やスポーツ活動を通して社会参加し自己実現を図るために、視覚障害者の取り組みを社会に周知するとともに、支援者や会場の確保を要望する。

 2年続けて日視連の全国大会が中止やオンラインでの開催となり、3年ぶりの旅行団を結成し参加しました。来年は5月21日(日)から22日(月)に奈良県橿原市で開催される予定です。旅行団を結成し、観光も計画しますので、日視連大会の雰囲気を味わうとともに、土地の風に触れる旅に参加しましょう。多数の参加をお願いします。




◆第68回全国視覚障害女性研修大会・福島県大会

女性部部長 延野 悦子(のべの えつこ)

 第68回全国視覚障害女性研修大会(北海道・東北ブロック福島県大会)は「コラッセふくしま」を会場にして令和4年8月31日(水)9時30分から17時まで行われました。

 この夏の猛暑と日本各地に被害をもたらした大雨に女性大会の開催を心配していた矢先、日本中を新型コロナウイルス感染症の第7波が襲い掛かりました。

 やむなく会議と大会を8月31日だけの一日に短縮して、リモート会議(ZoomとYouTubeを使ってハイブリッド方式)で開催されました。

 午前の全国代表者会議の審議では、来年の役員改選について3名の役員を決め、また他の議事全てが承認されました。

 昼食時には講師・鶴賀イチ先生の講演がYouTubeで配信されて、昼食をとりながら聞きました。

 午後は「災害を乗り越えて、今、伝えたい事~震災、豪雨、コロナ禍」というテーマで、6人のリポート発表が行われ、竹下会長と中村前点字図書館館長の助言をいただき、活発な意見交換が行われました。その後、第68回大会決議では審議後に11項目の決議が採択、承認されました。

 最後の閉会式では、令和5年8月30日・31日に神奈川県藤沢市で行われる予定の第69回全国視覚障害女性研修大会関東ブロック神奈川大会について、代表者から歓迎の挨拶があり、大会が無事終了しました。

 以下に採択された決議を記します。

① 食品の賞味期限・消費期限の記載は、視覚障害者にもわかりやすいように、文字を大きくすることを要望する

② スーパーマーケットなどでは有人レジの台数を増やすことを要望する

③ セルフレジのカードやお札の投入口などの表示を拡大文字にすること、またはっきりとわかりやすい音声案内をつけることを要望する

④ テレビ放送におけるニュース速報の音声化と外国語の日本語吹き替え、字幕の文字拡大と時間延長を要望する

⑤ 全国どこでも確実に代筆支援が受けられるよう要望する

⑥ 視覚障害者が操作しやすいスマートフォンなどの情報端末を開発すること及び全国の自治体において研修やサポート体制を充実することを要望する

⑦ 視覚障害者にも使いやすいセルフレジ、キャッシュレス端末機器及びATM等の普及を国から民間企業等に働きかけることを要望する

⑧ 子育て支援を地域格差なく受けられるよう要望する

⑨ 視覚障害女性が犯罪から自分の身を守るためのツールを開発し、日常生活用具給付品目として追加するよう要望する

⑩ 災害時の情報伝達・避難・誘導・避難所生活等に関し、視覚障害者のための具体的な方策を要望する

⑪ 最低限の文化的生活を保障するために障害基礎年金の増額を要望する。




◆第68回全国視覚障害青年研修大会・福岡大会

青年部部長 濱野 昌幸(はまの まさゆき)

 9月18日・19日の両日、全国視覚障害青年研修大会がオンラインとのハイブリッド方式で開催されました。今回は代表者会議にのみオンラインで参加しました。

 青年協議会執行部では現在、若い世代(45歳以下)を中心にした青年協議会を目指しています。会の運営や方向性や事業の検討・実施を若い世代で行うことで年齢層の若返りをする。そして、若い世代が参加しやすい会を目指しています。大変すばらしい考えと思います。若い会員が少ない、というよりほぼいない富山県視覚障害者協会としても若い人の入会は大問題です。

 そこで46歳の私は代表者会議以外の研修会や情報交換会を遠慮しました。富山県には私より若い青年部員はいませんので、誰にも勧めませんでした。結果、青年協議会長から「なぜでてこない」とお叱りを受けました。

 「えーっ?」 富山には45歳以上しかいないから遠慮したのに。

 では、何を遠慮したらいいのか、会費はその分、安くしてもらえるのかと尋ねてみました。協議会長からは「批判するなら意見を出しなさい」とさらにお叱りを受けてしまいました。

 「えーっ?」  わからんことを聞いただけなのに。

 まぁ、協議会長はまだまだ若い方ですから血気盛んなんだろうと納得することにしました。私ももっと若いころは自分と考えの違う人のことを「わかろうとしていない」などと生意気にも批判していたものです。

 さて、ここまでは私の愚痴のようなものでしたが、ここからはほんの少しだけ代表者会議のお話です。結論から言うと、この45歳制限に絡む規約の改正も活動目標も承認されることなく、時間切れで閉会してしまいました。

