(令和6年6月発行)
この「ゆきしろ89号」は令和5年10月1日~令和6年3月31日までの分を掲載しています。
第89号
(発行者)
社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
〒930-0077
富山市磯部町3丁目8番8号
電話 (076)425-6761
Fax (076)425-9087
Eメール:bcb05647@nifty.com
Homepage:https://toyama-ssk.com/
(発行責任者)
会長 塘添 誠次
上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。
【ゆきしろ(雪代)の意味】
雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。
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【ゆきしろ89号 目次】
《大会参加報告》
◆第30回北信越ブロックサウンドテーブルテニス大会(福井大会)
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協会は1943年(昭和18年)8月に富山県愛盲協会としてその一歩を踏み出しました。戦後身体障害者福祉法の制定を機に、1948年(昭和23年)9月に富山県盲人協会と改称し、1965年(昭和40年)9月には法人格を取得し、社団法人富山県盲人協会となり、更に1977年(昭和52年)1月に社会福祉法人富山県視覚障害者協会と改称し、今年で創立80周年という節目の年を迎えることとなりました。
一方、私たちの活動の拠点となる富山県視覚障害者福祉センターは、1972年(昭和47年)7月に富山市西田地方町に開所し、1987年(昭和62年)4月に富山県視覚障害者福祉センターが現在の地に新築移転しました。
この80年の歩みを振り返りますと、視覚障害者の人権を守り、地域で自立した生活を送るための地道な運動の積み重ねであったのだと思います。
人が人として当たり前の生活を送ることを先人は目指され、引き継がれてきたことにより私たちの今日があるのだと思っております。
これまでの先人のたゆまぬ努力に敬意を表しますとともに、私たちの活動に理解と共感を示し、支援し続けてくださった皆様に深く感謝するものであります。
過去10数年間を振り返ってみますと、2006年(平成18年)国連において障害者の権利に関する条約が採択され、2014年(平成26年)には日本が障害者権利条約を批准しました。
この障害者権利条約が採択されたことにより、「バリアフリー新法」「障害者虐待防止法」「障害者総合支援法」「改正障害者雇用促進法」など、私たち障害者にとって意義深い様々な国内法が制定されました。 更に、2016年(平成28年)には、国では「障害者差別解消法」、富山県においては「障害のある人の人権を尊重し県民皆が共にいきいきと輝く富山県づくり条例」が施行され、「障害を理由に差別をしてはいけないこと」「合理的配慮の提供」が明記されました。
そして、2011年(平成23年)から同行援護事業がスタートし、私たちの外出を援護していただけるようになりました。
近年では、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)」が施行されました。
これらの法律の整備により、私たちの尊厳や人権が保障され、社会参加が促進し、視覚障害者の生活向上に向けた取り組みが進みつつありますが、まだまだ解決すべき問題が山積しています。
問題解決のために協会は日々努力していますが、大変危惧されることがあります。それは、「組織」が弱体化しつつあることです。
私たちの団体だけでなく、他の団体にも言えることですが、会員数が減少し、組織力が弱まりつつあります。
新型コロナウイルスの流行のため外出を控えるようになったことが引き金となり、外出がおっくうになったり、歩行能力が低下したり、会員の高齢化が進行し、行事に対する参加者が減少し、組織の弱体化に拍車がかかったような印象を受けます。組織の団結力を示すバロメーターは「数」です。
協会は種々の行事の実施において、協会の役員、センター職員、ボランティアの皆様の協力をいただき、参加者にはある程度の満足感を得ていただけているものと思います。
また、協会からの色々な情報の発信や互いの交流により、QOL(生活の質)の向上が図られているものと推察されます。
協会に加入している人は、これらの恩恵を受けていますが、未加入の視覚障害者は、同行援護サービスや補装具・日常生活用具の給付制度などを知らずに不自由さを感じている人が多いのではないかと推察されます。個人情報保護法が壁となって、これらの人になかなか情報が伝わらず、もどかしい思いであります。
私たちは改善してほしいこと、新たにしてほしいことなど多くの要望がありますが、役員の知恵を結集し、顧問の先生方の御協力を得て、行政や関係機関に理解をしていただき、一つでも多くの要望が実現できるように心がけています。
視覚障害者数は若干減少していますが、中途失明者が増加しています。会員数の減少に歯止めをかけるのは大変難しいのですが、何とか組織力を上げ、これからの10年、20年の歴史を積み重ねていかなければなりません。皆さんもそういう意識をもって協会活動にご協力をお願いします。
《大会参加報告》
◆第30回北信越ブロック視覚障害者サウンドテーブルテニス大会(福井大会)
今年の大会は令和5年10月28日(土)~29日(日)の二日間にわたり、開催された。
28日(土)は午前8時40分に富山駅北口に集合して、富山市からは選手4人(林、森田、中田、池田)、森田さんの同行者の中田さん(母)を乗せて、審判員の鳥崎(とりさき)さんの運転する車で9時に出発。高岡駅南で選手2人(川口、本江(ほんごう))を乗せて、一路福井県へ向かった。
あいにくの雨で、しかも高速道路が工事中で片側通行だったので、時間がかかり、11時30分ごろに福井市に到着。ネットでそば屋さんを検索し、おいしい越前そばを食べて、午後1時少し前に会場である福井県立盲学校に着いた。
受付を済ませてプログラムを見て、試合相手や試合順番を確認してから、少し練習で汗をかいた。
午後1時30分より体育館において開会式が行われ、福井県の橋本会長挨拶、長野県より優勝杯返還、競技上の注意、選手宣誓などがあり、2時から試合が始まった。
卓球台は体育館に3台、隣の音楽室に1台の計4台で行われた。一日目は個人戦で、男子Aアイマスク有りは8名を2組に分けてリーグ戦を行い、各組1位と2位が決勝トーナメントに進む。女子Aアイマスク有りは9名を3組に分けてリーグ戦を行い、各組1位が決勝リーグ戦に進む。男女混合Bアイマスク無しは10名参加、3組に分けリーグ戦を行い各組1位が決勝リーグ戦に進む。
富山県の選手は全員頑張り、3セットまでいく試合が多くありました。試合結果は次の通りです。
男子Aは2位川口(かわぐち)勇人(はやと)、女子Aは3位本江(ほんごう)とみ子、以上です。試合が終わったのは5時30分ごろで、宿泊所である芦;原温泉・白和荘へは40分ほどかかるということで、宿に着いたのは6時30分ごろ、7時から懇親会なので、結局温泉に入れずに懇親会に向かった。
今回も余興はなく、静かに飲食しました。懇親会後に温泉に入り、汗を流してさっぱりしました。
二日目は午前8時30分より団体戦が行われ、富山県チームは健闘しましたが、富山県Aチームは福井県Aチームに、富山県Bチームは長野県Aチームにそれぞれ負けました。
試合結果は次の通りです。
1位長野県、2位石川県、3位福井県A。
11時40分に全て終わり、福井駅の隣のビルでお土産を買って、餃子の王将で直会(なおらい)をして大満足して帰路についた。
帰りも道が混んでいたりして、富山市に着いたのが午後6時ごろになり、真っ暗でした。
応援して頂いた皆さま、ありがとうございました。来年度は、石川県で開催されます。また、頑張りたいと思います。お疲れ様でした。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが2類から5類に移行したことを踏まえ、感染予防に注意を払いながら、一同が会して本県が主幹県となり、令和5年11月25日(土)から26日(日)の二日間、呉羽ハイツにおいて開催されました。 1日目は開会式終了後、JR東日本新潟支社の下室(しもむろ)氏による研修会、竹下会長による講演の後、二日間に渡り代表者会議・青年部協議会・女性部協議会・スポーツ協議会が行われました。 以下は、その内容です。
演題:中央情勢について
事前に竹下会長から講演内容の概要をいただいていましたので、会長の発言要旨を交えながら報告します。 1.本年度の日視連の主な取り組み (1)国に対する働きかけ ― 例年と同様に、大会決議をふまえて関係府省庁に陳情活動を行う。その中で、国交省に対しては、踏切問題と無人化駅について交渉を継続。国交大臣と直接面談し、要望書を提出。 厚労省に対しては、令和6年の報酬改定に向けて要望活動を展開。 (2)組織内の委員会活動 ― 弱視部会の取り組みの拡大。地域団体に対する支援の具体化、総括所見に対する日視連としての立場を明確にし、将来ビジョンに反映させるための取り組み。理療科教育の存続と、あはきの将来性を見据えた検討会の開催など。 ・日視連の内部の動きも伝えておきたいと思います。会長になって12年になりますが、審議会や委員会などに出席するスタッフは、それに応じた知識を持った人を幅広く派遣するようにしたい。 ・また、その人だけに任せ、頼るのでなく、その人をどのようにバックアップしていくか、組織として大事であるので、今、適した何人かの人にバックアップしてもらう体制を作りつつある。 ・以前はほとんど動いていなかった委員会活動を活発にしていきたい。最近定着しているのは弱視部会です。 ・ブロック単位で弱視部会を設けようという動きもあるが、活動をどのように地方にも広げていくかも検討していきたい。 ・眼科医会と日視連は年1~2回、意見交換会をしている。将来的には、眼科医会とのつながりをブロック単位、地方単位で作られないか検討している。現に47都道府県にスマートサイトというネットワークができているが、温度差がある。 ・日本ロービジョン学会と眼科医会が連携して、補装具と日常生活用具の価格改定について、全国の1700あまりの自治体に要望書を配る事になりました。 ・学会からの要望だけでなく、各地の視覚障害者団体からも要望をしてほしい。 ・イギリスでは視覚障害者団体と眼科医学会が強い連携を持っている。視覚障害者団体から眼科医学会に相談員を派遣している。日本でも同じ事ができないか、模索している。 ・このように眼科医会との連携を大事にしていきたい。そのために日視連として組織強化を図っています。 ・昨年9月、国連の障害者権利委員会から日本政府に、33項目にわたる勧告の総括所見が提出された。 ・日本の現状にはすぐ受け入れ難い点もある。例えば、グループホームも入所施設もだめと言っている。これは障害者を一つにまとめているのでユニバーサルとは言えない、という事のようです。 ・盲学校は分離教育なのでだめ、インクルーシブな教育が必要だと言っている。私は盲学校は必要だと思っています。国連の考えとどのように調整するのか。 ・日本の盲教育のレベルの高さ、伝統、専門性、これを将来どのように残すかを考えるのが大事だと思っています。国連の提言とどう整合性を持たせるか。 ・国連は働く場所について全ての企業に一般就労にすべきだというが、我々にA型事業所、B型事業所などは要らないか、というと今はそうではない。長い目でどう進めるか、検討が必要である。 ・盲学校、理療科の集団教育をどのように維持していけるか、検討が必要。 ・あはき師免許を取った者の卒後研修をどうするか、就職まで結びつけるしくみを作られるかどうか。 ・3年前から日視連で就労移行支援事業を立ち上げたいと言ってきた。2025年に研修センター開所を実施できるように動いている。 ・大きなカベというか、ハードルは、どのようにして全国に広げられるかである。 2.令和5年度における国の動き ・いろんな関係省庁に要望をしているが、内閣府に要望する事が重要になっている。内閣府は国の動きの大きな枠組みを5年計画で作っている。 ・障害者権利条約は外務省の管轄だが、実際に国内で実施するのは内閣府の管轄です。日視連は関係省庁全体に気を配らなければならない。