 今後、継続して検討ということになりますが、私としては若い世代のことを若い世代だけで考えたいというのは大いに結構かと思います。ただし、やりたいことだけでなく、面倒くさいことも、やりたくないこともちゃんとやって、周りの人たちを納得させることは、とても難しいことですが、頑張っていただきたいと思います。

 最後に富山県視覚障害者協会青年部は若い人を365日、大募集しています。とても困っています。どなたかお知り合いがいらっしゃったらご紹介ください。




《事業報告》
◆理事会・定時評議員会・定期会員総会

総務部部長 佐生 秀一(さそう ひでかず)

1.令和4年度第1回理事会

 令和4年5月26日(木)午後2時からライトセンター研修室において、理事10名・監事1名の出席により、令和4年度第1回理事会が開かれました。

 第1号議案・令和3年度事業報告について事務局から報告。ほとんどの行事はコロナ禍のため中止となったが、Zoomでのオンライン会議が増え、参加人数を減らして行事も徐々に実施されるようになってきているようです。質疑の後、議長以外全員の挙手で承認されました。

 第2号議案・令和3年度決算報告について事務局から報告。本部会計、施設会計、特別会計について説明されました。大口の寄付により黒字決算になったとの事です。

 次いで監事より監査報告があり、質疑の後、議長以外全員の挙手で承認されました。

 続いて第3号議案・評議員会の開催について、会長から提案がされ、6月12日(日)に開催する事を決定。

 第4号議案・顧問の選任について、会長から県内全般からという提案があり、新しく2名の衆議院議員に協会の顧問就任をお願いする事を全員の挙手で承認し、理事会を終了しました。

2.令和4年度定時評議員会

 6月12日(日)午前10時からライトセンター研修室において、評議員15名の出席を得て、令和4年度定時評議員会が開催されました。

 先に同席の理事が紹介された後、議長に富山支部の柳井評議員、副議長に下新川支部の舟川評議員を選出して議事が進められました。

 第1号議案・令和3年度事業報告について事務局から報告がされ、質疑の後、全員の挙手で承認。

 第2号議案・令和3年度決算報告が事務局から報告された後、監査報告があり、質疑の後、全員の挙手で承認されました。

 第3号議案・顧問を新しく追加する件について審議され、挙手多数により承認された後、評議員会を終了しました。

3.令和4年度定期会員総会

 6月12日(日)午後1時から定期会員総会が開かれました。昨年はコロナ禍のため来賓出席はご遠慮いただきましたが、今年は3密にならないよう、会場をセンターの研修室とロビーを使い、来賓の参議院議員野上浩太郎様、衆議院議員田畑裕明様(代理)、富山県厚生部部長木内哲平様(代理)、富山県社会福祉協議会会長新田八朗様(代理)、富山県身体障害者団体協議会会長布尾英二様に出席いただいての開催になりました。

 午後1時から全員起立して物故会員の方への黙祷を行なった後、来賓の方々から祝辞をいただきました。

 塘添会長の挨拶及び報告の中では、県への要望について来賓の方々にも協力をお願いした事、日視連からウクライナの視覚障害者への支援募金とそうめん購入の協力のお願い、多額の寄付をされた方の紹介などがありました。

 その後休憩を挟んで議事に入り、第1号議案・令和3年度事業報告、第2号議案・令和3年度決算報告、監査報告の後、拍手多数で承認されました。

 第3号議案・令和4年度事業計画案、第4号議案・令和4年度予算案についても拍手多数で承認され、3時30分に総会を終了しました。




◆ボランティアと利用者交流会

施設部部長 濱野 昌幸

 7月3日、今年もボランティアと利用者交流会を開催することができました。昨年同様に点訳・音訳に分かれて、ボランティア側と利用者側から質問や課題についての話し合いがされました。

 点訳グループは利用者8人・ボランティア7人(3グループ)。音訳グループには利用者6人・ボランティア12人(6グループ)の参加でした。

 点訳・音訳共に利用者がどんな本を希望しているのかとの質問があり、利用者からは郷土色の豊かな地元新聞の特集や雑誌を希望するとのことでしたが、小説などの長編のものについては個々人の趣味が様々で「とりあえずベストセラー」とか「話題作ならなんでも」といった結論でした。

 また、広報などのように定期的に発行される読み物の利用者を増やしたいとの意見も多く出されました。これには協会が点訳・音訳されているコンテンツを整理して会員にフィードバックするように準備を進めたいと思っています。

 その他にもボランティア・利用者双方から様々な意見や思いが出され、実のある時間になりました。今年もボランティアさん達とお出掛けを楽しむことはできませんでしたが、これはこれでじっくりと読書バリアフリーを具体的に考える大切な時間になったと思います。



◆センタークリーン作戦

施設部部長 濱野 昌幸

 7月24日、コロナウイルス感染拡大後初となるセンタークリーン作戦を3年ぶりに行うことができました。今回の参加者は17名と以前に比べるとやや少数精鋭にはなってしまいましたが、センター職員と協会会員が共同作業として汗を流すことが、今の時代にはとても意義深いと感じました。