(各審議会にスタッフを派遣するようにしたい。) ・我々が関心の強い要求項目についての動きはどうなっているのか説明します。 (1)子ども家庭庁における取組 ― 大胡田(おおごだ)氏を審議会に派遣するとともに、そのバックアップ体制を作る。 ・国の動きから先に話したい。新しくデジタル庁と子ども家庭庁ができた。デジタル化を早く進めるには総務省とデジタル庁双方に働きかける必要がある。 ・子ども家庭庁については2つ留意する点がある。障害児に対する支援については文科省、厚労省、時には総務省も関係してくる。 ・両親が視覚障害者の場合の子供に対する対応、この2点で考えていく必要がある。 ・子ども家庭庁に障害児についての審議会ができた。 ・盲学校では小学生にパソコンを与えているが、放課後や家庭に戻った時に対応できるのかどうか。 ・これについては、日視連が某学園と協力して講座を開いており、全国的に協力したいと言ってくれている。 (2)厚労省においては、マイナ保険証とあはきの受領委任払いにおけるユニバーサル化について意見交換。 ・厚労省から 一番力を入れているのはマイナンバーカードの保険証の紐付けの事です。 良い報告ができる情況ではありません。視覚障害者が保険証を使うための配慮はされていません。 顔認証や暗証番号についてクリアーしていない。 あはき関係では、患者がマイナ保険証を持ってきた時、それを読み取る機器の音声対応ができるのか? この点について力を入れたい。 (3)国交省において、踏切の安全対策としてのエスコートゾーンに関する実証実験と基準化を検討。 ・国土交通省について、力を入れてきたのは踏切と無人駅です。 ・踏切内の点字ブロックについて実証実験をした後、ガイドライン、指針を決める事になった。 ・無人駅対策について、日視連と関連団体4団体で協議をしながら進めていきます。 ・4団体と国交大臣と直接会う機会を作ってもらい、大臣の理解を得る事ができた。官僚が同席の場で大臣の理解を得たのは大きいと思う。 ・転落防止対策は良い方向に動いています。転落する視覚障害者は全体の1割以下である。 ・運賃1件につき10円徴収される事になった。交通機関の安全対策予算に反映される。大都市から早く地方にも反映する対策を考えたい。 (4)厚労省による報酬改定において、同行援護と歩行訓練の報酬改定について懇談。 ・報酬改定について、診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス報酬の3つあるが、非常に厳しい。これらは「社会保障」の大きな分野で決められる。 ・診療報酬について、病院は6~8%の黒字を出している。それでマイナス改定と言われている。 ・介護報酬、社会福祉サービスも引きずられやすい。あはき療養費にも影響する。 ・危機感を持って取り組んでいる。34の障害者団体の連名で、10月26日に報酬のプラス改定を国に申し入れた。 ・関係議員に陳情した効果があれば12月20日頃に結果が出、24日頃に来年度の予算が決まる。 (5)文科省は、読書バリアフリー法に基づく都道府県の基本計画の策定を要請。午後4時20分過ぎから代表者会議には関係者を含めて27名余りの出席を得て始められました。 最初に開催県代表挨拶を当協会の塘添誠次会長よりなされ、続いて各県出席者自己紹介、正副議長の選出の後審議に入りました。 1.日視連北信越ブロック報告 日本視覚障害者団体連合北信越ブロック長 米島(よねしま) 芳文(よしふみ) 2.日視連あはき協議会報告 長野県視覚障害者福祉協会理事長 青木(あおき) 勝久(かつひさ) 各報告がなされました。 3.日視連全国大会提出議題審議 ここでは、全国大会に提出が決まった議題のみを掲載します。 ① 新潟県 「同行援護制度の充実の促進」 ガイドヘルパーの人員不足により障害者の社会参加が十分にできない状況にある。 国はガイドヘルパーを希望する人が増え、人材確保がしやすくなるような施策や事業所の安定的な運営が得られる制度への充実を促進していただきたい。 この議題に対する意見、提出される議題は理解できるが、事業所が少ない・実際にヘルパー不足・同行が受けられない。このような説明あるいは年間の利用時間を増やしたい。それに伴う予算の増額をお願いしたいなど、修正を加えたうえで再提出していただきたいとの意見でまとまりました。 ② 富山県 購入者の経済的負担が発生しないよう、視覚障害者安全つえ等の補装具の基準額を、価格の高騰や物価等の変動に応じて改定すること。 (理由) 製品価格が値上がりしているので、実態に合わせていただきたい。 4.各県提出議題について 昨年、一昨年から継続されている、同行援護に際しての車の利用、ニュース等緊急時の字幕スーパーの音声化、受領委任制度における鍼灸マッサージの同意書問題、駅無人化における移動の安全化問題(ホームドア)を含むなどの議題が挙げられていました。 5.日視連「女性部、青年部、全国」各大会開催県の提案について 令和7年度日視連女性部全国大会:新潟県 令和13年度日視連青年部全国大会:長野県 令和11年度(予定)日視連全国大会:富山県 6.「光の泉賞」候補者推薦 今回開催県である富山県から塘添(とうぞえ)明美(あけみ)氏を推薦する旨提案がなされ全会一致で了承されました。 7.各県情報交換 共通の課題として、高齢化に伴う会員の減少、スポーツ等を通じて若い皆さんの参加に期待したい等意見が寄せられました。 8.次年度行事予定確認(担当県別報告) 令和6年度の北信越管内で開催予定の、グランドソフトボール大会、会長会議、STT大会、ブロック大会の日程が報告されましたが福井県でのグランドソフトボールについて、地元ではチーム編成は困難ではあるが開催県としての準備は行いたいとの報告にとどまりました。 以上代表者会議の報告でしたが、終わりにあたり二日間の日程で開催された1日目の終わりでは、今年度は、コロナも明けて対面での本格大会が開催されたものの、来年度以降のブロック大会に向けて、このままでは参加人数の減少が懸念されることから、一人でも多くの参加を呼びかけ、北信越の団結・大会を盛り上げてゆく努力が必要であるとの意見が出された。同席されていた日視連竹下会長からも、全国大会も同じ思いで、来年度は熊本県での大会(まずは500名)を目標に方針が示された。6年度以降への北信越ブロック・全国大会への熱い意気込みを感じた会議ともなりました。
1 研修会 今年も昨年に引き続き、JR東日本の下室(しもむろ)勝(まさる)先生から同社の障がい者用Suicaについてお話しいただきました。 障がい者用Suicaは2023年3月18日から始まったサービスで、障がい者カードと介護者カードを1対で使うことで障害者割引を受けられるものです。障害者手帳1種の方がJR東日本のみどりの窓口で購入でき、1年ごとの更新が必要です。障がい者カードは記名ですが介護者カードは無記名なので介護者が変わっても使うことができます。ただし、使用できるのは首都圏のSuica・PASMOエリアや東北地方で、富山県内の鉄道・バスでは使えません。また、モバイルSuicaも使えません。 2024年春にはJR西日本から同様の障がい者ICOCAのサービス開始が予定されており、こちらはあいの風鉄道でも使えるのではないかとのことでした。ただし、障がい者Suicaと障がい者ICOCAの相互利用のめどは立っていません。 さて、この研修会では下室先生が私たちの質問にたくさんお答えくださいました。その中で教えていただいたことをいくつか書いておきます。 あいの風鉄道ではやってはいけないとされた「券売機で小人切符を2枚買って改札口で手帳を提示する」方法はJR東日本ではやっていいそうです。 また、JRの単独利用で移動距離が100キロ以内は割引対象外になりますが、あいの風鉄道やIRいしかわ鉄道も移動距離のうちに含めていいそうです。例えば、越中八尾から石川県の小松まで、JR西日本―あいの風鉄道―IRいしかわ鉄道―JR西日本と乗った場合でもすべての区間が障害者割引の対象になります。 とても情報量の多い研修会でしたが、先生がわかりやすくご説明くださり、新しいこともたくさん知ることができた、とても良い研修になりました。 最後になりますが、このお話は2023年11月25日時点でのものであること、下室先生はJR東日本の方で、他社の事柄については改めてそれぞれの鉄道会社からの公式発表を優先していただくことをご理解ください。 6 スポーツ協議会 スポーツ部協議会では日視連スポーツ協議会の活動状況報告と長野県から提案されたサウンドテーブルテニス全国大会の松本市(長野県)開催への協力の依頼について話し合いました。 スポーツ協議会からの報告は以下の通りです。 1.ブロック活動推進事業は継続していること 2.ユーチューブチャンネルへの動画投稿を継続していること 3.視覚障害者のジム利用のためのリーフレットを作成したこと 4.ブラインドスポーツ体験会のモデル事業をした報告会をすること 5.普通学校と支援学校のスポーツ・体育を考える座談会を行うこと 参加者からは以下の質問・意見がありました。 1.ブロック強化事業を利用するための条件の確認。 →改めて要綱を説明した。 2.ジム利用を断られた経験談と問題点の列挙。 →ロッカーの位置がわかるようにしてほしい。 同行援護が入れるようにしてほしい。 何をどう合理的配慮されると自分が利用できるかわからない。 など 次に長野県から松本市で開催を計画しているサウンドテーブルテニスの全国大会(2024年度)についての協力の依頼と説明を受けました。提案では本会で開催を認めてほしいこと、審判員の派遣に協力してほしいことを述べられました。 話し合った結果、大会開催の意義を大きく応援したい気持ちをお伝えした上で、本会には開催を認めたり、審判員を派遣したりする権限がないことをお伝えしました。また、要綱や協力内容を明文化して、実行委員会と事務局・ブロック各県の間でお話しされることをお勧めしました。 今回は、一同が会しての開催となりましたが、参加者がコロナ以前の状態には戻っていません。今後はどのように参加者を増やしていくかが課題となりますが、コロナ禍で行われていたオンラインよりは直接会っての会議の方が話しやすく、お互いの気持ちが伝わりやすいと実感しました。また、人と人との触れ合い、交流ができたのが大変良かったと思います。 次回は、令和6年11月30日(土)から12月1日(日)にかけて新潟県で行われます。多数の参加をお願いします。 4 青年部協議会 青年部協議会では富山県の青年部長である濱野が議事を進めました。参加者は富山2名、石川2名、福井1名、長野1名(事務局)でした。 初めに以下のことを決めました。 1.来年度のブロック推進委員(旧全国委員)を濱野にする。 石川の方から意欲を示されましたが、ご自重いただきました。 2.ブロック提案議題は提出せず、各県ごとに検討する。 研修会の内容を踏まえ、JRの単独利用、モバイルでの割引について検討し、各県で提案議題を考える助けとすることにした。 次いで、日視連青年協議会の活動内容と北信越ブロックの現状の報告をブロック推進委員の濱野から行いました。内容は以下の通りです。 1.青年協議会 青年協議会では研修会などのイベントが盛んに行われている。 SNSやネットの活用も進んでいる。 全青大会では各ブロックの現状を報告するシンポジウムがあった。ユーチューブ配信もあるとのことなので、ぜひ見ておいてほしい。 45歳以上を青年部員と認めない件については今のところ明文化された制限はないが、ある程度の自重は必要ではないか。 各県青年部の年齢制限については各県ごとに検討する。 2.北信越ブロック 各県からの報告を行っていただいた。 富山県 青年部のライングループを作った。最近は盛んに情報交換がされている。今後は日時を決めて定期的なグループ通話を検討している。リアルな集まりとしては宴会や三療の研修会をしている。 石川県 青年部と厚生部が合併して厚生青年部になった。スポーツを中心に若い人が興味を持てるイベントを検討している。 福井県 卓球バレーの体験会を行った。来年度はブロック内に声をかけてスポーツ協議会のブロック強化事業にできないか検討する。 長野県 青年部としての活動は行われていない。センターで若い人に声をかけることはあるが、特に進展は見られない。 最後にこの先の北信越ブロックについて話し合いました。 各県代表によるライングループでの意見交換を継続する。来年には旅行イベント、その他のイベントを検討する。また、青年部員全体のライングループを検討する。 イベントは各県のイベントと重ならないように注意するが、完全に重ならないことは不可能なので、各県代表者で調整する。