 センタークリーン作戦は単なる大掃除ではなく、センター職員(視覚障害者に理解の深い健常者)と協会会員(視覚障害者)が双方を知り、知らせる機会としても企画されています。

 約2時間の清掃作業で床・窓・手すり・畳・トイレ・蛍光灯・エアコンまでがきれいになり、ライトセンター全体が明るくなったように感じました(気分的に)。

 きれいになったことは副産物としても、自身がいつも利用させてもらっているライトセンターはいつまでも大切に使わせていただきたいものです。



◆第71回点字競技会・第23回パソコン競技会

文化部部長 柳田 信子(やなぎだ のぶこ)

 8月21日、点字・パソコン競技会を行いました。残暑の厳しい中、点字競技会に12名、パソコン競技会に7名の会員の皆さんが参加されました。

 まず最初に昨年度の優勝杯を返還し、大会長の塘添会長の挨拶があり、続いて審査員の先生方の紹介とオリエンテーションを事務局の方から言ってもらいました。

 続いて審査員の土田先生から、競技会についての注意事項を説明されました。しばらくして、競技に入りました。

 例年通り、記憶書き、聞き書き、写し書き、速読みの4種目で行われました。

 「始め」の合図で、点筆の音が響きわたりました。皆さんの後には続いていけず、自分なりのやりかたで書きました。結果は、!?

 今年の問題はいつもより難しいと思っていましたが、自分が1年前より打てるようになったのか分かりませんが、少しだけ多く打つことと読むことが出来ました。

 視覚障害者は、やっぱり点字を読んだり打ったりすることが大切だと思っております。ありがとうございました。

 続いて、パソコン競技会が行われました。朗読文の聞き書き、短文聞き書きの2種目で競技が行われました。

 色々な語句や言葉などを最後まで聞いてから書かなければなりません。同じ発音の語句を異なった漢字で書く競技です。とても難しい競技だと思っています。これで競技会は終了しました。ありがとうございました。

 午後1時から塘添会長さんによる、点字表記に関する決まり事や点字に関する色々な講義をしていただきました。ありがとうございました。

 成績は以下の通りです。

第71回富山県点字競技会

・団体の部

 1位 射水市チーム 2位 富山市チーム 3位 高岡市チーム

・個人総合の部

 1位 松波律子(まつなみ りつこ)(高岡市)

・一般の部個人総合

 1位 松波律子(高岡市)

 2位 鈴木修博(すずき しゅうはく)(射水市)

 3位 佐生真理(さそう まり)(魚津市)

・中途失明者の部 個人総合

 1位 塘添誠次(とうぞえ せいじ)(射水市)

 2位 谷内幸子(たにうち さちこ)(富山市)

 3位 本江とみ子(ほんごう とみこ)(射水市)

・田島杯

 安達 実(あだち みのる)(富山市)

第23回パソコン競技会(携帯電話も含む)

 1位 田口明美(たぐち あけみ)(高岡市)

 2位 川口勇人(かわぐち はやと)(高岡市)

 3位 屋敷誠司(やしき せいじ)(氷見市)

 受賞者のみなさん、おめでとうございました。




◆令和4年度宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会」

厚生部部長 池田 一義

 令和4年度の県協会主催の宿泊研修(家族激励大会・歩行訓練・研修会)は富山市の担当で、9月10日(土)・11日(日)の二日間で開催されました。

 一日目10日(土)は、富山市は市の福祉バス、高岡、射水方面は呉羽ハイツのバスで送迎していただき、午後1時30分ごろに呉羽ハイツに到着しました。

 午後2時より家族激励大会が行われました。コロナ禍であるため参加者が30名ほどで、例年の半分ほどでした。

 はじめに山内副会長の開会宣言、続いて塘添会長の挨拶があり、今回は3年ぶりに開催出来て嬉しいとのことでした。

 続いて堀支部長の歓迎の言葉、激励電報披露があり、コロナ禍で来賓の皆様には参加をご遠慮していただいたため、ここで閉会となりました。

 歩行訓練は15時に玄関前に集合し、バス2台に分乗して出発点である市民芸術創造センター駐車場まで移動してバスを降り、目的地の呉羽駅の近くにある、姉倉比売(あねくらひめ)神社(越中の古代史をいろどる神話の宮)まで、往復約2㎞を歩行訓練しました。

 神社には数十段の階段があり、足の弱い方たちは手を引いて貰いながら歩いておられました。皆さん無事に完歩され、バスに乗り呉羽ハイツに戻ってきました。

 大浴場で汗を流したあと、18時30分より1階「黎明」にて懇親会が行われました。広々とした会場で座席はあらかじめ決めてあり、円テーブルに4人ずつ間隔を置いて座りました。

 はじめに塘添会長の挨拶、安田副会長の乾杯の音頭で懇親会がはじまりました。残念ながら、カラオケや余興が出来ないのが少し残念でした。

 はじまってまもなくサプライズがあり、山内副会長さんからの心づかいで、10日(土)が中秋の名月と言うことで、満月とススキのきれいな写真と月見の団子が皆さんに配られました。

 美味しい料理、飲み物をおなか一杯頂き少し時間があまりましたが、堀副会長の万歳三唱で閉会となりました。後は各自部屋に戻り、自由に過ごされました。

 11日(日)10時から講演会があり、演題「『呉羽山丘陵の魅力について』~住民から見た呉羽山丘陵~」と題して、講師の呉羽山観光協会副会長・山口五十一(やまぐち いそかず)先生をお招きして開催されました。

 スライド写真など使われ、呉羽山丘陵の歴史、名称、旧跡、神社、仏閣などの魅力について詳しく説明されました。終わりに、令和5年秋に「夢の架け橋」が完成すると言う話があり、橋を渡ってまた呉羽山丘陵を散策してみたいと思いました。

 最後に堀支部長がお礼の言葉を述べて、閉会となりました。12時より1階レストランで昼食を頂き、解散となりました。

 来年度の家族激励大会は、支部のない砺波市で開催されることになりました。来年こそはコロナがおさまっていることを願い、多数の皆さんの参加をお待ちしています。

 参加された皆さん、センターの職員の皆様、ありがとうございました。お疲れさまでした。



◆第46回視覚障害者文化祭・福祉機器展

文化部部長 柳田 信子

 さわやかな秋空の中、久々の文化祭が行われました。今回は午後から始まり、塘添会長さんの挨拶の後、午後1時から生きがい教室が行われました。

 まず最初にコーラス部の皆さんです。コロナのため、前もって録音しておられたCDを使って、部長の田口さんが説明をしておられました。

 ハーモニーもとてもすばらしくプロの様な声だと思いました。録音するときには、市民芸術創造センターの方にお世話になったことも話しておられました。

 続いて民謡部の皆さんです。文化祭が始まる前から、三味線の先生からいろいろと指導を受けておられました。民謡部は、部員は三人でしたが、それでも真剣さが浮き出ていてすばらしかったと思います。

 その後、2階のお茶席に行きました。女性部の時に教えていただいた飯野宣子先生に久しぶりにお会いしてとってもうれしかったです。

 次に盲人控室へ行き、AIスピーカー、音声体温計などが展示されてありました。AIスピーカーは、私がそれに向かって「アレクサ」と言っていろいろと問いかけると、答えがかえってきました。そのほかいろんな質問をしたり、話しかけると反応してくれました。

 研修室ではカラオケが始まっており、皆さんが自慢の歌を時間あるかぎり次々に歌っておられました。3時には文化祭は終了しました。

 多くのボランティアの皆さん、会員の皆さん、ありがとうございました。




◆利便性委員会お知らせ

利便性委員会委員長 濱野 昌幸

◎第22回 あいの風とやま鉄道の障害者割引ルール(続報)

     (2022年6月9日)

 今回はあいの風とやま鉄道の障害者割引についての続報です。あいの風とやま鉄道様にお伺いして正式なルールを明確にしました。

 「以前はこうだった」などのご経験をお持ちの方も多いと思いますが、こちらが確定版になりますので、以前の経験ではなく、こちらを優先してください。先方にも駅ごと・職員ごとの違いがないようにお願いしてあります。

1.通常

 駅の窓口で障害者手帳(ミライロIDも可)を提示して障害者割引切符を購入して乗車します。検札を受けることもありますので、障害者手帳は所持していてください。(この場合のミライロIDは不可)

 切符は1か月先まで購入できるので、あらかじめ買っておくこともできます。また、定期券や回数券にも障害者割引は適応されます。

2.例外

 無人駅から乗車する際は切符を購入せず、降車駅の有人改札で乗車駅を申告して精算してください。また、降車駅も無人駅だったり、有人駅でも職員が不在だったりした場合は運賃箱にお金を入れてください。介助者が同伴しているなどで自動券売機が使える状況でもこのルールに従ってください。

3.運賃箱とは

 運賃箱は「集札箱」あるいは「着札箱」と表記されていることもある大きな箱で、主に無人駅などで降車した後に使用した切符を納めるところです。切符もお金もここに入れます。置いてある場所は駅によって統一性はありません。

 有人駅でも改札に職員がおられない場合があるので、運賃箱は必ずあります。たいていはICカードをタッチする機械の近くにあります。

 古い駅では改札付近の壁に張り付いていることが多く、新しい駅では出入り口付近の通路の真ん中に立っています。運賃箱はその大きさの割に切符やお金を入れる口はそれほど広くないのでご注意ください。

4.路線外

 あいの風とやま鉄道以外、IRいしかわ鉄道や越後トキメキ鉄道のように旧JR北陸本線の駅へ行く場合も、上記の1~3のルールは適応されます。

 ただし、高山線や氷見線のように現JR西日本の駅は障害者割引のルールが全く違いますので改めてご確認ください。

5.その他、大事なこと

 ① 障害者手帳は必ず所持していてください。

 ② 小人切符で代用しないでください。

 ③ 降車駅の運賃箱の場所は知っていると便利です。

 ④ 小銭の準備はあった方がいいです。

 最後になりますが、障害者割引はあいの風とやま鉄道様が提供しているサービスのひとつです。必ず上記のルールを守ってください。何かの理由で守れない項目がある場合はこのサービスを受けず、普通運賃でご利用ください。