11月25日(土)午後4時半より開催されました。
阿部会長を迎えて石川県の林さんを議長に各県からの多くの議題が提出されたのを活発に討議され、翌日26日午前8時30分からも2時間討議し決議することができました。
皆様のご協力を感謝します。
1.熊本県での福祉大会に提出する議題を決めました。
「スーパーや飲食店などでのセルフレジやタッチパネルなどの音声化や機器などの統一化。また人的支援が受けられるよう要望する。」
2.香川県での全国視覚障害女性研修大会に提出する議題を決めました。
「緊急時に視覚障害者が単独でも医療機関においてスムーズに検査や治療が受けられるように要望する。」
3.香川県大会でのレポート発表のテーマを決めました。
「いつまでも元気に生きるために。~障害の克服とエンディングライフ~」
4.令和7年度に行われる新潟県での全国視覚障害女性研修大会での役割分担の案を話し合いました。
5.全国委員の交通費を毎年分担金として1万円ずつ集金することを話し合いました。
6.各県との情報交換を行いました。
・会員が高齢化していて会員数が少なくなっている。
・県内が広く、会場までの交通がない。また、タクシーなどの交通費が高くなって生活の負担になっている。
・会員の体力や健康問題もあり、遠い会場で乗り換えなどあると行けない。
・同行援護を頼みたいがガイドヘルパーが少ない。
など活発な意見が出ました。
7.令和6年度は新潟県で北信越ブロック大会が行われます。
日時は11月30日(土)・12月1日(日)の予定です。
新潟県の水野女性部長より歓迎の挨拶がありました。
8.11月26日(日)富山市売薬資料館にバスでオプショナルツアーに行かれた会員の皆様お疲れさまでした。
今年度の文化祭は下記のように実施されました。
なお、1日を通しての開催は4年ぶりで、ほぼコロナ以前の状態に復帰したと思う。
日時 2023年10月15日(日)10時
日程
1.開会 10時
2.講演 10時20分
(昼食)
3.生きがい教室発表 13時
4.閉会 15時
講演 10時20分~11時30分
演題 『地球が暑い!』 ~気象災害から身を守るために~
講師 富山地方気象台から4人の講師を迎えて実施
会場 研修室
気象一般について説明があり、そのあと地球温暖化の現状、その影響が懸念されること。
例えば、日本海の海水温が高く、水蒸気が多く発生しそこに寒気が流れこむと多くの雪雲が発生して、日本海側に大雪を降らせるとのこと。
なお、気象台に「要配慮者対策係」という係がある。災害時に、障害者や高齢者の世話に関する部署である。
催し物
1.生きがい教室発表(研修室)
コーラス、民謡、カラオケ等
2.無料施術コーナー
3.福祉機器展
センスプレーヤー、AIスピーカー、音声体温計等
4.用具展示
点字器、拡大読書機、白杖等
5.バザー等
茶席、飲食品販売、ボランティアの手作り作品販売等
6.その他 興味のあるものが多くあった
協力ボランティア団体
コスモスの会、あゆみ会、ひまわりの会、声のライブラリー友の会
ボランティアの皆さんの協力を感謝しています。
反省会 2023年11月8日(水)
以下、反省会での意見である。
1.受付から、防災上、参加者全員付添も含めて記名してほしいとのこと。
2.本会の会員が販売の場面で、手伝ってくれた。和気あいあいで清々しかった。
3.仕入れ販売品が時間通りに届き、準備がしやすかった。
4.弁当の仕入れに関して、来年もその種類や量に考慮が必要である。
5.食品販売は、閉会近くに値引きはしたが、全て売れた。
11月12日(日)、15名の参加で三療研修会を行いました。
午前中は例年通り参加者同士による実技研修を行いました。こちらには参加者は少なめでしたが、新卒の方にも参加していただきました。この研修会がこの先の会員拡大の一助になっていけるように次回以降も工夫が必要と感じました。
午後からは講演会で富山短期大学の大森(おおもり)聡(あきら)准教授に栄養学のご講演をいただきました。基本的な栄養学のお話のほかにタンパク質摂取の重要性を詳しくお話しいただきました。特に年齢を重ねるごとに必要量が増加すること、低栄養による身体能力の低下を防ぐためにタンパク質が不可欠であることを教えていただきました。
我々自身の健康管理をはじめ、医療・介護の現場で働く上でとても大事なお話を聞くことができました。
・6月25日(日) 三療部会を開催
午前10時から盲人ホームにて治療奉仕と技術交換。2名参加。
ボランティアさん2名に治療奉仕を行い、その後いろいろ技術交換をする。
午後1時から令和5年度の総会。4名出席。
事業報告、決算、事業計画など行い、その後いろいろ情報交換する。
・10月15日(日) 文化祭で施術奉仕
12時半から午後2時50分まで4名で12名に施術。
思ったより少ない人数だったが、喜んでいただく。
・11月12日(日) 三療部会を開催
午前10時から盲人ホームにて三療部会を開催。参加4名。
新会員も入られてそれぞれに技術交換を行う。
午後1時から研修室にて三療研修会に参加する。
「栄養を正しく理解する」
講師大森(おおもり)聡(あきら)氏(富山県栄養士会食育リーダー・富山短期大学食物栄養学科准教授)
いろいろ教えていただき、自分の知識で間違っていたこともありましたね。
・令和6年3月10日(日) 三療部会を開催
午後1時から3時30分まで7名の参加。
ガイドさん、家族に治療奉仕し、他の人はそれぞれに技術交換をする。
新しい人も加わりにぎやかに情報交換もする。
令和5年12月10日(日)10時から「パレブラン高志会館」において富山県視覚障害者協会創立80周年記念式典が、会員、付添やボランティアの方、来賓の方など約110名が出席して開かれました。今年度の更生相談会は、このプログラムの中に組み入れられました。
君が代斉唱、物故者への黙祷で始まり、塘添会長の挨拶に続いて表彰式が行われました。
次いで、衆議院議員田畑裕明様ほか数名の方々の祝辞を頂いたあと、祝電披露があり、閉式となりました。
少しの休憩のあと、11時10分から、更生相談会としての記念講演が開催されました。