◎第23回 拡大鏡(デジタル)と単眼鏡(アナログ)

     (2022年9月5日)

 今回は拡大鏡と単眼鏡のお話です。私はかなり視力の悪い弱視ですので、手元の文字を読むにしろ、遠くの文字を読むにしろ、アイフォンの拡大鏡機能を多用しています。とても便利です。

 近年、ポータブルタイプの拡大読書器も多数販売されていますが、たいていのことはアイフォンでできる上に画像の保存やSNSでの共有も便利です。また、荷物にならないことが助かります。さらに街中で使用する際も単眼鏡のように一般人の持たないアイテムを使用するわけでもないので、自然に使うことができます。

 アイフォンの拡大鏡のメリットをまとめてみます。

 1.いつも身に付けているので、いつでも使える。

 2.遠距離から近距離までオールレンジで使える。

 3.暗いところでも使える。

 4.外出先で一般の人達の中でも比較的自然に使える。

 5.荷物を少なく抑えられる。

 6.撮影して画像の保存ができる。

 7.SNSで共有しやすい。

 さて、このようにメリット満載ですが、欠点も2つあります。

 1.アイフォンのバッテリーに負担がかかる。

 2.場面によっては盗撮を疑われる。

 最近のアイフォンではいろいろなことができます。電話をかけて、デイジーを読んで、音楽を聴いて、地図を見て、ネットを調べて、などなど。バッテリー容量も年々増えていますが、あれやこれや使っていればいずれバッテリー切れになり、上記の全てができなくなってしまいます。

 また、コンサート会場や美術館など撮影禁止の場面で使えば盗撮を疑われてしまいます。

 ここで登場するのが単眼鏡です。単眼鏡は、昔は弱視者の必須アイテムでした。ただ、近距離で使えない、視野が狭い、高倍率ほど暗くなるなどの理由から使い勝手はあまりよくない、そう思い込んでいました。

 先日、コンサートに行って、単眼鏡を家に忘れたことに気づき、近くの家電量販店で新しいものを買いました。店内で単眼鏡コーナーを見てビックリです。高倍率で明るい。軽くてオシャレ。道具は時代と共に進化することを実感しました。

 中でも特に気に入ったものをご紹介します。

 ケンコー、ウルトラビューシリーズ(価格はメーカー通販より)

  ブルー、7~21倍、3781円

  ホワイト、10~30倍、5380円

  レッド、15~50倍、7580円

 ボディーカラーは倍率ごとに異なります。私はホワイトを購入しましたが、30倍でも数万人規模の会場で十分でした。明るさも十分で、少し慣れれば見たいところをじっくり見ることができました。

 これ以上の倍率にすれば、アーティストの表情まで確認できると思いますが、一脚を使うなどの手振れ軽減の対策が必要になります。

 ちなみにアイフォンの拡大鏡は15倍までです。仮に30倍ズームができたとしてもデジタルズームでは画像が暗い上に粗く、さらに固定性が悪くなるので手振れがひどくて見られたものではなくなるはずです。

 便利な道具も場面ごとで使いようですね。

◎第24回 ロボタクシー

     (2022年9月8日)

 今回はロボタクシーのお話です。

 自動車の自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)は自家用車に普通に搭載されています。これをさらに進化させた自動運転は、技術的には可能で実証実験の段階にあります。

 近年の自動運転の進化にはめざましいものがありますね。富山でも自動運転可能な小型電動バスが富山駅北を走っていたことがあります。

 我々視覚障害者の越えられない大きなハードルだった「車の運転」があと一歩で手が届くところまで近付いてきたとは言えないでしょうか。私は先天性の視覚障害ですから、幼い頃、テレビで見たアメリカのドラマ「ナイトライダー」の時代がいつか来ることを夢に見ていました。

 さて、そんな自動運転の車をタクシーとして使った「ロボタクシー」がアメリカで実証実験を終え実用化されたそうです。これはスマートフォンのアプリなどで配車を依頼すると無人のタクシーが指定した場所へ迎えに来ます。お客さんが乗車すると目的地へ運んでくれます。

 運転手がいないだけで普通のタクシーと変わりないようです。目的地の変更などは車内からコントロールセンターに電話することで対応しているそうです。

 これまで運転をアシストしてくれる機能はいろいろと実用化されていましたが、アシストということで運転手は必要でした。完全に無人の車内に自分だけが乗って道路を走るのは少し怖い気もします。安全性が信用できるのかは気になるところです。

 今回はアメリカで実用化されたというお話でしたが、中国でも実証実験は進んでいて来年には実用化されるそうです。中国車の場合、1台のお値段は490万円。ただし、システムの使用料などは別。

 私の幼い頃の夢、愛車に向かって「キット、トーカマートまでやってくれ」と言える日はすぐ近くまで来ているのかもしれません。




《みんなの広場》
◆北信越グランドソフトボール大会

4番、サード 柳井 勇二(やない ゆうじ)

 5月29日(日)第49回北信越グランドソフトボール大会が新潟県で行われました。今年度は、富山県と新潟県の2チームのみの参加で、1試合で、10対0で富山県が勝ち優勝しました。

 雲一つない晴れで30度と大変暑い日となりましたが、熱中症やけがもなく順調に試合を進めることができました。

 コロナウイルスにより、大会の3年間の中止があり、メンバーも不足して、思うように練習ができず、一人欠けても試合に出れないという今までにない大変厳しい状態ではありましたが、なんとか最後までやり遂げることができました。

 このような状態でしたから、今年は勝ち負けはあまり考えず、久々にみんなが集まってできる大会ということで、練習から楽しんでやって試合に臨もうということで進めていきました。その結果、大変有意義な1日となりました。

 試合をやってみて、コロナが少し落ち着いて、みんなで当たり前のことを当たり前にできるということが本当に素晴らしいことだと感じました。

 協会・審判並びにみなさんの協力により大会を行うことができ、本当にありがとうございました。



◆全国名古屋大会旅行団に参加

富山支部 日吾 典子(ひご のりこ)

5月31日(火)

 朝7時富山北口を観光バスで出発。会員9名、同行者9名、コロナの関係で少人数の参加。

名古屋城

 昼食後名古屋城へ。お城の中に入ると金のシャチホコをはじめ、様々な調度品が所々に展示され、大小の畳の部屋が連なり、ふすまには四季の草花が描かれ、部屋と部屋の間の欄間は富山県の井波の彫刻が使われているそうです。

 触らないで下さいということで、延々と続く1間幅(1けんはば)の廊下を静かに歩き続けました。

 お城をとりまくお堀は水のない空堀(からぼり)で、草が生えてるのを利用して動物園で養いきれなくなった鹿が放されているとか。

熱田神宮

 鳥居をくぐり、拝殿に続く参道の両側に立ちそびえる木々の中に、直径2メーター半位の太い木の表面に、ところ狭しと草が生え、「今まで見たこともないすごい生命力のある木だね」と付添の方が教えてくれました。

 無事到着できた気持ちを賽銭箱に入れ、境内の周辺をまわり、池に木で作った舟が浮かび、体長30センチ位の亀が泳ぎ、「藤棚はもう終わりですね」と教えてくれました。

 木の表面に草が生えるほど空気の綺麗な熱田神宮を後にしました。

信長の使っていた刀を保管してある宝物殿見学。

6月1日(水)

 午前中、全国視覚障害者福祉大会名古屋。コロナの関係で役員だけの会合。富山県の堀惠一さんが礎賞を受賞。

リニア鉄道館

 昭和40年頃の蒸気機関車(汽車)、新幹線こだまに出会うことができました。

 昭和32年に盲学校に入学してから5年間、高岡市福岡から富山駅まで汽車で通学しました。

 また、新幹線こだまは働いていた豊橋駅から東京駅まで、音もなく風のように走る新幹線の感覚を今も覚えています。

 リニアモーターの体験では、椅子に腰かけていることで新幹線の速度を感じとることができました。

 昼食後、名古屋中部空港、飛行機の展示館見学、ミュージアム見学。

新美南吉(にいみ なんきち)記念館見学

 いくつかの話の中から『一枚のはがき』を読んでもらいました。

 病気でできなくなった父親の郵便配達を、幼い小学生の男の子が雪の中、父親のガウン、長靴を身につけ、ほとんど配り終えた後に女の子が友達に出した一枚のはがき。その住所は一つ山を越えた集落の中の一軒。男の子が山を登りはじめたが、途中で滑り落ち、冷たくなった手にしっかり一枚のはがきが握られていました。

 この『一枚のはがき』とSさんが幼い頃、朝夕の新聞配達を長靴に雪が入っても泣きながら配り終えたという体験話が重なって、何とも言えない気持ちになりました。

6月2日(木)

 朝5時に起床。ホテルの近くにある荒熊神社の参拝。

 往復道のり1時間。神社までは170段階段をのぼったことろに神社あり。「延命望みずぽっくり願う」と看板に示されていました。

 ホテル8時15分に出発。日間賀島(ひまかじま)めぐり、イルカタッチ体験。

 島から20メーター離れた海の上にあるイルカの所まで、揺れる浮き橋を歩いて移動しなくてはならないので半分位の人たちは行きません。私も浮き橋に立つ勇気もないのでやめました。

 イルカの感触はプラスチックみたいに硬かったそうです。

 坂道をのぼりきった所に安楽寺があり、元気にたどり着いた気持ちを賽銭箱に入れ安楽寺に別れを告げました。

 海沿いに歩いて歩いてトンビが大きめのアジを咥えて飛んで行く、いっぱい細かい魚がたくさん泳いどるなどの声を耳にしながら、よく歩き、朝早くから2万歩近く歩きました。

 午後3時近く、日間賀島に別れを告げ帰路につき、富山北口に夜7時半頃に着きました。




《事務局から》
◆消息  訃報

 大崎 喜儀(おおさき きよし)氏(立山町) 7月 逝去

 沢田 恵子(さわだ けいこ)氏(射水市)  8月 逝去

 松原 均(まつばら ひとし)氏(小矢部市) 8月 逝去

山本 清(やまもと きよし)氏(高岡市)  8月 逝去

  ご冥福をお祈りいたします。




◆受賞

日本視覚障害者団体連合顕彰 礎賞

 堀 惠一(ほり けいいち)氏 R4.6.1

受賞おめでとうございます。




◆時事暦(4月~9月)