講師は社会福祉法人日本視覚障害者団体連合会長・竹下義樹氏。
演題は「弁護士への道のり、そして今」です。
始めに、失明と自分探しと言うことで、昭和40年(1965年)14歳(中学3年)の時、外傷性網膜剥離で失明され、その後石川県立石川盲学校高等部理療科本科に入学されたこと。
盲学校へ入学後は、音楽と出会われ、クラッシックギターやトランペットを習われ、学校でギターサークルやブラスバンド部を作られたそうです。また、弁論の指導も受けられ、全国盲学校弁論大会、NHK[青年の主張]地方大会などに出場。最初は、人前ではあまりしゃべれなかったそうですが、何回か挑戦するうちに度胸がついたそうです。
高校3年の時、理療の方へ進むか迷われたそうですが、ほかに何かあるのでは、と言うことで、大学へ進学して弁護士を目指すことを決意されたそうです。
京都府立盲学校で2年間受験勉強され、昭和46年(1971年)に龍谷大学法学部に入学。この頃は点字による司法試験がなかったため、法務省に要請し、2年かかってようやく昭和48年に認められました。音訳、点訳のボランティアのみなさんの協力で点字本が200冊、録音テープは1000本にもなったそうです。龍谷大学だけではなく、ほかの大学(立命館大学、京都大学)などにも勉強会に参加され、猛勉強の末、9回目の挑戦で昭和56年(1981年)に見事司法試験に合格されました。
弁護士になられてからは、医療過誤、労災事件、障害者問題などに取り組まれ、現在では貧困問題を中心として日弁連でも取り組んでおられるそうです。
1時間あまりの間、ユーモアを交えながら熱弁をふるわれました。最後に会場からの質問で、夫婦のなれそめを聴かれ、照れながら答えておられました。
12時30分に記念講演は終了となり、12時45分から94名が参加して祝賀会が始まり、美味しい料理とお酒を頂きながら、談笑しておられました。
楽しいひとときもあっという間に時間が過ぎ、最後に竹下義樹氏の万歳で、15時ごろに閉会となり、みなさん満足そうな顔で帰られました。
今回の80周年記念式典、記念講演、祝賀会の準備などにお世話になったセンターの職員の皆さまありがとうございました。大変素晴らしい会だったと思います。
皆さま、お疲れ様でした。
1.令和5年度第3回理事会
12月14日(木)14時よりライトセンター研修室において、理事11名・監事2名の出席により開催されました。
ここでは第1号議案・令和5年度事業報告について、会長から6月から12月までの間に開催された協会行事について概略が説明され、中でも特に11月に北信越ブロック大会(富山県担当)、12月には協会設立80周年記念祝賀会と大きな行事が続いた中で無事終えることができたことを成果として上げられた。
その後、各担当の業務執行理事の方からより具体的な行事報告がなされて、第1号議案が承認されこの日の理事会を終了。
2.令和5年度第4回理事会
令和6年3月21日(木)14時よりライトセンター研修室において、理事11名・監事1名の出席で開かれました。
第1号議案・令和6年度事業計画(案)について審議され、理事全員の承認をいただきました。
第2号議案・令和6年度予算(案)について審議がなされ、同じく承認されました。
第3号議案・令和5年度事業報告について、ここでは令和5年12月から3月にかけての行事について、各業務執行理事の方から報告がなされ、理事全員の承認をいただいてこの日の理事会を終了しました。
3.合同会議
3月24日(日)午前10時よりライトセンター研修室において開催され、初めの挨拶で会長から、令和6年能登半島地震に触れ、お亡くなりになられた方のお悔やみと、被害にあわれた方々へのお見舞いを申し述べられ、本協会でも災害義援金の募金を行いたい旨参加者に呼びかけがなされ、今後各支部等で開催予定の総会等の席で募金を募っていただきたいとのお願いがなされました。
その後議事に入り、まず令和6年度事業計画について、ここでは初めの基本方針11項目について、会長から細かな説明がなされました。
出席者から、今回の能登半島を震源とする地震で「日盲福祉委員会」のメンバーがまず富山県に入り活動を行っていたことに対して、そのことについて分からない、情報の伝達が不十分、またそれぞれの自治体では、氷見市を除き視覚障害者の名簿が開示されなかったことなど課題が浮き彫りになり問題点の多いことが判り、良い質疑応答にもなりました。
続いて 「日常生活用具(視覚障害者用拡大読書器)給付基準額の引き上げに関する要望」について説明がありました。
これは、日本ロービジョン学会、日本眼科学会、日本眼科医会、日本視能訓練士協会の4団体が連名で、12月8日付で全国の市町村の福祉担当部署宛に送付されたものですが、今後、日視連会長・当協会会長・各支部団体長等名前を記載するなどして、6月の総会までにひな形を作りそれぞれの地域で要望できるようにしてゆきたいとの方針が述べられました。
その他では、当協会が例年9月初めに実施している「会員と家族激励大会・歩行訓練」の在り方についても意見交換がなされました。
充実した意見交換で12時過ぎに終了しましたが、その後の懇親会前に出席者の皆さんから能登半島地震への募金協力がなされました。
◎第28回 JR東日本の障がい者用Suica
(2023年12月15日)
第9回日本視覚障害者団体連合北信越ブロック大会 1 研修会(濱野)(10ページ)参照。
◎第29回 JR西日本の障害者用ICカード
(2024年3月13日)
今回はJR西日本の障害者用ICカードについてのお話です。
以前の「お知らせ28号」でも書きました「障がい者用Suica」とほぼ同様のサービスが3月16日より実施されます。障害者カードと介護者カードをそれぞれが持って自動改札にタッチすることで障害者割引運賃が適用されるものです。それぞれのカード単独での使用や乗降駅が異なる場合には使えません。ただし、障害者の単独利用でも割引が適用される路線については障害者カード単独でも使用できます。
詳しく説明していきます。まず、名前は「スルッとKANSAI、特別割引用ICカード」です。「ICOCA」ではありません。カードは「スルッとKANSAI協議会」が発行して、JR西日本やあいの風とやま鉄道はそこに加盟する鉄道会社です。富山県の近隣で加盟している鉄道会社はJR西日本、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道、ハピラインふくいです。富山地方鉄道や加越能鉄道は含まれていません。また、JR東日本やJR東海とも今のところ互換していません。
カードの申し込み方法です。まず、以下のものを準備してください。
① 第1種の障害者手帳の写し
② 申込書
駅窓口にあります。
③ 特別割引用ICカード手帳確認届
駅窓口にあります。ただし、もらうには本人確認が必要です。
手帳を持って本人が窓口に行ってください。
④ 本人確認書類の写し
①の手帳の写しに氏名・生年月日・現住所があれば不要です。
以上の①から④を「スルッとKANSAI特別割引用ICカードサービスセンター」へ郵送します。
カード取得後は1年ごとに継続利用確認の手続きが必要になります。
さて、このカードを使う上でのメリット、未解決問題、重大注意事項を書いておきます。
メリット1
介護者との二人利用がとても便利になります。いちいち切符を窓口で買う必要がなく、無人駅から乗っても改札で精算する必要もありません。運賃がわからなくても残高があれば乗れます。
メリット2
あいの風とやま鉄道やIRいしかわ鉄道で単独乗車が便利になります。割引運賃でICカードが使えるようになります。
メリット3
今のところ所持するデメリットがほとんどありません。
未解決問題
単独利用の場合割引制度が異なるためJR西日本と他社との乗換では使えません。おそらく使えますが、使うとマズイことになります。(後述)
注意事項1
このカードは関西地域など広い範囲で使えます。単独利用の場合は割引が適用される路線とされない路線が混在しています。しっかり確認してから使ってください。マズイことになります。(後述)
注意事項2
このカードを持っていても手帳の携帯は求められています。しかも車内検札の場合、ミライロIDは不可です。
重大注意事項
マズイことについてです。おそらくですが、このカード、単独利用で割引が適用されない路線でも加盟している会社であれば割引運賃で利用できてしまう可能性があります。
例えば、JR西日本の氷見駅から一人で乗って、高岡駅で介護者と待ち合わせて、あいの風とやま鉄道の小杉駅で、二人で改札を出る、なんてことができてしまう可能性があります。「通れたからOK」とか「問題がないから通れたんでしょ」ではダメなんです。知っててやったら犯罪で、知らずにやっても迷惑行為です。ご注意ください。
くわしくは「スルッとKANSAI」のホームページかサービスセンターにご確認ください。
ホームページ
https://www.surutto.com/tkwric/
サービスセンター
06-7730-9860
◎第30回 JRの障害者割引乗車券がネットで買えるようになりました
(2024年3月13日)
今回はJR東日本、西日本の障害者割引乗車券がインターネットで買えるようになったお話です。
JRの切符はみどりの窓口で並んで係りの人に障害者手帳を見せて、口頭で注文して購入していました。待ち時間もあり、後ろにもたくさん人が並んでいて焦ってしまうことはありませんでしたか? 特に買うつもりだった列車が満席だったり、乗ったことのない路線だったり。
2月からJR東日本は「えきねっと」、JR西日本は「e5489(イーゴヨヤク)」で、インターネット上で購入できるようになりました。
ネット上で焦らず吟味して列車を選んで、カード決済、駅の発券機で発券。新幹線はeチケットで、スマホを使って乗ることもできます。
発券機での発券にやや困難を感じてしまいますが、最近の発券機はしゃべります。マゴマゴしていたら「中の人」が使い方を教えてくれる親切設計です。それでも不安のある方は窓口に並ぶことになりますが、スマホの画面を見せて発券してもらいたいだけですから焦ることはありません。
とても便利なんですが、少々準備が面倒くさいのが欠点です。
まず、マイナンバーカードを作ります。これは現住所の市町村の役所です。そして障害者手帳を登録します。これは手帳を発行した都道府県や市区町村の役所です。同じ役所なら一緒にできます。
次にマイナポータルにマイナンバーカードをひも付けします。これはスマホでできます。そして最後に「えきねっと」や「e5489」にマイナポータルをひも付けします。これもスマホでできます。これらのひも付けはパソコンでもできますが、マイナンバーカードのICチップを読み取るリーダーがパソコンに付いていないとできません。
私の説明ではわかりづらかったかもしれませんので、詳しく説明してくれているユーチューブ動画を紹介しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Yzrt67BG6LY
創立80周年おめでとうございます。
塘添会長の80周年を振り返ったお話をお聞きしながら、では、私の視覚障害者として、富山県視覚障害者協会に参加するようになった事柄について振り返ってみたいと思います。
私が参加するようになったのは、20数年前からです。小矢部市に視覚障害者団体「あかつきの会」ができてからですから、四分の一くらい関わってきたことになります。
会員になった当時は、一人でもゆっくり確認しながらだったら行動できていましたので、欲張らなければ生活はそれなりにできていました。
そのうちに、文字を読み取ることがなんとなく不自由になってきて、点字に挑戦。指の感覚で読み取ることはなかなか大変なことです。それを助けてくれたのが拡大読書器です。読書もできるし、書類に文字も書けます。外では不自由なことが多いですが、家ではこの二つの機器が大いに手助けをしてくれています。
パソコンに音声を入れて音声パソコンにする。文章も作れるし、メールもできるようになってきました。
パソコンを利用するようになってきたころには、太字のマジックで書かれた文字は読めたけれど、薄く書かれた文字は読めないので、それらの書類の返信はパソコンで。パソコンが大活躍の私です。
読書好きの私の世界を広げてくれているのが、プレクストーク、リンクポケットです。
このように生活必需製品を活用することで時間がかかることもあるけれど、なんとなく解決できることが多くなってきています。