 4月17日(日) 第22回富山県障害者スポーツ大会〔水泳競技〕(東富山温水プール)

 5月19日(木) 令和4年度点訳・音訳ボランティア養成講習会開講式(センター) 点訳4名 音訳2名

 5月22日(日) 第22回富山県障害者スポーツ大会〔陸上競技〕(県総合運動公園)

 5月26日(木) 理事会(センター)

 5月29日(日) 第49回北信越グランドソフトボール大会(新潟県) 12名

 5月31日(火)・6月1日(水) 第75回全国視覚障害者福祉大会(名古屋市)

 6月12日(日) 定時評議員会(センター)

 6月12日(日) 定期会員総会(センター) 会員34名

 6月末  会報「ゆきしろ」第85号発刊

 7月3日(日) ボランティアと利用者交流会(センター) 会員13名 ボランティア19名

 7月24日(日) センタークリーン作戦(センター) 17名

 8月21日(日) 第71回点字競技会・第23回パソコン競技会(センター) 点字競技12名・パソコン競技7名

 8月30日(火) 北信越会長会議(富山県) リモート開催

 8月31日(水) 第68回全国視覚障害女性研修大会(福島県) リモート開催

 9月3日(土) 出会いと語らいの集い→中止

 9月10日(土)・11日(日) 宿泊研修〔視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会〕(富山市 呉羽ハイツ) 26名

 講演 「呉羽山丘陵の魅力について~住民から見た呉羽山丘陵~」

 講師 呉羽山観光協会 副会長 山口五十一(やまぐち いそかず)氏

 9月18日(日) 第22回富山県障害者スポーツ大会〔フライングディスク競技〕(県総合運動公園)

 9月18日(日)・19日(月) 第68回全国視覚障害青年研修大会(福岡県) リモート開催

 9月25日(日) 第46回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター) 会員38名 ボランティア11名



◆令和4年度後期の主な行事予定

 10月2日(日) 令和4年度富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕(南部中学校・センター)

 10月22日(土)・23日(日) 第31回北信越サウンドテーブルテニス大会(長野県)

 10月29日(土)~31日(月) 第22回全国障害者スポーツ大会(栃木県)

 11月13日(日) 第22回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)

 11月13日(日) 三療研修会(センター)

 11月26日(土)・27日(日) 北信越ブロック大会(石川県)

 12月3日(土)~9日(金) 障害者週間

 12月4日(日) 更生相談会・結婚相談室・意見交換会(センター)

 12月8日(木) 理事会(センター)

 12月末  会報「ゆきしろ」第86号発刊

― 令和5年 ―

 3月16日(木) 理事会(センター)

 3月26日(日) 合同会議(センター)



《編集後記》

文化部部長 柳田 信子

 今年の春の始めに、所属している部会活動があり、研修室の窓をながめていたら、桜のはなびらがひらひらと窓にふり落ちてきました。そのような光景は、今まで初めて見ましたので、今でも覚えております。

 今年度の事業は、新型コロナウイルスの中ではありましたが、人数制限、手指の消毒や、マスクをつけて行いました。

 これからも一日も早いコロナの終息を願って、心と気持ちを引き締めて楽しく生活をしていきたいと思っております。

 また、皆さんから多くの原稿をお待ちしております。




【資料】
◆障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、全ての障害者が、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加するためには、その必要とする情報を十分に取得し及び利用し並びに円滑に意思疎通を図ることができることが極めて重要であることに鑑み、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の基本となる事項を定めること等により、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「障害者」とは、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)第二条第一号に規定する障害者をいう。

(基本理念)

第三条 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。

一 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る手段について、可能な限り、その障害の種類及び程度に応じた手段を選択することができるようにすること。

二 全ての障害者が、その日常生活又は社会生活を営んでいる地域にかかわらず等しくその必要とする情報を十分に取得し及び利用し並びに円滑に意思疎通を図ることができるようにすること。

三 障害者が取得する情報について、可能な限り、障害者でない者が取得する情報と同一の内容の情報を障害者でない者と同一の時点において取得することができるようにすること。

四 デジタル社会(デジタル社会形成基本法(令和三年法律第三十五号)第二条に規定するデジタル社会をいう。)において、全ての障害者が、高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術の活用を通じ、その必要とする情報を十分に取得し及び利用し並びに円滑に意思疎通を図ることができるようにすること。

(国及び地方公共団体の責務等)

第四条 国は、前条の基本理念にのっとり、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 地方公共団体は、前条の基本理念にのっとり、その地域の実情を踏まえ、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を策定し、及び実施する責務を有する。