運動ではSTTを楽しんでいます。
80周年の講演でお話しがありましたように、健常者の方と同じレベルで生活しようとすることは無理ではあるが不足な点は、時間を十分にかけ、慌てずにゆっくり進めていっても、決して無駄なことではない。
視力の不足分は時間で補充しよう。この言葉を時々思い出しながら生活していけたらいいかな、そんな思いの私です。
成瀬(なるせ) 勝(まさる)氏(高岡市) 11月 逝去
山田(やまだ) 正弘(まさひろ)氏(小矢部市) 2月 逝去
土井(どい) 天鍾(てんしょう)氏(黒部市) 2月 逝去
ご冥福をお祈りいたします。
黄綬褒章
鈴木(すずき) 修博(しゅうはく)氏 R5.11.13
富山県知事表彰(社会福祉事業活動者)
佐生(さそう) 秀一(ひでかず)氏 R5.10.16
日盲社協創立70周年表彰 特別ボランティア表彰者
佐藤(さとう) 久江(ひさえ)氏 R5.11.9
日盲社協創立70周年表彰 永年勤続職員表彰
小原(おはら) 由理佳(ゆりか)氏 R5.11.9
ボランティア活動推進富山県民会議 会長表彰
石瀬(いしぜ) 礼子(れいこ)氏 R5.10.5
貫(ぬき) 奈穂子(なおこ)氏 R5.10.5
受賞おめでとうございます。
◆時事暦(10月~3月)
10月15日(日) 第47回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)
講演 「『地球が暑い!』~気象災害から身を守るために~」
講師 富山地方気象台
要配慮者対策係長 上田(うえだ) 哲也(てつや) 氏
次長 田本(たもと) 嘉巳(よしみ) 氏
リスクコミュニケーション推進官 木津(きづ) 暢彦(のぶひこ) 氏
技官 内田(うちだ) 聖也(せいや) 氏
会員52名 ボランティア36名
10月28日(土)・29日(日) 第32回北信越サウンドテーブルテニス大会(福井県) 6名
10月28日(土)~ 30日(月) 特別全国障害者スポーツ大会(鹿児島県)
11月12日(日) 三療研修会(センター) 15名
11月12日(日) 第23回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)
11月25日(土)・26日(日) 第9回日本視覚障害者団体連合北信越ブロック大会(富山県) 41名
12月3日(日)~ 9日(土) 障害者週間
12月10日(日) 富山県視覚障害者協会創立80周年記念式典・更生相談会・祝賀会(パレブラン高志会館) 約110名
講演 「弁護士への道のり、そして今」
講師 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 会長 竹下(たけした) 義樹(よしき) 氏
12月14日(木) 理事会
12月末 会報『ゆきしろ』第88号発刊
― 令和6年 ―
3月21日(木) 理事会
3月24日(日) 合同会議
4月21日(日) (第24回富山県障害者スポーツ大会~水泳競技)(高岡総合プール)
5月19日(日) (第24回富山県障害者スポーツ大会~陸上競技)(県総合運動公園)
5月19日(日) 第51回北信越グランドソフトボール大会(福井県)
5月23日(木) 理事会①(センター)
6月2日(日)・3日(月) 第77回全国視覚障害者福祉大会(熊本県)
6月9日(日) 定時評議員会(センター)
6月9日(日) 定期会員総会(センター)
6月末 会報「ゆきしろ」第89号発刊
7月7日(日) ボランティアと利用者交流会(センター他)
7月21日(日) センタークリーン作戦(センター)
8月25日(日) 第73回点字競技会・第25回パソコン競技会(センター)
8月27日(火)・28日(水) 北信越会長会議(長野県)
9月4日(水)・5日(木) 第70回全国視覚障害女性研修大会(香川県)
9月7日(土)・8日(日) 宿泊研修(視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会)(ゆうゆう館)
9月15日(日)・16日(月) 第70回全国視覚障害青年研修大会(大阪市)
9月22日(日) (第24回富山県障害者スポーツ大会~フライングディスク競技)(県総合運動公園)
9月29日(日) 第50回球技大会(グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス)(センター他)
10月13日(日) 第48回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)
10月19日(土)・20日(日) 第33回北信越サウンドテーブルテニス大会(石川県)
10月26日(土)~28日(月) (第23回全国障害者スポーツ大会)(佐賀県)
11月10日(日) (第24回富山県障害者スポーツ大会~卓球競技)(県総合体育センター)
11月10日(日) 三療研修会(センター)
11月30日(土)・12月1日(日) 第10回北信越ブロック大会(新潟県)
12月3日(火)~9日(月) 障害者週間
12月8日(日) 更生相談会・結婚相談室(センター)
12月8日(日) 意見交換会(センター)
12月12日(木) 理事会②(センター)
12月末 会報「ゆきしろ」第90号発刊
3月27日(木) 理事会③(センター)
3月30日(日) 合同会議(センター)
通年
・点訳・朗読奉仕員養成・研修事業 ・外出介護サービス指定事業者情報提供事業 ・生活訓練事業
・盲導犬育成事業 ・結婚相談事業 ・福祉機器相談事業 ・三療研修会 ・IT推進員派遣事業
今年の冬は、積雪が少なくて助かりました。しかし、1月の能登半島地震や、3月ごろの気温変動の大きさは、高齢で、持病のある私に地震の怖さと、体調管理の難しさを教えてくれました。 社会の多様化が進む中、「誰一人取り残さない」という政策が推進され、視覚障害者の不便さ、不自由さが解消されたらいいなと思いました。 この『ゆきしろ』は、視覚障害者協会の令和5年度後期の記録です。 福祉活動の参考に少しでも役立てば幸いです。
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