3 国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策が障害者でない者による情報の十分な取得及び利用並びに円滑な意思疎通にも資するものであることを認識しつつ、当該施策を策定し、及び実施するものとする。

(事業者の責務)

第五条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、障害者がその必要とする情報を十分に取得し及び利用し並びに円滑に意思疎通を図ることができるようにするよう努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策に協力するよう努めなければならない。

(国民の責務)

第六条 国民は、障害者による情報の十分な取得及び利用並びに円滑な意思疎通の重要性に関する関心と理解を深めるよう努めるものとする。

(関係者相互の連携及び協力)

第七条 国、地方公共団体、事業者その他の関係者は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策が効率的かつ効果的に推進されるよう、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならない。

(障害者等の意見の尊重)

第八条 国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を講ずるに当たっては、障害者、障害児の保護者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない。

(障害者基本計画等との関係)

第九条 政府が障害者基本法第十一条第一項に規定する障害者基本計画を、都道府県が同条第二項に規定する都道府県障害者計画を、市町村が同条第三項に規定する市町村障害者計画を策定し又は変更する場合には、それぞれ、当該計画がこの法律の規定の趣旨を踏まえたものとなるようにするものとする。

2 政府は、障害者基本法第十三条の規定により国会に提出する報告書において、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の実施の状況が明らかになるようにするものとする。

(法制上の措置等)

第十条 政府は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。

第二章 基本的施策

(障害者による情報取得等に資する機器等)

第十一条 国及び地方公共団体は、障害者による情報の十分な取得及び利用並びに円滑な意思疎通に資する情報通信機器その他の機器及び情報通信技術を活用した役務(以下この条及び第十五条において「障害者による情報取得等に資する機器等」という。)の開発及び普及の促進を図るため、障害者による情報取得等に資する機器等に関し、開発及び提供に対する助成その他の支援、規格の標準化、障害者又はその介助を行う者(次項及び第三項において「障害者等」という。)に対する情報提供及び入手の支援その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、障害者等が障害者による情報取得等に資する機器等の利用方法を習得することができるようにするため、障害者による情報取得等に資する機器等の利用に関し、障害者の居宅における支援、講習会の実施、障害者等からの相談への対応その他の必要な取組を自ら行うとともに、当該取組を行う者を支援するために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

3 国は、障害者による情報取得等に資する機器等の開発及び普及の促進並びに質の向上に資するよう、内閣府、デジタル庁、総務省、厚生労働省、経済産業省その他の関係行政機関の職員、障害者による情報取得等に資する機器等を開発し又は提供する者、障害者等その他の関係者による協議の場を設けることその他関係者の連携協力に関し必要な措置を講ずるものとする。

(防災及び防犯並びに緊急の通報)

第十二条 国及び地方公共団体は、障害の種類及び程度に応じて障害者が防災及び防犯に関する情報を迅速かつ確実に取得することができるようにするため、体制の整備充実、設備又は機器の設置の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、障害の種類及び程度に応じて障害者が緊急の通報を円滑な意思疎通により迅速かつ確実に行うことができるようにするため、多様な手段による緊急の通報の仕組みの整備の推進その他の必要な施策を講ずるものとする。

(障害者が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な分野に係る施策)

第十三条 国及び地方公共団体は、医療、介護、保健、福祉、教育、労働、交通、電気通信、放送、文化芸術、スポーツ、レクリエーション、司法手続その他の障害者が自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な分野において、障害者がその必要とする情報を十分に取得し及び利用し並びに円滑に意思疎通を図ることができるようにするため、障害者とその他の者の意思疎通の支援を行う者(第十五条において「意思疎通支援者」という。)の確保、養成及び資質の向上その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 国及び地方公共団体は、医療、介護、保健若しくは福祉に係るサービスを提供する者、学校の設置者、事業主、交通施設(移動施設を含む。)を設置する事業者、電気通信若しくは放送の役務を提供する事業者又は文化芸術施設、スポーツ施設若しくはレクリエーション施設の管理若しくは運営を行う者が行う障害者による情報の十分な取得及び利用並びに円滑な意思疎通のための取組を支援するために必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

(障害者からの相談及び障害者に提供する情報)

第十四条 国及び地方公共団体は、障害者からの各種の相談に応ずるに当たっては、障害者がその必要とする情報を十分に取得し及び利用し並びに円滑に意思疎通を図ることができるよう配慮するものとする。

2 国及び地方公共団体は、障害者に情報を提供するに当たっては、その障害の種類及び程度に応じてこれを行うよう配慮するものとする。

(国民の関心及び理解の増進)

第十五条 国及び地方公共団体は、障害者による情報の十分な取得及び利用並びに円滑な意思疎通の重要性に関する国民の関心と理解を深めるよう、障害者による情報取得等に資する機器等の有用性、障害者による円滑な意思疎通において意思疎通支援者が果たす役割等に関する広報活動及び啓発活動の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

(調査研究の推進等)

第十六条 国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に関する調査及び研究を推進し、その成果の普及に努めるものとする。

附則

この法律は、令和4年5月25日から施行する。




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